機関紙 - 非正規の仲間の座談会
自治労連が昨年から取り組んでいる、非正規職員を対象とした3Tアクション『ほこイカアンケート』は、会計年度任用職員の置かれている劣悪な状態を明らかにして処遇改善を世論化するとともに、つながりをつくり組織強化・組織化へとつなげる出発点になっています。京都でも大きな反響があり、「取り組んでよかった」「組合員が増えた」などの声が寄せられ、記者会見も行いました。会計年度任用職員の組合役員の方にお話を伺いました。
京都市職労副委員長 Oさん
宇治市非常勤労組執行委員 Pさん
宇治市パート保母労組委員長 Qさん
宇治市非常勤労組委員長 Rさん
住民のために生きいきと働きたい
処遇改善、社会的地位向上の年に
司会:ほこイカアンケートの反響はいかがでしたか
R:『ほこイカアンケート』の目的が、私たちの「組合をもっと知ってほしい」「もっとつながりたい」との思いと一致したので、宇治市に働くすべての会計年度任用職員の仲間を対象に取り組むことになり、本庁職場は、宇治市職労の協力も得ながら全ての職場を訪問して配布し、出先には手紙を付けて送りました。全国規模で行われることに力強さを感じました。この取り組みを通じて、5人の方に新たに組合に入っていただきました。
P:同じ宇治市役所に働いていても、まったく知らない仲間がたくさんいて、非正規職員が加入できる労働組合のことを知らない仲間がいることが分かって、知ってもらう活動にさらに力を入れようと思っています。
O:京都市でも、アンケートをきっかけにつながりが広がったことは大きいと思います。
対話の中で感じたことは、正規職員と待遇で大きな差があっても、「それを知っていて、この職を選んだのだから、それは自分のせい」と思っている人がたくさんいることです。話をしていく中で、「自分がおかしいと思っていたことを、口に出して、声を上げてもいい。組合が聞いてくれる」と言われました。私は、労働組合の原点のような気がします。
P:会計年度任用職員は、孤立していると思うんです。採用になれば、すぐ職場へ行って、説明を聞いて仕事が始まります。同期で集まることもありません。横のつながりが全くないんです。
R:この間の対話の中で感じましたが、みんな「つながり」を求めているということです。職場の中でのつながりもですが、「社会とのつながり、世界とつながっていたい」というようなことを、何人かの方から聞くことが出来ました。労働組合の魅力だと思います。
司会:2023年の抱負、目標について
R:賃金や労働条件の改善はもちろんですが、社会的地位の向上ですね。最終目標かもしれませんが、非正規職員という言葉も無くなって短時間勤務職員という形になればいいと思っています。
Q:私たちは、宇治市の保育園の早朝と夕方の時間外保育の要員として働いている保育士です。時間外保育の時間帯は、非正規の保育士で子どもを見ています。今の賃金は、命を預かる仕事にふさわしいとは言えません。何か問題が起これば、安い賃金でも責任は問われます。責任にふさわしい処遇改善、社会的地位向上が必要です。
O:昨年3月に独自のアンケートを取ったんですが、正規が上で、非正規が下みたいな思いをして、「忘れられない」と書いてありました。「仕事を押し付けられている」「意見が重んじられない」「疎外感を感じる」という意見も多くありました。一年の有期雇用のため、「意見を言ったら、来年は採用されない」という不安もあって、ひたすら黙っているしかない。そういう点でも、一年契約で公募の今の制度は問題です。
P:正規職員は、人事異動で変わっていきますが、10年20年同じところで働いている非正規職員もいます。住民に喜んでもらえる仕事がしたいと頑張っています。
司会:組合の仲間を増やし処遇改善と社会的地位向上へ要求を前進する年にしましょう。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より