機関紙 - 平和ツアー 京都自治労連女性部…奈良教育大キャンパスに多数の戦争遺跡
女性部の秋の平和ツアー「奈良公園の戦争遺跡を歩く」が、11月21日に行われ、子ども連れなど17人が参加しました。
奈良公園にも戦争の歴史
案内をお願いしたのは、奈良県内の戦争遺跡を調査研究されてきた元中学校教師で歴史教育者協議会会員の吉川好胤先生です。新型コロナ感染症の拡大防止のため、教育大学キャンパスや奈良ホテルへの立ち入りはできませんでしたが、周囲から現在も残る遺跡を見ることが出来ました。
吉川先生は、「奈良教育大学の敷地には、戦前、奈良聯隊が置かれ、この兵舎に駐屯した将兵が7万人に及ぶが、シベリア出兵、満州事変、南京大虐殺に大きくかかわり、南方作戦でほぼ全滅した」と話されました。
また、奈良公園では、軍による公園内の松伐採・拠出の命令に知事や東大寺が反対して公園を残したが、戦闘機の燃料として、松の木にV字型の切り傷を付け松やにを採取したことや、正倉院等の仏像、宝物を「国宝疎開」させた歴史などをお聞きしました。
当時小学生だった吉川先生は、毎週末、ススキの穂を集めて、月曜日に持っていく宿題があり、「お国のため」の油がとれると子どもも動員されていました。
最後に先生は、「私の話は、生徒たちが学習し戦跡にまつわる証人を探し集めてくれた貴重なもので、それを知らせるお手伝いをしている」と語られ、参加者からは、「教育大学の敷地内にたくさんの戦争遺跡が残っていることに驚いた」「平和な奈良公園にも戦争の歴史があることを、現地で話を聞いて実感できた」等の感想が寄せられました。
京都自治労連 第1969号(2020年12月5日発行)より