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●初任給:高卒:12,100円、大卒:10,700円
●一時金:0.10月分引上げ(期末0.05月、勤勉0.05月)
●会計年度任用職員:給与改定は4月遡及改定が適当、勤勉手当は24年度から支給
京都府人事委員会は10月16日、知事と府議会に対し「職員の給与等に関する報告及び勧告」を行いました。
その内容は、2年連続で月例給・一時金を引き上げ、月例給は5年ぶりに全ての級・号給で引き上げるというものです。一方、会計年度任用職員の給与改定では、給与改定は4月遡及改定が適当と言及し、勤勉手当は、2024年度から支給が適当と言及しました。これらは、公務・民間の労働組合が共同して「物価高騰に見合う全労働者の賃上げを」と運動をすすめてきた成果です。しかしこの額では、物価高騰に追い付きません。
各自治体での確定闘争で府勧告も生かし、国の勧告を上回る、生活改善につながる賃上げを勝ち取りましょう。
2023京都府人事委員会「勧告・報告」の概要
給与改定の内容及び実施時期【勧告】
■月例給
- 国の給与制度との均衡を図るため人事院勧告を踏まえ、府の公民較差(4,134円・1.13%)に基づいて引上げ(給料表3,839円、はね返り分295円)
- 初任給をはじめ、若年層に重点を置いて給料表を引上げ改定(行政職の平均改定率:全体1.2%)
- 実施時期:令和5年4月1日(遡及適用)
■期末手当・勤勉手当(ボーナス)
- 民間の支給割合に見合うよう0.10月分引上げ(年間支給月数4.40月→4.50月)
- 民間賞与の支給状況等を考慮しつつ、人事院勧告に準じて引上げ分を期末勤勉手当に均等に配分
- 暫定再任用職員の支給月数を0.05月分引上げ(年間支給月数2.325月→2.375月)
- 実施時期:令和5年6月1日(遡及適用)
■初任給調整手当(略)
■在宅勤務等手当
- 在宅勤務中心の働き方をする職員について、在宅勤務等に伴う光熱水費等の負担軽減を図るため、人事院勧告に準じて手当を新設
- 実施時期:令和6年4月1日
給与制度に係る諸課題【報告】
■給与制度のアップデート等
- 人事院の令和6年に向けた検討状況を注視し、本府への具体的な影響を見定めながら、本府の実情等を十分に踏まえて、給与制度をはじめとする勤務条件の整備を図る必要
■会計年度任用職員の給与制度
- 常勤職員の給与改定が行われた場合には、給与改定の実施時期を含め、常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することが適当
- 地方自治法の改正を踏まえ、令和6年度から、勤勉手当を支給することが適当
※人事制度及び職員の勤務環境【報告】(略)
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
10月25日、洛南地協は「府人事委員会勧告の学習会」を京都自治労連の竹村義明書記次長を講師に開催しました。
竹村書記次長は、勧告の特徴を「初任給をはじめ、若年層に重点を置いた給料表の引き上げ改定で、全職員が引き上げられるのは5年ぶり」「全労働者の賃上げを求めた我々の運動を一定反映している」と強調しました。
また、会計年度任用職員の給与制度について「常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することが適当」との報告を説明し、4月遡及した場合の「差額の見込み額」を示し、「3Tアクションなどみんなで勝ち取ってきた成果」と強調しました。
会計年度任用職員の仲間から、「みんなに知らせて、組合拡大につなげたい」等の声も出る元気な学習会となりました。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
10月6日から京都府内の最低賃金が時給1008円に引き上げられた。
公務員には最低賃金法が適用されないものの、最低賃金を下回って働かせるのはいかがなものかと主張してきた私たちの取り組みもあって、会計年度任用職員の賃金をこの10月から引き上げる自治体がほとんどとなっている。
一方で、正規職員でもこの10月の最低賃金引き上げ以降、給与改定までの間、地域手当不支給地では時給換算で最低賃金を下回る自治体が生じている。正規、非正規の逆転現象である。「遡及改定するのだから」と放置する自治体もあるが、最低賃金を現に下回らないよう調整額という形で工夫する自治体も現れた。
最低賃金や、民間水準を下回る初任給となっている国の俸給表そのもの、もっと言えば民間を後追いするだけの人事院勧告制度の限界が露呈しているとも言える。優秀な人材確保のためにも賃金水準の大幅引き上げこそ求められている。地方の実態を踏まえて給与制度のアップデートでぜひ考えてほしい思う。(F)
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
「子育て」に不安や悩みを持たない親はいないといわれ、昨今ネットにはその情報があふれています。そんな中、保育所、学校をはじめ行政の役割がますます重要になっています。
今回は、課の目的がストレートで誰からもわかりやすい与謝野町の「子育て応援課」の仕事を紹介します。
子育てに関わることは
みんなこの課で
「名前のとおり子育てに関わることはすべてこの課に集中しています」と話してくれたのはAさん。十数人の課のスタッフのうち、5人の保健師をはじめ、社会福祉士、栄養士と専門資格をもつ職員が配置され、非常勤ですが助産師さんもいて、子育て応援への体制がとられています。課は、家庭応援係とこども応援係に分かれてはいますが、児童手当をはじめとする各種手当・給付金の紹介・申請から、子育て支援センターの運営、母子健康手帳交付、障害児福祉や児童虐待防止の施策・運用など多岐にわたります。「与謝野町にある認定こども園、保育所管理運営などもこの課で担当しています」と説明してくれているAさんも子育てに関わる行政課題の多さに驚きます。
Aさんの担当は児童手当ですが、ひとり親家庭助成や障害児童福祉助成の制度の説明や申請業務も行っています。「まだまだ勉強中です。問い合わせなどにきちんと答えて、安心してもらいたいですね」といいます。
町全体で子育てを応援
いいですよね
子育て応援課では、産前、産後から保育、教育まで、様々な支援事業を行っています。紹介してくれた「与謝野町母子保健事業」の一覧には、妊娠前の不妊治療等助成から妊産婦健康診査、新生児・産婦訪問から「YOSANOプレママカフェ」(保健師、助産師が立ち会っての妊娠期の不安解消と妊婦同士の交流)、乳幼児健診や離乳食教室(栄養士による乳児の食事教室・相談会)、ブックスタート事業(乳児と保護者へ図書館司書が絵本の読み聞かせを行い絵本と親しむきっかけ作り)など、国の制度はもちろん、与謝野町独自のユニークな事業が30以上の名を連ねます。
Aさんは「保健師さんや栄養士さんに頑張っていただいています。子育て中のみなさんに安心して利用してもらいたいですね」と、関連事業の開催のお知らせチラシや、その他の子育て支援センターで行っているイベントの予定表なども紹介してくれました。
これらの事業は、保育所やこども園、図書館など町内の様々な施設・機関と連携して行われています。「町全体で子育てを応援していくっていいですよね。応援課は各機関との調整役の役割があります」とAさんは課の果たす役割を話します。
家族に寄り添って
ずーっと支援していく
「いろいろ言いましたけど、子育て応援課に配属されてまだ1年たっていません。まだまだわからないことばかりです」と謙遜するAさんは、役場に就職して4年目。これまで住民環境課に所属して窓口で住民と接してきました。「『子育て』に特化した専門課ですから福祉行政に一歩踏み込んだ感じですね」と子育て応援課に配属されてからの感想を話してくれました。
Aさんは大学時代教育学を専攻。講義の中で「子ども同士のいじめ」や「親の虐待」など心理学の面での話を聞きました。また、地域環境が及ぼす子ども教育への影響なども学びました。そんな中で「ぼんやりとですけど、出身の与謝野町で地域に貢献できる仕事がしたいと思っていました」と役場に就職した経過を振り返ります。「子どもに関わる福祉課題は広くて、深いものもあります。福祉には終わりがないと難しく考えていましたが、結果がどうであれ、その家族に寄り添ってずーっと支援していくことがやりがいにつながっていくんだなあと感じています」と話すAさんの中には、行政と地域が連携して子育てを支援していく大きなグランドデザインが見えてきているのかもしれません。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
会計年度任用職員の処遇改善を求めた「誇りと怒りの3Tアクション」の運動は、政府を動かし、給与改定の「4月遡及」や「勤勉手当支給」が可能になる前進を切り開きました。単組交渉で具体化させましょう。同時に政府に対し制度の改善を求める新たな署名運動が提起されました。全組合員の取り組みで、更なる要求の前進を勝ち取りましょう。
京都市職労非正規評議会 議長
伊佐 雅水さん
京都市の会計年度任用職員は、「5年で公募」が迫ってきて、雇用不安がより大きくなっています。そんな中でも市民のため生活のため歯を食いしばって働いていますが、物価の高騰に実質賃金は下がり生活はひっ迫しています。3Tアクションで全国の仲間とつながり、多くの組合員のみなさんの支援を得て、国を動かし、要求を前進させることが出来ました。新たに提案された署名運動を成功させ、念願の『公募の廃止』と、『生活できる賃金』の実現を求めて奮闘中です。
宇治市非常勤職員労働組合 委員長
野村 史枝さん
宇治市では約1000人の会計年度任用職員が働いており、正規職員と共に宇治市の行政を支えています。9月に宇治市の非正規の単組7つと市職労とで統一要求書を提出しました。市長公室長は、私たち職員の生活を守る立場であると断言されたので、どんな回答が出てくるのか、楽しみにしています。次は、単組の要求書を提出します。一時金の勤勉手当が支払われるようになるだけではなく、非正規公務員の低待遇を改善するためにも、新しく提起された署名運動を成功させたいと頑張っています。みなさんのご協力お願いします。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
Bさんは年度途中の7月1日付で正規雇用となり、組合に加入しました。これまで10年以上非正規雇用で大山崎町の保育士をしてきました。「町内にある3つの保育所では、どこも子どもがいきいきしていて、やりがいがあります」と話すBさん。「今回中途採用があると聞いて、数ヶ月ですが必死に採用試験の勉強をしました」と笑います。
大学卒業後、数年民間の保育園で働いていましたが、保育方針などが合わず退職。その時、保護者としてお付き合いのあった大山崎町の保育士から誘われ「アルバイトなら」と大山崎町の保育所にきました。いざ働くようになると保育環境や職場の雰囲気がよくて、いつの間にか10年以上も経ってしまったと振り返ります。
「年度途中ですので、クラス担当も変わらず、仕事にあまり変化は感じません。会議や事務仕事が増えたぐらいかな」というBさんですが、気持ちの面で、これからもここで働ける安心感と「いい保育がしたい」思いがこれまで以上に増したと話してくれました。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
青年部は9月、10月と府内の青年組合員とのつながりを深める取り組みや平和を学ぶ企画を実施しました。
9月30日には「府内の青年組合員とのつながりをもっとつくりたい。まずは各単組の役員とつながろう」と、宮津市ミップルを会場に「秋のつどいin宮津」を開催しました。
つどいでは、全員で自己紹介をした後、3つのグループに分かれ、単組青年部の活動や職場状況を交流。「コロナで活動が出来ていなかったが各単組の取り組みが聞けて良かった。参考にしたい」「機会があれば合同の企画をしたい」「組合の良さは職場の実態を直接伝えられること」など話すことでお互いを知り、交流する場になりました。
10月21日には「平和を学ぶ機会をつくろう」と平和学習ツアーで立命館大学国際平和ミュージアムを訪問。9月下旬にリニューアルオープンしたミュージアムの展示は戦争被害の歴史だけでなく、加害の歴史にも触れられ、問題提起として「平和への問いかけ」も随所に設けられていました。
参加者からは、「『平和=戦争がないこと』ではなく、差別や貧困をはじめ『暴力のない世界』だと聞き、平和の捉え方を考えさせられた」との感想が出されました。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
10月30日、いのちと暮らし、雇用と営業守る23秋の府市民総行動が行われ、京都府庁と京都市役所での門前宣伝、昼休みの街頭宣伝・デモ、個人請願や代表要請などが取り組まれました。
京都市役所前では、主催者を代表してあいさつした京都総評の梶川憲議長が、「市民の暮らしが苦しいときほど、公共の役割が問われている。府内の多くの自治体では、住民を守るため水道料金値下げなど独自施策が始まっているが、京都市は何もない。財政黒字も市民サービスを削減し、市民を犠牲にしたもの。来年2月の市長選挙で福山和人市長を実現させよう」と呼びかけました。
つづいて、京都保育団体連絡会、新婦人京都府本部、京都医労連などから、市民に冷たい京都市政を告発し「市政を変えよう」と訴えました。
京都自治労連 第2004号(2023年11月5日発行)より
しんどう・てんしん=
・2002年生まれ
・京都産業大学国際関係学部3回生
・『FFF京都』2020年5月から参加
Fridays For Future=スウェーデンのグレタさんから広まった、世界的若者ムーブメント、通称FFF。
気候危機を発信し続ける役割果たしたい
今、地球規模の異常気象・気候危機が大問題となっています。10月7日、青年・学生でつくる みんなで変える!ここから変える気候危機―「Fridays For Future Kyoto」(以降『FFF京都』)は、「あなたと999人の気候マーチ」を行い230人の若者や市民が参加しました。若者たちが楽しく自らの主張をアピールする気候マーチは、大変注目を集めました。『FFF京都』・共同代表の進藤天真さん(大学3回生)にお話を伺いました。
■先日の気候マーチの反響や参加者の感想はいかがでしたか
一週間後の夜に、感想をシェアする会をオンラインで開きましました。初めてデモに参加するメンバーも何人かいて、「自作のプラカードを持って歩くのが楽しかった」「車が止まって、優先で歩けることに驚いた」「時代に合った取り組みで街頭の人々との一体感があり、胸を張って歩けた」「気候危機に関心を持って行動する人がいることをアピールできた」など、積極的な感想が次々と出ました。この取り組みで、『FFF京都』にオーガナイザーとして新たに参加してくれる若者も3人生まれて、「やってよかった」というのがみんなの感想です。
■『FFF京都』の歴史や活動を教えてください
スウェーデンのグレタさんがストライキを始めたのが2018年。グレタさんに共感して、世界の若者の中に広がった、『FFF』は世界に7500の都市で支部が生まれました。日本では、2019年3月に東京と京都で生まれました。年齢制限が一応あって、23歳未満の若者主体で構成されています。
活動としては、毎週金曜日の四条大橋東側でのスタンディングとオンラインでの情報交換が中心。10月20日で124回になりました。最近は、若者や市民の方など10人ほどが集まってきます。
『FFF京都』は、団体ではなくムーブメントなので、そこに集まってきたメンバーで方針決定をします。みんなが納得するまで話し合いをするので結構時間はかかりますが、その分ゆるさというか、縛りはなくやっています。
また、2020年京都市長と「2030年ビジョン」について懇談をしました。
懇談では、市長と話をするのが初めてのこともあり、こちらの思いを十分伝えきれず悔しい思いをしました。「これではだめだ」と、京都市の地球温暖化対策条例案に対して若者の意見を集めてパブリックコメントを出すことを計画。『FFF京都』以外の環境に興味がある若者にも声をかけて、「Z世代の京都会議」を開催しました。当日は15人の若者が集まりました。京都市の条例案に様々な意見が出され、それをまとめてパブリックコメントを提出しました。また、高校からの要請で出前授業に出かけて気候危機について話したこともあります。
世界気候危機同時アクションが、年3・4回あります。世界の『FFF』が一斉に声を上げて、気候危機を可視化する取り組みです。私たちもスタンディングで参加します。コロナ禍で、人が集まれない時は、みんなの靴を集めて靴だけのアピールもしました。コロナのもとでも、様々な工夫をして広がってきました。
■気候危機で頑張る進藤さんの原点は
私が気候危機というキーワードを知ったのは、高校2年生の時です。母の友人が「世界にはこんな子がいるのよ」と言って貸してくれた『グレタたったひとりのストライキ』という本からです。そこで初めて、気候危機というキーワードを知ったのです。
当時の私は、性的マイノリティに自認を抱いており、そのため学校生活の中で自分の居場所を見つけることが出来ず、人前で話をすることがとても苦手で、一言も言葉を発せずに帰宅したこともありました。その一方で、世の中の不平等や人種差別、貧富の差、ジェンダー平等などに興味を持つようになっていました。
あの本の中でショックを受けたことは、気候危機を生み出している人々は、豊かな生活を送り、大量消費社会を謳歌している。気候危機の犠牲になっている人々は、貧しく、大量消費社会の外にいる不平等、不公正な現実です。同時に、問題だと思った人が声を上げる、自分が声を上げていく重要性も学びました。
■気候危機を解決するためには何が必要だと思われますか
気候危機から地球を救うために、気温の上昇を1・5度以内に抑えるとか、CO2の削減、原発問題など言われていますが、私たちは学びながらどのような対策が必要なのかを訴えていかなければと考えています。
『FFF京都』には、「価値観を共有した社会」というビジョンがあります。無理やり気温の上昇を1・5度以内に抑えられた社会というのは、私たちが求めている社会ではありません。「どういう社会で生きていきたいのか」などのビジョンを共有し合う、価値観を共有し共に解決策を模索していく社会です。気候危機への危機感の共有を積極的に働きかけながら、市民からのボトムアップで社会を良くしていくことが必要と考えています。
■地方自治体の果たす役割についてどのようにお考えですか
私たちは、社会を良くするために運動しています。市民として私たちが声を上げる。その声を自治体にはしっかり聞いてもらって、活用してほしい。逆に自分たちも、社会を見ながらどのような声を上げるべきかを考えていくことが、京都で声を上げることを担う一つとして、『FFF京都』の意義があると思っています。
私の母は、「マイクを握ってたくさんの人の前で訴え、デモの先頭に立って歩いている」という私の話に、「想像もできない」と驚いています。
『FFF京都』は、若者で構成されています。市民のみなさんの中で色々な経験をして学び成長しながら、これからも私たちの役割を果たしていきたいと思います。
自治労連 10.13現業全国統一行動
10月13日(金)
現業労働者の公務公共性を一層発揮し、安全・安心の住みよい自治体づくりに全力を挙げよう!
京都自治労連 第2003号(2023年10月5日発行)より