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8月11日、「基地のない平和な沖縄・日本・東アジアを!京都集会」がキャンパスプラザ京都において開催、酷暑に配慮し今年は屋内にて行われました。
高良鉄美参議院議員の講演は、米軍の事故を報じた過去の記事の紹介から始まり、復帰50年、辛い歴史を重ねた沖縄の現実を告発しました。
高良さんは、「沖縄は、今も昔も米軍の駐留で戦争状態、常に米軍最優先」と批判し、「日米地位協定を変えなければならない」と強調しました。「戦後沖縄の住民は、平和憲法の中身を本土より遅れて、市民運動や労働運動を通じて知りました。平和憲法の理念を活かすためにも、玉城デニー県知事の再選と辺野古新基地の建設阻止が必要だ」と訴えました。
また、米軍Xバンドレーダー基地の近況、南西諸島が自衛隊基地化している報告がありました。
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より
自治労連は、8月28日・29日、第44回定期大会をオンラインで開催しました。大会では、各地から住民のいのちと暮らし、職場・組合員を守る取り組みや「誇りと怒りの3Tアクション」で仲間を増やし、
賃金・労働条件を改善する取り組みなどが報告されました。
新自由主義からの転換を求める大きな運動に
あいさつに立った桜井眞吾中央執行委員長は、コロナ対応、自然災害の復旧などで疲弊する公務職場の実態に触れ、岸田政権の政治と経済の立ち遅れ・無策を指摘。反核平和運動が高揚する世界の流れに反する改憲策動や防衛政策などを厳しく批判しました。桜井委員長は「今こそ公共を国民・住民に取り戻し、憲法を活かした自治体づくりへ転換していく運動が必要だ」と訴えました。
方針提案を行った小山国治副中央執行委員長は、(1)いのちと暮らしを最優先にする社会へ転換しよう(2)憲法を実行する政治に転換しよう(3)地方自治を拡充し、住民本位の自治体に転換しよう(4)賃金が上がる社会への転換、誰もが安心して働き続けられるルールをつくろう(5)全員参加で要求を実現する強く大きな自治労連をつくろう、と運動の柱を提起しました。小山副委員長は、「自治体と自治体労働者が果たすべき役割にたちかえり、確信をもって運動をすすめよう」と、自治体労働者権利宣言(案)を紹介し訴えました。
一歩踏み出して前進した旺盛な取り組み
討論では、「3Tアクションの取り組みが広がり、組合員が増えた」(神奈川、高知、他)、「外部委託や民営化の動きを組合が地域に知らせ、住民運動に。議会も動いて阻止させた」(三重、大阪)、「青プロの取り組みで、Webなどを工夫して参加者増やし、学習や交流を広げた」(岡山、広島)、「水道の広域化がすすめば、自治体、住民はなにも意見を言えなくなる」「広域化の流れを組合、住民とともにストップさせる取り組みを進めている」(公企評、奈良)など、組合員、職場、地域に寄り添った取り組みが報告され、大会方針を支持・補強する発言が相次ぎました。
採決では、執行部提案の全ての議案が圧倒的多数で可決されました。
京都代議員の発言
みんなでコミュニティーオーガナイジングを学んで、多様な要求をつかみ運動につなげたい:京都市職労
コロナ禍や人員削減のもとで仕事が忙しいこともあり、組合活動が困難に直面している。こうした状況の中でも組合員の多様な要求を反映した運動を進めていくため、会議や集会の頻度を絞り、緻密なタイムスケジュールを組みコンパクトに行っている。全ての課題にジェンダー平等を貫き、参加しやすい、参加したくなる会議・集会をめざして取り組む。
組織状況が厳しい中で、主体的な組合員を増やすことと実情にあった労働運動へのイノベーションは待ったなし。一緒にやる仲間を増やすため、コミュニティーオーガナイジングを学んでほしいし、全労連「ゆにきゃん」への参加を方針に位置付けてほしい。
現場の声を直接厚生労働省へ組合員が自ら立ち上がる:京都府職労連
大阪府職労、京都市職労とともに「いのち守る33キャンペーン」を進めている。保健所では、個人的なつながりも活かしながら、当事者である保健師に参加を呼びかけ一緒に声をあげてきた。8月の厚生労働大臣政務官との懇談では「入院を断られることの連続で、お待たせしている間に施設で看取りをしていただく方もある。連日の残業で疲労が積み重なり精神的ダメージが大きい」と、現場の素直な気持ちを話してくれた。そうした組合員の立ち上がりとともに、ニュースなどを配る中で組合への共感も広がりつつある。現場の組合員・職員が声を上げていく活動を取り組んでいかなくてはならないと考えている。
公共の力を発揮した自治体づくりへ「器」「人」だけでなく政策もセットで:京都自治労連
「公共を住民の手に取りもどす」方針が提起された。今年4月、京都自治労連はつなぐ京都2022に参加して府知事選挙をたたかった。立候補した梶川憲さんは公共の力でいのちを守り支え育むことを政策の柱に据え、保健所の再配置や子どもの医療費無料化など府民のいのちと暮らし、なりわいを支える府政実現のために奮闘した。選挙後も引き続き運動を継続し公共の力の発揮を求めている。
いま新自由主義から決別し公共の力を発揮する新たな自治体づくりの胎動がうまれている。公共を取り戻す具体的なイメージを持ち「器」や「人」だけでなく政策もセットにして各課題で大きく運動を展開していく必要がある。
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より
医療部会定期総会
8月20日、第34回自治労連医療部会の定期総会がWebで開催され、全国から80人が参加しました。
総会では、定年引き上げ問題で学習会。とりわけ医療職場での課題が分かりやすく説明され、「何が要求課題なのかスッキリした。職場でも取り組む」など好評でした。
方針提案では、コロナ感染拡大で国の医療政策の脆弱性が明らかに、国の方針は「医療供給体制の削減」だと厳しく批判し、地域医療を守り医師・看護師等の大幅増員のたたかいをすすめようと呼びかけられました。
討論では、コロナ禍で逼迫する職場の現状や増員求めるたたかい、全職員にソーシャルワーカー手当を勝ち取った経験、組合員拡大で前進等、元気な総会となりました。京都の参加者からも「とても参考になった」と感想が寄せられました。
公衆衛生部会定期総会
8月27日に第34回公衆衛生部会定期総会がWebで開催されました。「地域・住民まるごと安心・健康づくり運動」を協同の力で進めようとする運動方針のもと、議論がされました。コロナ禍でのたいへん厳しい保健所の実態をめぐる発言が相次ぎましたが、検診業務、食の安全、公害・環境業務を含め、住民のいのち、暮らしを守るため保健所の体制充実を求めるために奮闘しようと話し合われました。
また、コロナ感染者の全数把握の見直しについて示されたことに対しての意見が熱く語られました。「業務軽減につながることは歓迎だが、住民にどのような影響が出るのだろうか、感染状況が把握できなくなることで施策が十分にいきわたるのか」等々毎日の厳しい業務をこなす中で感じている率直な意見が出されました。
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より
New:中小企業と労働法、ポジティブ心理学入門、スマホカメラ写真撮影入門、3級FP、簿記
英会話:週1・日常英会話、リスニングのコツ、会話を続けるテクニック ほか
お申込み・お問合せ:
主催:京都市・ラボール学園(公益社団法人 京都勤労者学園)
電話:075-801-5925
メール:gakuen@labor.or.jp
平日/9:00〜20:00 土曜日/9:00〜17:00(日曜・祝日休)
京都自治労連 第1990号(2022年9月5日発行)より
自治労連第44回定期大会WEB
日時:8月28日(日)〜29日(月)
京都会場:ラボール京都
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
京都自治労連結成75周年を飛躍へ
小林書記長に聞く
9月16日(金)、京都自治労第90回定期大会が開催されます。大会の意義について小林竜雄書記長に語ってもらいました。職場からの要求を結集し、運動の前進の中で定期大会を成功させましょう。
公共の力発揮へ新しい動き
2年半以上にわたるコロナ禍は、「効率」「自己責任」第一の新自由主義路線によって弱体化させられた公衆衛生・医療など公務公共の脆弱性を浮き彫りにしました。その中で公務公共サービスの役割にあらためて焦点があたり、京都府知事選挙、東京・杉並区長選挙など新自由主義路線と決別し、公共の力を発揮する自治体づくりへの新しい動きが生まれています。
同時に2月のロシアのウクライナ侵略を口実に国民の不安をあおり、改憲、核共有、敵基地攻撃、大軍拡などの危険な動きが起こっています。7月の参院選で改憲勢力が3分の2を占める結果となり、「早期に改憲発議を進める」という岸田首相に対して、国民の6割は「改憲は急ぐ必要はない」としており、改憲を許さず憲法を平和といのち・くらしを守るために生かすことこそ求められます。
今、自治体労働者は、長期化するコロナ禍のもと恒常的な人員不足の中で過労死ラインを上回る長時間過密労働を強いられ、いのちと健康を削りながら住民のために必死に頑張っています。しかし、人員を増やすどころか、新自由主義路線に基づく自治体戦略2040や自治体DXでいっそう自治体業務のアウトソーシングが進められようとしており、公務公共を住民と自治体労働者の手に取り戻す取り組みが重要です。
各地の豊かな経験共有が力
第90回定期大会は、この1年間の貴重な到達点をふまえ、次の意義と任務を持つ大会です。
第一に、コロナ禍のもと、公務公共サービスの拡充と公的責任を果たすために、引き続き安心して働き続けられる職場づくりに取り組むことです。異常超勤の解消など職員のいのちと健康を守る運動、予算人員闘争、生活改善に向けた通年サイクルの賃金闘争の展開、定年引き上げ問題や会計年度任用職員の「誇りと怒りの3Tアクション」に取り組みます。
第二に、コロナ禍での体験を通じて、新自由主義的政策ではなく、格差と貧困を解消し、誰もが安心して住み続けられる憲法が生きる社会・地域と自治体づくりをめざして、統一地方選挙や首長選挙をポストコロナ社会につなげることです。
第三に、これらの運動をすすめるためにも組織強化拡大、次世代育成・継承を進める意思統一を図ることです。特に単組活動の強化、正規・非正規労働者の組織化、「青プロ」など次の担い手づくりを重点として取り組みを進め、何としても増勢に転じることです。
京都自治労連は11月5日に結成75周年を迎えます。さらなる発展をめざし、経験を共有し、運動を飛躍させる意思統一の場となる大会にしていきましょう。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
2022年度の最低賃金を審議する、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会が1日に開かれ、現在の平均額から過去最大の増加幅である31円引き上げ、全国平均で961円とする目安をまとめました。現在、京都の最賃の時給は937円。目安通りの引き上げなら、968円になります。
今年の協議の特徴は、これまで引き上げに否定的だった経営者側委員も引き上げを認めた点です。これは、コロナ禍における生活苦や、物価の高騰、急激な円高に対して最賃引き上げが必要であることを労働・経営両委員の認識の一致があったからです。
全労連や京都総評の運動で、日本の最低賃金が先進国の中でも最低水準であることが広く知られるようになり、最賃引き上げが大きな国民世論へとなっている表れでもあります。
しかし、だれもがあたり前の生活ができる最低賃金は、日本のどこでも時給1500円以上が必要です。
物価は2.3%も上がっており実質的な引き上げ幅は1%程度にすぎません。職場地域から、最賃引き上げを求める声と、中小零細企業が安心して賃上げをできるように政府の支援策を求める声を強めて、目安を大きく上回る京都の最賃を勝ち取りましょう。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
先月22日、政府は凶弾に倒れてわずか2週間で安倍元首相の国葬を閣議決定した。
暴力で民主主義を封殺する行為に強く抗議するとともに、故人に哀悼の意を表明するものである。多くの国民がそういう気持ちを抱いているに違いない。しかし、多額の税金を使って、国民に安倍政治の美化礼賛や弔意を強要することにつながる国葬の実施は全く別問題である。過去には自治体でも半旗の掲揚が強要されたこともあり、国だけの問題といってはいられない。
改憲策動、憲法違反の安保法制や共謀罪法の強行、アベノミクスによる格差と貧困の拡大、森友・加計・桜疑惑などの政治の私物化などに私たちは労働組合としても反対してきた。また、選挙後に犯行の動機が霊感商法や集団結婚など反社会的団体である旧統一教会の広告塔の役割を担ってきたことへの私怨からだったことも明らかになるなど安倍政治の功罪は定まっていない。現にネット調査でも国葬に反対が多数となっている。国葬は中止すべきではなかろうか。(F)
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
与謝野町では合併前の各自治体にあった3つの図書館機能を合併後も本館・分室として残し、住民サービスの維持・向上を図っています。
今回は、その与謝野町立図書館野田川分室で働く図書館司書のAさんに町立図書館での仕事について伺いました。
小さくても扱う本は毎日百冊以上
与謝野町立図書館野田川分室は、公民館に併設されている小さな図書館です。火曜閉館以外は10時から18時まで、土日も開館しています。「本の貸し出しと返却の実務が中心ですね」とAさん。一冊一冊バーコードを読み込み返却確認します。さらに本の外装や中身を確認し、破れなどを補修します。その間も本の返却や貸し出しで利用者が窓口に訪れます。「夏休みなので子ども連れや学生さんなど利用者が多い時期です」とAさんは手際よく本を整理していきます。
野田川分室の蔵書は3万冊以上。窓口での貸し出しのほか、4つの小学校に常時100冊から200冊ずつが貸し出されています。本に付いているバーコードを見ると近隣自治体の図書館や京都府立図書館の本も見かけます。Aさんは「町立図書館の蔵書だけでは足りないので、近隣自治体の図書館や府立図書館からも貸し借りしています。特に府立図書館の存在は大きい」と話します。
利用者が求める情報を正確に届ける
窓口では、本の貸し出し、返却だけでなく蔵書や本の検索など利用者からの問い合わせに丁寧に対応します。「利用者が問い合わせてくるキーワードだけでは、希望の本はなかなか見つかりませんので、対話しながら、本当に知りたいことが書いてある本を見つけ出します。このやりとりは本の知識と経験が必要です」とAさん。利用者が閲覧できるオンラインのデータベースがありますが、キーワードを入力しても希望の情報が見つからず、直接尋ねられることが多いといいます。「希望の本や情報がわかり、蔵書の中から持ってきて利用者に渡してあげられたときは、利用者も喜んでくれるし、私もうれしいです」「インターネットで情報はたくさん出回っていますが、本当に求めているものを見つけるのは難しいとこの仕事をしていて感じます」とAさん。
最新の書籍の情報収集も欠かせません。「図書館向けの新刊情報などはネットで配信されていますのでいつも見ています。地方紙や地域新聞などに紹介された書籍などもチェックして職員みんなで共有しています」と新聞の切り抜きを貼った情報ノートを見せていただきました。
歴史、文化の保存・継承も図書館の役割
Aさんは、他の自治体の公立図書館に勤めていた経験から「この分室は住民との距離が近いですね。本の貸し借りだけでなく、こんなことが知りたい、こんなことを勉強したいと来館されます。図書館は知識の出会いと発見の場所。気軽に立ち寄ってもらえる人が増えてほしい」と話します。町立図書館では「読書マラソン」と銘打ったイベントなども実施して利用者拡大に取り組んでいます。分室でも季節ごとや時々の話題に対応しておすすめ書籍のコーナーなどをディスプレイしています。「今は『SDGs』の特集コーナーを設けています。子どもや学生も利用してくれています」と紹介してくれました。幼児とその親を対象に定期的な児童書の読み聞かせ会も実施しています。
館内の図書を見て回ると、織物の本や地域の歴史書など、どの分類でも与謝野町周辺の歴史や産業に関係する書籍が目にとまり、児童書でも地域の昔ばなしの本が多く蔵書されています。Aさんは「地域の歴史、文化などの保存・継承も公立図書館の大事な役割だと思います」「ただスペースが限られているため、定期的に本や資料を処分しなければならない。その選別はつらいです」と、公立図書館の役割と働きがい、本へのおもいも話してくれました。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より
第64回自治体学校が7月23日〜25日に長野県松本市で開催され、京都自治労連から14人が参加しました。コロナ禍で、「公共」の役割が改めて問われるなか、参加者は、自らの仕事を見つめ直す機会となりました。二人の参加者に、感想文を寄せていただきました。
宇治市職労:Bさん
自治体学校では、「自治体民営化のゆくえ」と題した分科会に参加し、講義を受けました。
PFIや指定管理者制度での民営化が全国的にも進められていますが、成功といえる事例は無いに等しく、その末路は暗いものであるという事を知りました。
民営化するとなると、利益を出すことが必要になり、そのために圧縮される経費は人件費がほとんどのため、人員削減を起因とした重大な事故の発生や、労働者の低賃金へとつながります。
また、窓口業務の民間委託を導入した自治体では住民サービスの低下や、委託費の上昇がおきているとのことでした。
目の前のコストカットを求めての民間委託が、結果的に労働者・市民にとって大きな損失となることが理解できました。
職員や市民が一体となって行動した他自治体の事例の報告なども聴く中で、まずはそれぞれが自分が働く自治体、暮らす自治体のことに関心を持っていくことが大切なのだろうと思いました。
舞鶴市職労:Cさん
私が参加した分科会「コロナ禍で求められる社会保障の役割と課題」の中で特に、印象に残ったものは、豊中市社会福祉協議会の勝部麗子氏の「コロナ禍によるコロナ貧困に陥った人は、コロナが収まれば一定の収入が見込まれ、仕事さえあれば働ける人たちであり、身ぐるみはがす今の生活保護制度になじまない」という指摘です。「生命保険を解約しなさい」「住宅を手放しなさい」などということを、コロナ禍という「個人では如何ともしがたい要因」により困窮した人に対して求めることは、酷なことであると思います。
真に困窮している人を支援できる制度設計を国に求めていく必要がありますし、それまでの間は、今ある制度をフル活用して支援して行かねばなりません。
私自身の業務が、生活困窮者と接する機会が多い業務であることから、その決意を新たにすることができた分科会となりました。
京都自治労連 第1989号(2022年8月5日発行)より