機関紙 - 京深層水
「明かりははっきりと見え始めている」。先月25日、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の1道11県への拡大を決めた後の記者会見での菅首相の発言である。この人はいったいどこを見ているか、「国民は総理と同じ明かりは見えているのか」と質した記者には恐らく赤信号が見えていたのだろう。
デルタ株に対しても80%発症を防ぐ効果があるとされるワクチンは有効だ。しかし、デルタ株は非常に感染力が高く、「第5波」では爆発的感染拡大により、保健所は機能不全となり、医療は崩壊している。一方のワクチン接種は64歳以下を対象とした接種が始まったばかりで感染スピードに全くと言っていいほど追い付いていない。さらに、免疫の失活もこの間明らかとなった。
いのちを救うために、これまでの枠を超えた対策が必要だ。これまでとフェイズが変わった時に、総理が楽観論を振りまくことは犯罪的行為に近い。そんな方には1日も早くお辞めになっていただかなければならない。(F)
京都自治労連 第1978号(2021年9月5日発行)より