機関紙 - 基本給・一時金のマイナス勧告ありうる情勢 ふざけるな!!50歳代後半の給与削減提案 〜予想される2010年人事院勧告の特徴〜
*政府の「総人件費削減」方針に追随
公務労組連絡会では夏季重点要求をめぐって人事院との交渉がおこなわれています。10勧告にむけた給与・一時金の改定など現在の検討状況が中間的に示されるなか、50歳代後半の給与を削減するため、「一定率を乗じて引き下げる」との考え方が明らかにされています。
人事院は給与引き下げの最大の根拠として、民間給与と比較して公務員の50歳代後半層の賃金水準が高いことをあげていますが、「民間準拠」のみを口実とした給与引き下げには道理はありません。また、非常勤職員の人事院規則改正について、「3年上限」を明示させなかったことは運動の成果ですが、公募原則の例外規定は事実上の3年上限であり、非正規職員が恒常的業務を担っている現状を踏まえたものではなく、容認できるものではありません。2年連続の賃下げを断じて許さず、民間にも影響を与える公務の賃金改善へ、職場・地域から共同のたたかいを強めましょう。
以下、人事院が検討している概要(抜粋)です。
賃金水準・一時金
賃金水準は、民間の春闘結果は昨年とほぼ同水準(表1)であり、昨年の人事院勧告はマイナス0・22%となっていることから、公務員の賃金水準改定状況によっては今年の勧告もマイナスとなる危険性がある。50歳代後半層の給与削減措置については、俸給表改定では追いつかないとし、率での削減も検討。
一時金は、昨年冬の落ち込みが大きく(表2)、今夏の妥結状況が前年並みであることから、マイナスとなる危険性が高い。そのため、現行の年間支給月数4・15月から4・0月を下回る可能性が高まっている。
高齢期雇用(定年延長)
年金支給年齢引き上げに合わせて、2013年度から3年に1歳ずつ段階的に定年年齢を引き上げるように措置を検討(65歳定年制が完成するのは2025年度)。
(1)日々雇用廃止、期間業務職員を新設、(2)任期は会計年度内で最長1年、(3)採用は原則公募、(4)例外として原則2回までは公募によらず勤務実績で採用可能、などとなっています。
経団連 | 連合 | 春闘共闘 | ||
大手 | 中小 | |||
09年 | 1.81% | 1.42% | 1.69% | 1.94% |
10年 | 1.86% | 1.52% | 1.69% | 1.89% |
経団連 | 連合 | 春闘共闘 | ||
全産業 | 大手 | |||
09年冬 | △12.6% | △0.36% | △0.43月 | △13.25% |
10年夏 | 0.46% | △0.03月 | △ 0.41% |
人事院への取り組みを集中させよう
(1)人事院勧告にむけた要求署名に単組・職場でとりくみましょう。
(2)臨時・非常勤職員の労働条件改善を求める「要求ハガキ」にとりくみましょう。
(署名とハガキは7月28日の中央行動で提出します)
(3)50歳代後半層の給与削減に反対する職場決議をあげよう。
(4)7・28中央行動へ参加し、人事院の不当な提案を撤回させましょう。
(5)「非常勤職員制度改正」へのパブリックコメントを送りましょう。
京都自治労連 第1732号(2010年7月20日発行)より