機関紙 - 図書館:地域に根ざす図書館の役わり…図書館は情報の宝庫 本と人、地域と図書館をつなぐ仕事大切にしたい
京都市には移動図書館も含めると21もの市立図書館があります。この内、18の図書館が京都市生涯学習財団の管轄で、京都市からの派遣職員と財団で雇用された職員で運営されています。
今回取材したAさんは西京図書館で働く図書館司書。日頃の仕事や図書館司書としてのやりがいなどをAさんにお伺いしました。
本が好き!で始めた図書館のアルバイト
Aさんは大学時代に先輩から誘われて、京都市の中央図書館でアルバイトを経験しました。「本が好きな私には絶好のアルバイトでした」と話すAさんは、図書館のアルバイトをする中で、本に関わる仕事がしたいと、司書の資格をとって京都市の図書館を運営する京都市生涯学習財団に就職しました。
就職して7年。中央、下京、西京といくつかの図書館で働いてきました。Aさんは「地域に根ざした図書館ですから図書館ごとに利用者の年齢層や貸し出し図書の種類などが違ってきます」と市立図書館の特徴を語ります。
知りたい情報へのアプローチを提供
図書館の仕事は本の貸し出しばかりではありません。本の分類、データベース化、本の整理整頓、レイアウト変更など。
「開館時間中はできない作業も沢山あります」「TRC(図書館流通センター)がつけてくる分類だけではない分類番号を追加したり、検索しやすいようにキーワードを加えたりしています。
新しく購入した本や寄付された本はもちろん、すでに登録した本の見直しもあります」。
「利用者から『こんなこと知りたい』という漠然とした問い合わせがあります。希望に沿った的確な本などの情報を提供しています」とAさん。
問い合わせの内容は多岐に及びますが、利用者の希望する情報へ道案内するのが図書館司書の醍醐味と、仕事のやりがいに目を輝かせます。
図書館から地域に積極的に発信していく
Aさんの働く西京図書館には5・7万近い蔵書があります。「毎月、時節や時事のテーマを決めてテーマに関わる本をピックアップして展示しています」「図書館には古い本もあります。
内容はもちろん表紙絵や挿絵のきれいな本もありますので紹介したいですね」とAさん。これらの企画は、同じ図書館で働く司書らと相談して新しく打ち出しています。ネットで膨大な情報が出ては消えをくりかえしながら氾濫している中で、正確な情報を提供できるのが図書館の魅力の一つ。
「地域の皆さんの重要な情報・学習の場として、図書館の魅力を発信していきたいですね」とAさんは胸をはります。
今、図書館は、削減される予算と人員の中で、忙しい毎日ですが、本と人をつなぐだけでなく、住民の世代を超えて人と人をつなぐ場として、地域に根ざした図書館にしていきたいとAさんは笑顔で話してくれました。
京都自治労連 第1966号(2020年9月5日発行)より