機関紙 - 再び原発事故リスクの日本、京都に戻してはならない 〜緊急刊行『原発再稼働?』〜
「新規制基準」では事故は防止できない
原発を巡る情勢が緊迫しています。京都自治体問題研究所は、『原発再稼働?』を緊急刊行。著者の一人、池田豊委員長に著書の特徴を寄せていただきました。
川内原発が新規制基準審査承認第1号で再稼働しました。そして4月、福井地裁の再稼働差止仮処分決定がされた高浜原発は、11月再稼働に向け、原子力規制委員会のもと準備を開始しました。京都も再び、原発事故リスクを抱えた地域に戻ろうとしています。
本書は再稼働に道をひらく原子力規制委員会の役割を明らかにしています。
?「世界一厳しい新規制基準」の実態は、福島のような原発の「過酷事故」は防止できないことを認めたうえでの基準であること、そして既存原発の再稼働が困難となる規制をさける内容であること。福井県若狭には14基の原子炉が50?の間に「過密配置・集中立地」されているにも関わらず、規制委員会は「集中立地のリスクを検討する必要はない」としています。このように新規制基準は悪質な安全神話と言えます。
?原子力災害時の地域防災計画の専門的・技術的な面を、原子力規制委員会が「原子力災害対策指針」として決めています。その対策指針を4月に大幅改悪し、放射能の拡散予測をするSPEEDIの使用を一切やめました。事故時の拡散予測の手法を一切排除し、モニタリングポストによる実測後の避難計画とすることを決めました。実測後ということは当然被ばくを前提にした避難計画ということです。
福島では、震災により直接死亡した1604人を大きく上回る1921人が震災後、震災関連死として死亡しています。同時に震災後長期の避難生活の中で69人が自ら命を絶っています。
再び福島原発事故を繰り返すことは絶対になりません。
京都自治労連 第1854号(2015年8月20日発行)より