機関紙 - 地方交付税"人質"の賃下げ要請に強い怒り 〜地域経済活性化へ 京都自治労連春闘キャラバン〜
京都自治労連は2月21日から25日にかけて、13春闘における重点課題と要求の前進をはかる目的として13春闘キャラバンを実施。
懇談では、地方公務員賃金の7・8%削減要請にかかわって、各自治体当局から、政府の賃金削減を前提にした地方交付税削減に強い怒りがわき上がっていることが出される一方、現実問題として交付税が削減される下での住民サービス維持をどうするのかと、苦悩する姿も明らかになりました。
要請という名の『強要』
不当な介入で認識一致
「保守層からも?やり方がおかしい?と声が上がっている」「地方交付税を減らして賃金削減要請はひどい」「賃金は地方が自主的に決めるものだ」。政府が国家公務員に準じて地方公務員への7・8%賃下げを要請すると同時に、賃金削減を前提とした交付税削減を行うことに対して、懇談の中で当局側から次々と出された怒りの声です。さらには「時限的措置というが、2年で終わるという保障はどこにもない」と、今後も削減強要が続く可能性に警鐘をならす当局も。「公務員賃金は地域経済や民間賃金にも大きく波及する。地域で基準になる賃金。一方的な交付税削減で人件費などは厳しくなる」と賃上げと景気回復に逆行するのではと指摘する声も聞かれました。
賃下げ攻撃の狙いは、労働者のさらなる賃金抑制と、消費税増税や社会保障切り捨てなど国民負担の押し付けに対する「露払い」に他なりません。政府による地方自治への不当な介入だとする認識で一致し、引き続いて抗議の声をあげていくことを確認しました。
その一方で、「すでに7200万円が減らされ厳しい状態」「算定では4000万円の削減になり難しい問題」「削減はしたくないが、最も住民に近い、顔が見える立場で苦しい」と、住民サービスに対する影響の懸念など、身動きが取れない状況に苦悩している姿が見られました。
地域経済に生きる、住民要求に沿った公共事業を
政府の緊急経済対策における大型補正予算を地域経済にどう生かすか、という点についても懇談。「京都縦貫の接続で車の流れが変わる。パーキングエリアの活用など集客力や地域活性化に繋げたい」(京丹波町)、「サッカースタジアム建設が決まり、全庁的なプロジェクトを設置。まちづくりの視点をしっかり持ち、観光・産業での経済波及に繋げたい」(亀岡市)など、国や府の大型公共事業を地域経済に生かす検討がされています。
しかし、「土木技術者不足を実感している。募集しても集まらない」「土木建設業者が減り、工事を請け負う業者がない」と各自治体から声があがるほど深刻な事態が起こっています。
その他、非正規の賃金をはじめとする待遇改善やメンタルヘルス問題、再生可能エネルギー、公契約条例などの課題で懇談、意見交換を行いました。
京都自治労連 第1795号(2013年3月5日発行)より