機関紙 - 第1回 タッちゃんが訪ねるふるさと再生 魅力ある企画で農村守る 〜大江町毛原〜
ふるさと再生のために府内各地で様々な取り組みが行われている。タッちゃんこと尾崎立治副委員長がその現場を訪ねる新企画『タッちゃんが訪ねるふるさと再生』シリーズの第1回は、福知山市大江町毛原で高齢化・過疎化の中で棚田を守り村を守る取り組みを訪ねた。
大江山を分け入り毛原地域に入ると美しい棚田風景。今は冬、切り株しかないが、田植えを終えた水田や秋の風に波打つ稲穂を想像するだけで楽しくなってくる。
尾崎副委員長は、ここで開かれているログハウス講習会に福知山市職員で、毛原の棚田農業体験ツアー実行委員会事務局長の桜井一好さんと伊田浩三さんを訪ねた。2人は旧大江町職の役員の経験も有り、尾崎副委員長とは旧知の仲でもある。
都市住民との交流で活性化を
地元毛原在住の桜井さんによると、毛原の戸数は12戸、人口は30人。学校に通う子どもは、高校生が1人いるだけ。ここに農地面積8ha、約600枚の棚田がある。高齢化がすすむこの地域で、農地の荒廃がすすみ、集落の維持さえも困難になっているそうだ。
そこで、18年前から集落で話し合いを重ね視察を行い、農業体験ツアー、ログハウス講習会、キノコ栽培講習会などを行ってきた。桜井さんは「何とか外の人に来てもらって、地域の活性化を図りたい」という。
美しい自然とあたたかい人々
ログハウス講習会の責任者である伊田さんは大江町中心部の河守在住。毎週土曜日に毛原に通う生活が5年続いている。伊田さんは「ここのいいところは、部外者をみんなが受け入れてくれるところ。地域の取り組みにものびのび参加できる」という。受講生は30人近くに。
ちょうど昼休み、休憩小屋で車座になって弁当広げて昼食、ちょっとした宴会になる。受講生は、東大阪市から3時間かけて、介護施設の所長、高校の数学の先生、京都市内の会社員など様々。魅力を尋ねると「ログハウスは究極のロマン、団塊の世代の憧れ」「普段の生活から離れ山の中に入ると、別のものに出会える」「家族で始めたが、今では親父だけが楽しんでいる」と少年のような笑顔で答えが返ってくる。本当に楽しそうだ。
伊田さんは「アットホームのこのいい加減さがいい。頑張れば自分で家を建てられる。仲間も出来る」と魅力を語る。
「住民の目線で、地域に根付いて頑張る自治体労働者でありたい」と語ってくれた、桜井さん、伊田さんの言葉に心が温かくなり毛原を後にした。
京都自治労連 第1743号(2011年1月5日発行)より