機関紙 - 戦前よりもひどい労働条件… 「働き方改革」の真偽を問う学習会
政府の「働き方改革実現会議」(議長:安倍晋三首相)は、残業時間の上限を「繁忙期には月100時間未満」とする規制案を盛り込んだ「働き方改革実行計画」をとりまとめました。
政府はこの実行計画を反映した残業上限規制を定める労働基準法改正案を、秋の国会に提出することを狙っています。
政治が過労死ラインを合法化することを許さない
3月28日、ラボール京都で、京都総評主催、過労死を防止する京都の会共催で「『働き方改革』の真偽を問う」と題して学習会が開催され、39人が参加しました。
最初に開会のあいさつで梶川憲京都総評議長は、大企業での過労自殺に触れ、「まじめに働く人が命を落とす事態に政治が答えを出すことが大事」「その政治が過労死ラインを合法化するなどとんでもないことだ」と安倍政権の「働き方改革」を批判しました。
戦前よりもひどいいまの長時間労働
講演では関西大学名誉教授の森岡孝二さんが、第2次安倍内閣成立以降に行なってきた労働時間制度改革を解説。長時間労働是正、同一労働同一賃金など、改善が期待される言葉が並ぶ「働き方改革」に対して、過労死防止法などを草案した有識者などの意見も聞かず、財界・産業界だけで進めているとし、「残業規制に財界・産業界が反対しないことからもおかしい」「現行の労基法第32条にある一日8時間、週48時間の規定も36協定などでザル法状態。正規労働者は恒常的・計画的長時間残業・サービス残業は蔓延している。戦前の女工哀史以下」とし、「過労死認定基準の週100時間を認めるなどは、いまの長時間労働を法制化し過労死するまで働かさせるもの」と糾弾しました。
これ以上過労死を出さない実効ある法律を
最後に、共催である過労死防止京都連絡会から中島清美さんからあいさつがあり、過労死家族を失った痛みを話し、過労死のない世界の実現を訴えました。
京都自治労連 第1893号(2017年4月5日発行)より