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機関紙 - 【文化財保護】専門性活かし地域財産保護…積み重ねた調査が歴史的発見に…文化財・記念物の保護は公務の大きな役割…京都市職労

【文化財保護】専門性活かし地域財産保護…積み重ねた調査が歴史的発見に…文化財・記念物の保護は公務の大きな役割…京都市職労

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組合活動
 2023/12/6 17:00

2021年に文化財保護法が一部改定され、文化財指定の一部が教育委員会から市首長部局に移管されました。多くの史跡や記念物がある京都市の役割は重大です。今回は、文化財保護を担う京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課のAさんとBさんに普段の仕事の様子ややりがいを伺いました。

それぞれの歴史・経過を踏まえ史跡保護はかる

文化財保護課の中で専門分野ごとに埋蔵文化財、記念物(史跡、名勝、天然記念物)、建造物、美術工芸・民俗、様々な文化施設の管理と、大きく分けて4つに分かれています。

Aさんは、記念物の係で「発掘調査などで出てきた場所や物を『史跡』に指定して、場合によっては土地を買い上げたりもして、史跡を保護していくことと、史跡や名勝に指定されているところへ行き、状態の確認や、修繕、改修の相談を行っています」と仕事の概要を話します。

京都はお寺や神社が史跡や名勝に指定されていることが多く、修繕には普通以上の手間と費用がかかります。また、改修となると、文化庁の許可がいるなど手続きを要します。年間200件以上の相談や申請があり、ひとつひとつ丁寧な対応が求められます。「書類のやり取りで済んでしまうものもありますが、それぞれに歴史と経過がありますので、場合によっては何回も足を運んで所有者さんと相談を重ね、文化庁ともやり取りしながら進めていきます」とAさん。

現状維持が基本ですが、記念物の見学者をもっと増やしたい、修理の費用がないなど所有者の様々な思いや悩みを受けながらの仕事ですから、専門知識と経験が必要になってきます。

積み重ねの調査・記録が新たな発見につながる

「埋蔵文化財係の基本的な仕事は、地域開発と埋蔵文化財保護の調整です」と話すのは埋蔵文化財係のBさん。全国には多数の埋蔵文化財包蔵地がありますが、京都市では開発の多い中心市街地の大部分が埋蔵文化財包蔵地です。土地の開発予定地での掘削作業などで、どのくらい埋蔵文化財に影響を及ぼすか、窓口での相談から現地調査に及ぶことも多いといいます。

「現地調査では試掘調査(=試し掘り)を行うこともあります。遺跡があるとわかれば、本格的な発掘調査を行い記録に残していきます」とBさん。「こちらもステップごとに判断を求められます。埋蔵文化財包蔵地でも必ず遺跡があるわけではありませんので、次のステップに進む判断が難しいです」。申請は、個人の住宅建設だったり、大企業のホテル建設だったりですが、工事現場に向かうときなどは私有地ですから気を使います。申請件数は年間1000件、現地調査に向かうのは600件、試掘調査に至るのは100件。かなりの件数を11人の職員ですすめています。「係のみんながほぼ毎日試掘調査に出ているか、発掘現場に出ています。もちろん調査報告、資料整理と資料作りがありますから忙しいですね」とBさん。「新聞などに紹介されるものはごくわずかです。これまでに何年もかけて調査と収集、記録を積み重ねてきた結果です」と仕事の継続や積み重ねの大切さを話します。

経験と次世代継承で公務の役割果たす

Aさんは、以前、埋蔵文化財係を経験し記念物係に。この仕事の経験と継承は重要だといいます。「文化財保護課の中での担当の異動ですが、取り扱うものが違いますし、自分が学んできた専門分野と異なる場合もあります。住民との対応も変わってきます。その中で、先輩方の積み重ねてきた調査や記録も見ながら仕事を進めています」とAさん。歴史ある京都の文化財を保護し守っていく仕事にやりがいを感じています。合わせて、先祖代々文化財を守ってきた、お寺や神社、住民の方々への敬意と感謝の気持ちを語ってくれました。

Bさんも「地味な仕事ですが、課で積み上げてきた調査や記録から新たな発見や定説の実証ができるのがいいですね」と仕事の魅力を話します。

二人の言葉には、京都の文化・歴史を残し、次世代に伝えていきたい思いがあふれていました。


京都自治労連 第2005号(2023年12月5日発行)より

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