京都自治労連は10月22日〜30日を中心に、24賃金確定闘争での各単組の重点要求や職場要求前進を図ることを目的として、秋季年末闘争自治体キャラバンを実施しました。勧告の取り扱いや地域手当をはじめとした給与制度のアップデートへの対応、会計年度任用職員の4月遡及や公募の課題、人材確保についてなど自治体当局と懇談を行いました。
勧告準拠基本も水準の低さ認識
8月の人事院勧告や10月の京都府人事委員会勧告を受けた給与改定については、「これまでも人勧を尊重してきた。今回も基本的に準拠する考えだ」と多くの自治体が答えました。また、「国家公務員の給与法改定時期も含めてその扱いがどうなるのか動向を注視している」とする自治体もありました。
給与水準にかかわっては、初任給を中心に大きく引き上がったものの全体として民間には追いついていないとの受け止めや、「人材確保の観点から初任給引き上げは意義あること」「若年層が引き上がる一方で、中堅・高齢層の引き上げ幅の少なさが課題」との声が聞かれました。
会計年度任用職員の給与改定・4月遡及は昨年実施した自治体では今年度も実施する意向であること、不実施だった自治体でも昨年時点から課題と認識するなかで今回は遡及改定するよう準備が進められています。
すべての市町村に地域手当を
給与制度のアップデートの1つとして示された地域手当の広域化で、京都府全域が8%とされたことについて、「基本的に勧告準拠での支給と条例改正を考えているが、近隣も見ながら対応したい」「支給する際の必要額を試算している」と支給に向けた検討が行われています。
これまで不支給地だった自治体を中心に人員確保の観点から歓迎の声とともに財源に対する不安の声も多く聞かれました。なかには「財源問題が解決できるなら人材確保の面から一気に8%まで引き上げたい」と答える自治体もありました。
魅力ある公務職場へ
人員の課題では、若年層の中途退職や「募集してもそもそも応募がない。追加試験を行っているが、技師や専門職の確保が本当に厳しい」と深刻な悩みと実態が語られ、採用年齢の引き上げや大学との連携、インターンシップの充実で公務職場の魅力発信、給与等の処遇改善など人材確保のための自治体独自の工夫が行われています。
職員の奮闘に応える処遇改善を
24確定闘争は、今年度の給与改定と、給与制度のアップデートでの地域手当や扶養手当の課題が焦点になります。組合員の地域手当支給・引き上げへの期待は大きい一方で、自治体当局にとっては財政問題が大きな課題です。
京都自治労連は、地域間格差を生む地域手当そのものを本給に組み込むことを基本要求としていますが、現行制度のなかではしっかりと国が責任をもって地域手当等への交付税措置を行うことを含め、財源の課題については今後予定する京都府自治振興課交渉で追及していきます。
各単組で、賃金改善や人員増、長時間労働解消など働き続けられる労働環境へ、職場要求をあつめ、要求書提出と交渉をすすめましょう。
京都自治労連 第2016号(2024年11月5日発行)より