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機関紙 - シリーズ発言1:農産物の買い叩き、鳥獣害に限界 いまこそ、農家のものづくり支援する府政を

シリーズ発言1:農産物の買い叩き、鳥獣害に限界 いまこそ、農家のものづくり支援する府政を

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組合活動
 2010/2/13 0:00

京都農民連書記長
安田 政教さん


 政権交代による農業政策が大きく変化しようとしているなかで、農業の現場が大変なことになっている。京都府の食料自給率は13%で、日本の食料自給率の比ではない。地元産コシヒカリが食味ランキングで「特A」になり、魚沼産コシヒカリと肩を並べた。東京や大阪、九州などに流通することはうれしいことだが、エネルギーや地球温暖化、地産地消などを考えるともっと京都府内で消費してほしい。

 京都府は京水菜など京野菜やお茶の増産に力を入れているが、「自給率は国の問題」として府内の食料自給率には余り関心がないようだ。そんな府政の中で、農業はどうなっているのか。主食の米を筆頭に、農産物の買い叩きが進行している。農水省の試算を見ても、平均的な米の生産費は8、500円(玄米30kg)、ところが農家の販売価格は6、500円だ。2、000円の赤字を出して出荷している計算だ。他の農産物についても同様だ。これではいくら後継者対策に力を入れても、農業の後継者は出てこない。

 農家もこうした事態に手をこまねいているわけではない。産直やインターネット販売、特別栽培や有機栽培、集落営農や機械の共同利用、肥料の効率的利用など、できる努力は必死でやっている。

 こうした努力に冷水を浴びせているのが中山間地を中心に広がる獣害だ。金網や電気柵、捕獲檻、猟友会による駆除なども被害の広がりを食い止めることはできていない。収穫を目前にして、また苗を植えたその夜に被害にあうと、ものづくりの意欲だけでなくそこで生きて行く気力すら奪われてしまう。副知事を本部長に県を上げて対策を進めている長野県や森林動物の研究センターをつくり、抜本的な総合対策を進めている兵庫県と比べて、京都府の取り組みは始まったばかりだ。

 かつての京都民主府政は「西の農林水産省」とも呼ばれ、「京都食管制度」で府民の食料に責任を持ち、農家のものづくりを応援した。昨年の総選挙では政治を変えようという国民の声が政権交代を現実のものにした。日本の農業をつぶし、「食料は外国から買ったらよい」とする自民党農政に審判が下った。今度は国のそれに追随してきた相乗り府政を転換して、府民の食料に責任をもち、農業とふるさとを再生する、新しい京都府政をつくることだ。今度の知事選挙は農民の一揆だ。


京都自治労連 第1721号(2010年2月5日発行)より

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