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12月11日、自治労連近畿ブロック「青年未来づくりプロジェクト(「青プロ」)」がオンラインで開催され、京都から5単組12人、近畿2府4県すべてから80人の青年が集まりました。
京都会場をサンガスタジアム(亀岡市)に設置。独自企画としてスタジアムツアーを行い、普段立ち入ることができないロッカールームや実況席の見学、ピッチにも足を運んで臨場感を味わいました。その後、3チームに分かれて近ブロ企画第1部の「まち歩きミッション9」で"撮った写真でしりとり""ご当地キャラと写真撮影"などのお題クリアに挑戦。第2部の近畿全体のオンライン交流は各地方ご当地クイズ、今の仕事へのやりがい等のグループトーク、参加者へのオンライン抽選会などが行われました。
リアルとオンラインで交流を深めた1日でした。
参加者から
府職労連 Aさん
スタジアム見学はW杯もあって楽しめました。座席とピッチの近さにビックリ。ミッションチャレンジはチームメンバーとも交流できてよかったです。地域振興を考えるきっかけにもなりました。
府職労連 Bさん
他の自治体の方と一緒にチームで取り組んだミッションやクイズを楽しむことができました。趣向を凝らした2府4県のクイズでマメ知識も増えました。お楽しみ抽選会で景品が当たって嬉しい!
京都市職労 Cさん
独自企画のスタジアムツアーが気になって参加しました。普段関わることのない他都市の職員さんと話したり、仕事の話が聞けて楽しかったです。まち歩きを別の場所でもやってみたいですね。
城陽市職労 Dさん
困難な仕事を自分にしかない特技で解決させる重要さを認識しました。ただ仕事を片付けるのではなく「自分の存在意義・持ち味・得意技を活かす仕事環境」で働きがいを確立させていきたいです。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より
みなさん、あけましておめでとうございます。
昨年の漢字は「戦」でした。ロシアによるウクライナ侵攻は大変ショッキングな出来事で、日本では「敵基地攻撃能力」を保有するとして戦後の「専守防衛」政策の大転換が図られようとし、防衛費は対GDP2%へなどと武器も人も大幅に増やそうとしています。若者が再び戦争の最前線に、憲法9条を持つ国としてそんな事態は避けなければなりません。
昨年末、近畿ブロックの「青年未来づくりプロジェクト」が行われました。コロナ禍で当初より2年遅れ、交流も未だままならない中、府県のグループごとに街歩きでミッションをこなし、オンラインで府県を結んでクイズ大会や抽選会で盛り上がりました。若者の真剣な議論や心から楽しんでいる姿に自治労連の未来をみる思いでした。そんな若者たちは住民の役に立ちたいと自治体労働者になったはず、住民を戦争に駆り立てる仕事を負わせてはなりません。
今年は、コロナ禍と物価高騰で苦しむ国民を尻目に、大軍拡とそのための増税を目論む岸田政権の暴走をストップさせる、そんな取り組みを春闘や地方政治の場でも求めていく年にしようではありませんか。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より
「住民のみなさんに喜んでもらえる仕事がしたい」―これは、私たち公務労働者の願いであり初心です。ところが、予算が減らされ、人員が削減され、「官から民へ」のかけ声で「公共」が削られてきました。厳しい条件のもとでも「責任を果たし、いい仕事がしたい」と職場の仲間と知恵を出し合い頑張ってきました。しかし、ぜい弱になった「公共」のもとで、いのちと暮らしが危機にさらされています。2023年、住民のいのちと暮らし守るため、公務公共の仕事を拡充し「公共」を取り戻す取り組みを、職場、地域から大きく広げましょう。
精華町職 保健師 Eさん、Fさん
専門性を生かした仕事でみなさんの役に立ちたい
精華町では様々な部署に保健師が配属され、専門性を生かした仕事に取り組み「保健師がいてくれてよかった」と言ってもらえるよう頑張っています。病気を予防するだけでなく、元気を増やすことも目標に健康づくりをおこなっています。「人と人とのつながり」や「地域づくり」を意識しながら活動する中で出会った人が、健康づくりに関連する活動に参加・参画される姿を見ると、保健師としてのやりがいを感じます。
町の保健師は子育て世代が多く、育休や産休、時短勤務の仲間もたくさんいます。保健師皆がライフワークバランスのとれた働き方ができるよう、専門職の増員が必須です。
宇治市職労 給食調理員 Gさん
子どもたちの声が聞こえる市直営の学校給食をいつまでも
学校給食は、子どもたちの大きな楽しみ。「美味しかった」と話しかけられると、「もっと美味しい給食をつくろう」と力が湧いてきます。
宇治市では以前、学校給食を全て民間委託するとの決定がされました。しかし、粘り強く直営校の役割や意義を伝える中、当面直営で6校は残すとさせてきました。その後、豪雨災害時の給食提供や、委託業者が倒産した際の直営校からの正職員応援配置など、まさに直営校だからこそ対応できたことです。
私は今年度で定年。仲間が退職まで安心して働き続けられるとともに、子どもたちの大切な市直営の学校給食を守り続けてほしいです。
宮津市職 図書館司書 Hさん
赤ちゃんからお年寄りまで図書館は学びと発見の場所
宮津市立図書館は開館100周年を迎えた府内でも3番目に歴史ある図書館で、前尾記念文庫や開館以来の一般紙(京都・毎日・朝日)の原紙保存など、ここだけの貴重な蔵書があります。
ちょうど司書の欠員があり、図書館司書の資格を持っていたので、異動を希望して市立図書館の配置になりました。利用者は赤ちゃんからお年寄りまですべての年代が対象。蔵書数は多いし分野も幅広い。人も足りていなくて忙しいですが、図書館司書としての知識とスキルを上げ、歴史ある図書館と貴重な蔵書を守っていきたいし、多くの市民に利用してもらいたいです。
大山崎町職 学童指導員 Iさん
子どもたちの大切な居場所守るため指導員の処遇改善は急務です
大山崎町には3つの学童クラブがあり、「でっかいクラブ」は小学四年生までの109人を8人の指導員で見ています。「子どもの成長の共有と親同士のつながりを重視」して運営しています。
指導員の欠員も常態化し、かつては町の正規職員準拠だった待遇も悪化の一途。若い人のほとんどがパートタイムで、臨時職には派遣会社が参入しています。みな条件がバラバラで一致団結しにくい状況になっています。勤務時間が実体と合わず時間外で業務を担っているのが実態です。働き続けるためにもフルタイム勤務を増やすよう長年組合で交渉中。民間に頼らず公立の学童保育を守りたいです。
舞鶴市職労 保育士 Jさん
家族が安心し子どもを預け全ての子どもが平等に保育を受ける
私たち保育士の目指す保育のあり方や保育所運営の指針となる「保育所保育指針」が時代を背景に大きく変わってきています。学ぶこと実践することが増え、現場では常に保育士同士議論・情報交流しながら保育を行っています。市内には大小の私立保育所がありますが、私たちの公立保育所は地域の保育所のスタンダードでありたいとみんな頑張っています。
福祉の部署と連携しながら住民を支え、病気を抱えてケアが必要な子どもや家族に問題を抱える子どもなど、全ての子どもが安心して平等に保育を受けられることが公立保育所の役割だと思います。
京都市職労 看護師 Kさん
患者さんに寄り添った看護へ大幅増員を
看護師になって"よかった"と思える時は、「あなたに話を聞いてもらって、気持ちが楽になった」と、患者さんに言ってもらえる時です。人手が足りず、中々時間が取れませんが、短い時間でも患者さんと対話できるよう心掛けています。
コロナで面会が禁止になり、家族や親しい友人に会えない時が長く続き、どの患者さんも我慢を強いられ辛い思いをされています。そんな時こそ看護師の役割が求められていますが、コロナ病棟へのスタッフ派遣や看護師と家族にコロナの感染者が出たりして、人手が足りないギリギリの状態で十分な対応が出来ず、看護師は心を痛めています。看護師の大幅増員が必要です。
綾部市職労 上下水道課 技師 Lさん
住民に安全な水を供給する公衆衛生守る
上下水道は公営企業として独立採算制度をとっていますので自治体ごとに上下水道の利用料が変わってきます。綾部市は東西に長く起伏も激しい地形で平野部には由良川を抱えていますから山間部への水の供給と平野部の下水処理で、非常にコストがかかってしまいます。人口減少も重なり財政状況は非常に厳しく、職場の人員も減らされています。それでも、住民すべての公衆衛生を守るため、みんないくつもの担当業務を抱えながら日々従事しています。「水はいのち」といわれているとおり、住民誰もが安心して水を使えることは私たちの役割だと頑張っています。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より
自治労連が昨年から取り組んでいる、非正規職員を対象とした3Tアクション『ほこイカアンケート』は、会計年度任用職員の置かれている劣悪な状態を明らかにして処遇改善を世論化するとともに、つながりをつくり組織強化・組織化へとつなげる出発点になっています。京都でも大きな反響があり、「取り組んでよかった」「組合員が増えた」などの声が寄せられ、記者会見も行いました。会計年度任用職員の組合役員の方にお話を伺いました。
京都市職労副委員長 Oさん
宇治市非常勤労組執行委員 Pさん
宇治市パート保母労組委員長 Qさん
宇治市非常勤労組委員長 Rさん
住民のために生きいきと働きたい
処遇改善、社会的地位向上の年に
司会:ほこイカアンケートの反響はいかがでしたか
R:『ほこイカアンケート』の目的が、私たちの「組合をもっと知ってほしい」「もっとつながりたい」との思いと一致したので、宇治市に働くすべての会計年度任用職員の仲間を対象に取り組むことになり、本庁職場は、宇治市職労の協力も得ながら全ての職場を訪問して配布し、出先には手紙を付けて送りました。全国規模で行われることに力強さを感じました。この取り組みを通じて、5人の方に新たに組合に入っていただきました。
P:同じ宇治市役所に働いていても、まったく知らない仲間がたくさんいて、非正規職員が加入できる労働組合のことを知らない仲間がいることが分かって、知ってもらう活動にさらに力を入れようと思っています。
O:京都市でも、アンケートをきっかけにつながりが広がったことは大きいと思います。
対話の中で感じたことは、正規職員と待遇で大きな差があっても、「それを知っていて、この職を選んだのだから、それは自分のせい」と思っている人がたくさんいることです。話をしていく中で、「自分がおかしいと思っていたことを、口に出して、声を上げてもいい。組合が聞いてくれる」と言われました。私は、労働組合の原点のような気がします。
P:会計年度任用職員は、孤立していると思うんです。採用になれば、すぐ職場へ行って、説明を聞いて仕事が始まります。同期で集まることもありません。横のつながりが全くないんです。
R:この間の対話の中で感じましたが、みんな「つながり」を求めているということです。職場の中でのつながりもですが、「社会とのつながり、世界とつながっていたい」というようなことを、何人かの方から聞くことが出来ました。労働組合の魅力だと思います。
司会:2023年の抱負、目標について
R:賃金や労働条件の改善はもちろんですが、社会的地位の向上ですね。最終目標かもしれませんが、非正規職員という言葉も無くなって短時間勤務職員という形になればいいと思っています。
Q:私たちは、宇治市の保育園の早朝と夕方の時間外保育の要員として働いている保育士です。時間外保育の時間帯は、非正規の保育士で子どもを見ています。今の賃金は、命を預かる仕事にふさわしいとは言えません。何か問題が起これば、安い賃金でも責任は問われます。責任にふさわしい処遇改善、社会的地位向上が必要です。
O:昨年3月に独自のアンケートを取ったんですが、正規が上で、非正規が下みたいな思いをして、「忘れられない」と書いてありました。「仕事を押し付けられている」「意見が重んじられない」「疎外感を感じる」という意見も多くありました。一年の有期雇用のため、「意見を言ったら、来年は採用されない」という不安もあって、ひたすら黙っているしかない。そういう点でも、一年契約で公募の今の制度は問題です。
P:正規職員は、人事異動で変わっていきますが、10年20年同じところで働いている非正規職員もいます。住民に喜んでもらえる仕事がしたいと頑張っています。
司会:組合の仲間を増やし処遇改善と社会的地位向上へ要求を前進する年にしましょう。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より
新しい年がスタートしました。京都自治労連には、住民のみなさんと力を合わせて地域を守る取り組みや、スポーツなどさまざまな分野で輝いている仲間がいっぱいいます。二人の仲間を紹介します。
地域のネットワークが広がった
府の消防操法大会では3位入賞
綾部市職労 Mさん
地道な活動。集まればワイワイと楽しい
普段、綾部市の税務課で働くMさんは、地元の消防団に所属し班長として活躍しています。消防団から入団の声を掛けられ、生まれ育った地元だし、地域で役に立ちたいと入団しました。市役所には、消防団に加入している人はいっぱいいるといいます。
綾部市消防団は地域11分団からなり、Mさんはその中で一番団員が多い豊里分団に所属。普段は、消防器具や市内に数百ヶ所ある防火水槽などの確認・点検、消火訓練、季節ごとの火災予防広報などを行っています。もちろん、火事が起きれば真っ先に現場に駆け付けます。
昨年3月には地元で火事があり、Mさんらが真っ先に現場に到着、消火にあたりました。「現場では皆慌てることなく黙々と個々の任務をこなしました。点検や訓練など日頃の地道な活動の大切さがわかりました」と振り返ります。
集まれば、世代を超えて地域の人付き合いが広がって楽しいと話します。
大会優勝目指して頑張りました
昨年、Mさんの分団が府の消防操作大会に出場。消火活動をいかに迅速かつ正確に行うことができるか、消防車の消火ポンプ作動から放水までを5人がチームになって競う大会です。最初は週1回で集まって練習する程度でしたが、大会が近づくにつれて週2回、週3回と回数が増えて毎回30人ほどが参加して大会出場メンバーを目指し頑張りました。大会結果はチーム3位、担当ごとでは一人が最優秀賞を獲得しました。「大会に出場できるのは5人ですが誰もが優勝を目指して練習しました」とMさん。班長のため、毎回練習の準備や日程調整などで奔走、人一倍大変でした。「練習後の仲間とのビールが格別です」と笑います。
最後に「皆さんに、地元の消防団に参加してほしい」と話に力が入りました。
達成感に心がリフレッシュ
今年は、北アルプスにトライしたい
府職労連 Nさん
府立医大附属病院の手術室に勤務する看護師のNさんにとって登山は大切な存在。訓練のため、週1回は近くの比叡山や比良山などへ出かけて体を鍛えています。「若くはありませんから、毎週訓練をしないと体力・筋力が落ちてしまう」「仕事とは全く別の世界に身を置くことでリフレッシュできる」と言います。
子どもの独立で登山を再開
Nさんが山と出会ったのは、看護学生時代のワンダーフォーゲル部への入部です。白馬や立山、利尻岳、剣岳、南アルプスなどにも登りました。
府立医大附属病院に就職し、配属先が手術室。手術室の仕事を覚えるまでは、中々、好きな山にも行けません。また、「結婚・出産・子育てと勤務をしながら余裕もなかったと」と振り返ります。
そんなNさんも、子どもの独立を機に離れていた登山を再開しようと、49歳で日本勤労者山岳連盟(労山)に加盟。山仲間の友人も広がりました。
再開した登山の魅力について「ゆっくりでも、しんどくても、一歩一歩登れば目的地に着く。その達成感が他では得られません」「看護師に多い腰痛がありましたが、登山を再開して体力が付くと、腰痛も無くなりました」と笑顔のNさん。
思い出の登山は後輩と北アルプス
しかし、ここ2年間はコロナで本格的な登山には行けませんでした。「退職まであと2年。今年は、北アルプスにトライしたい」と声が弾みます。
一番の思い出の登山を尋ねると、「学生の時に後輩たちと登った北アルプス。常念岳をバックに撮った、みんな笑顔の記念写真は、いつも私の背中を押してくれます」とNさん。
山とともに、Nさんの素敵な一年が始まります。
京都自治労連 第1994号(2023年1月5日発行)より
京都自治労連
23国民春闘討論集会・旗開き
●1月7日(土)10:00〜
●ラボール第12会議室
全ての単組から参加を
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より
22確定闘争もいよいよ終盤を迎え、各単組で要求前進をめざし交渉が行われています。多くの単組で、職場要求アンケートや懇談活動に取り組み、要求書を作成。交渉結果をニュースにして報告を行うなど、物価上昇を上回る賃金改善をはじめとする要求の前進をめざして全組合員の力をあつめ確定闘争をたたかっています。
粘り強いたたかいで要求前進
京都府職労連では、再任用職員の一時金について国を上回る0.075月の引き上げを実現し、京都市内勤務のフルタイム再任用職員で7400円、短時間再任用で5200円の有利な改定を勝ち取りました。宇治市職労や大山崎町職も同様の改善を実現させました。
京都市職労では、介護時間の取得期間や家庭支援休務の対象の拡大などを勝ち取りました。
宇治市職労は、当局が提案してきた給与改悪に断固反対して、全組合員の力の結集で押しかえし、激変緩和措置などを勝ち取っています。
向日市職労では、55歳昇給停止の提案を跳ね返し、長岡京市職労では給与改定決着後も、生活改善を求めて粘り強く要求しています。
困難職種対策などこれからが重要
定年年齢の引き上げでは、12月議会での条例化が進められています。どの自治体も、「基本的には国の示した通り」としていますが、困難職種対策や役職定年などについて、詳細な検討・見直しが必要であり、これからの取り組みが重要となっています。
会計年度任用職員の要求前進を力に加入も
会計年度任用職員の処遇改善では、京都市職労が一時金の0.05月引き上げを実現しました。多くの単組で、給料表の改定に連動した賃金の改善を約束させた上で、宮津市職や精華臨職・宇治市職労と非正規関連労組は、今年の4月に遡っての引き上げを勝ち取りました。
こうむ公共舞鶴支部では、23年4月から全ての職種での1号アップを約束させ、舞鶴市の会計年度任用職員で「時給1000円未満なし」を勝ち取りました。また、来年4月から経験年数加算も導入することになりました。
こうした運動と成果を背景に、5人の新しい仲間を組合に迎えることが出来ました。
福知山市職では、賃金体系の見直しと夏冬一時金の独自支給を約束させました。
22確定での経験を23国民春闘につなげ、さらなる要求実現と組織の拡大をめざして運動をすすめましょう。
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より
今回お話をうかがったAさんが所属する農林センター作物部は、府内各地に設置された農林水産技術センターのひとつの研究部で、亀岡市にあります。敷地内には庁舎に隣接していくつものハウスや畑が広がっています。担当の大豆や小豆など豆類の収穫時期が続いている忙しい中、仕事についてお話を聞きました。
高齢化、担い手不足を乗り越え、安定供給
「京都府特産の豆類の産地では、高齢化と担い手不足が課題となっています」とAさんは開口一番に地域の課題を話します。担当している小豆は京都の和菓子づくりに欠かせない重要な食材。これまでは小さな農家がひと莢ひと莢、株から採って乾燥させたものを寄せ集めて出荷していました。そこで、集落営農(集落を単位に農業生産過程の全部又は一部を共同で取り組む組織)などで、小豆の栽培に取り組むための技術開発が必要でした。「これら地域の課題を技術開発で改善につなげることが仕事です」とAさん。栽培技術の支援も行います。「雑草防除の問題が発生しましたが、防除技術の機械化も確立しつつあります」とAさん。
また、「大豆の草丈を低くコンパクトにして農家の作業効率を上げる栽培実験なども行っています。なによりこれらの取り組みによって、地域の生産者が安心して栽培でき、安定した食材の供給につながることになればうれしい」と話します。
種子の保存・管理は公共の大切な仕事
お米や豆類の栽培に必要な種子を管理し、安定して供給していくのも、Aさんが所属する作物部の重要な仕事です。
府内で栽培されている水田1万数千ヘクタールすべてにお米の種「種もみ」を1年で栽培・供給するのは無理で、また、管理された種子から栽培しないと種子の変異などからお米の品種が保てません。京都府では「原原種」といわれる種子の大元を保存管理していて、ここから種を増やし、最終的には生産農家に供給しています。これはお米だけでなく、豆類も同じで、種子の保存・管理は高品質な農産物を安定供給するために重要なこととAさんは話します。
近年の異常気象で米の品質や収穫量に影響が出ている生産者の声に対応して、いち早く品種改良したお米を開発し、品質維持で生産者を支えます。
「京都の酒造会社に卸す酒米も昔から管理された種子で生産され、品質に信頼を得ています。伝統ある京都の食文化を支える意味でも重要な仕事ですね」との言葉に、Aさんの仕事への誇りとやりがいを感じました。
継続が大切な地道な仕事引き継ぎ発展させたい
取材のはじめにAさんから頂いた名刺には、様々な資格が並んでいました。Aさんは少し照れながら「これまで上司や同僚、仕事に恵まれ、長くさせていただいたから…」と話します。研究員の仕事は、作物の生長の記録と観察の積み重ね。今日お話した仕事も一人ひとりでやっているというより、先輩らから引き継ぎ、作物部のみんなで、ものによってはセンター全体、広くは府庁全体で協力・共同し積み重ねていくものといいます。
「後輩がいて頑張ってくれていますが、京都府で培った技術をどう若い世代に引き継いでいくのか、職場での取り組みが重要です。個人としても分会長としても、今後の私の課題です」とAさん。近年の異常気象でその対応も求められる中、過去の経験や記録をいかに継承していくか、それが大事になってくると話されていました。
温暖化対策や種苗法改正への対応など、新たな課題もある中でAさんの奮闘は続きます。
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より
最近新型コロナウイルス感染症に罹患した。
やっと連絡の取れた発熱外来では、内科医が不在だったため薬の処方なく、保険を使って検査だけしてもらい、結果は陽性との連絡を後からもらい7日間の自宅療養に。その際、医療機関からは「9月26日以降の全数見直しにより、あなたの場合は保健所には連絡しません、支援を受ける場合は連絡ください」との京都府からの文書をもらっただけだった。
幸い4回目のワクチン接種を受けていたので重症化することなく自宅療養出来たものの、私の様に府が発表する新規感染者数に含まれず、医療機関や行政機関からの支援の外に置かれている感染者がこの第8波でも数多く存在しているのだろう。
現状の医療や公衆衛生の体制を是とするならばやむを得ない措置とも思うが、もっと医療や公衆衛生を手厚くするという選択肢もあるはず。コロナ禍を機に新自由主義路線を改め、公共の役割を発揮できる体制が必要だと改めて実感させられた1週間であった。(F)
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より
長引くコロナ禍、記録的な物価高騰、相次ぐ医療・社会保障の改悪など、国民の暮らしと地域経済はますます重大事態です。今こそ、大幅な賃上げと消費税の5%減税が必要です。職場、地域から23春闘での大幅賃上げ実現へ官民共同の取り組みを広げましょう。
総務省が11月18日発表した10月の消費者物価指数は、前月比3.6%上昇となり、実に40年8ヶ月ぶりの記録的な物価上昇となりました。
40年8ヶ月前とは、第二次オイルショックの影響がつづいた1982年2月であり、現在の物価高騰は、これまで経験したことがないような事態となっています。物価上昇による負担増(生鮮食料品除く)を試算すると、2人以上の平均的世帯で年間13万1千円にもなります。
国民の負担増は、物価上昇だけではありません。例えば高齢者の方では、年金が0.4%減らされ、介護保険料、75歳以上の高齢者の医療保険料も値上がりし、窓口負担は2倍になっています。
ところが、岸田首相がやろうとしている総合経済対策は電気代やガス代の一時的・部分的給付にとどまり、今の急激な物価上昇への根本的対策にはなっていません。消費税を5%減税した場合、年間約12万円〜13万円の負担軽減に直接結びつき、物価高騰分を相殺できます。世界では、コロナ対策として99ヶ国で消費税減税が実施されています。
「先進国で、日本だけが賃金が下がっているのはおかしい」「物が売れないのは当たり前」の声が広がり、世論も変化し始めています。
民間の年末一時金の回答は、前年並みで推移しています。物価高騰に追い付いていません。全労連は、25年ぶりに月額3万円以上の要求、時間額190〜200円を要求することを示しました(全労連・国民春闘共闘委員会24日)。23春闘に向けて、今から声を上げることが必要です。
京都自治労連 第1993号(2022年12月5日発行)より