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9月29日、「『コロナ禍』からいのちと暮らし・生業を守る府市民総行動実行委員会」は、医療体制や事業者支援の強化などを求める「コロナ署名」1万4780筆を、第1次分として京都府に提出しました。
「倒産が減っている」「保健所の統廃合で効率的になった」などと発言する知事の認識をあらため、コロナ対策、生活困窮の支援など実効ある対策を強く求めました。その後、府庁前で宣伝行動を行いました。次回提出は12月。引き続き、「コロナ署名」を集めましょう。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
この号が読者のみなさんに届く頃には、新たな自民党総裁=新首相が決まっているはずだ。4人の候補者はいずれも安倍・菅政権を支えてきた人物であり、その責任の一端を負っている。
コロナ対応だけではなく、9年間の安倍・菅自公政権は立憲主義破壊の安保法制の強行、森友・加計・桜など政治の私物化、学術会議会員の任命拒否、大規模な選挙買収などあげれば切りがない。強権と金権腐敗の横行とともに、平気でウソをつき、説明せず、質問に答えない姿勢とも相まって、政治モラルの退廃を生んできた。
哲学者の鷲田清一氏は「政治家が言葉を損ねたこと」で「私たちが言葉を信じなくなってきている」と指摘する。本来政治とは人々のいのちや生涯の基本的部分を預かる大変重たいものであり、政治に無関心な人はいても無関係な人はいない。今度の総選挙で本来の政治を取り戻す、そんな政権を選択するために、主権者として決して諦めないで欲しいと願ってやまない。必ず投票に行こう!(F)
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
京丹後市立丹後小学校は、「間人(たいざ)ガニ」で有名な間人漁港の近く、道一本隔てて日本海が一望できる位置に建つ児童数148人(2021年4月)の学校です。先生や専門スタッフ、事務職員、給食調理員など30人ほどで運営されています。その中のひとり、学校用務員のBさんに、仕事の様子、苦労ややりがいをお聞きしました。
学校の施設管理、行事のサポートなど仕事は多岐に
学校用務員の仕事について、Bさんにお伺いすると「ひとことで言えば『なんでも屋さん』ですね」と笑います。日頃は学校敷地内の草刈り、グランドの整備、学校施設や用具のメンテナンスなどを行います。入学式や運動会など学校の行事に合わせて、施設や用具の整備も行います。「春になると生徒の椅子や机の高さ調整などを一つひとつ行っていきます。学校敷地内にある植木や花壇の手入れも欠かせません」とBさん。玄関にある松(写真)の剪定もBさんによるもので、「他校で植木剪定が得意な同じ学校用務員の仲間にアドバイスをもらいながら作業しています」と照れ笑い。
一方で丹後小学校ならではの苦労もあります。「海と隣接しているため、柵や校舎など施設の錆被害が多く苦労しています。校舎北側の窓は海からの風が吹きつけて、塩で真っ白になり、アルミサッシでも錆が出てきます」とBさん。窓・窓枠の洗浄や柵の点検・補修は欠かせません。「柵の修理などは、業者が行いますが、修理に来るまでの期間、倒れないように仮補修しなければなりません」。Bさんは「すべては生徒や保護者、先生方が、怪我をしたり事故に遭わないためです」と仕事の重要性を話します。
学校長や教育委員会と確認をとりながら仕事を進める
「草刈りなどは午後4時以降に行うようにしています」と話すBさん。草刈り機や刃物を使う場合は常に事故を想定し、児童が下校した時間に行うのが良いと校長先生と話し合いました。「騒音の問題など、様々な作業は学校の授業や行事だけでなく地域との連携も必要となってきます」「一旦帰宅した生徒が学校に遊びに来たり、地域の方々も校庭を利用していますから、公共施設としてどのように維持管理していくのか、様々な方と確認をとりながらの作業です」とBさんは話します。
一方で、労働安全衛生の問題もあります。草刈り機やチェーンソーなどはきちんと講習を受けて、作業時間制限など労働安全衛生基準に則った作業を行わないといけません。多岐にわたる学校用務員の仕事をすべて行おうと思うと、様々な分野で資格取得や講習を受ける必要が出てきてしまいます。「"学校用務員がどこまでやるか"がこの仕事に携わる者の悩みですね」とBさんはいいます。
「何もないこと」が一番
生徒が安心してすごせる学校
Bさんは、旧6町合併前の網野町に就職、学校用務員の仕事を始めました。「実は学校用務員の仕事をよく知りませんでした」とBさん。当時は、他校の先輩用務員と共同作業をしたりしながら仕事を覚えていきました。「夏休みに各校にいた用務員で集まって、砂場の土台になる木枠の交換をみんなで力を合わせて行いました。太い丸太に固定用の穴を空けて積み上げて組んでいく…"用務員だけでこんな作業もできるのか"と思いました」と当時を振り返ります。
6町合併の時には、各町で「技術員」「作業員」や「校務員」など、この仕事の名称と職の位置付けがバラバラで、「小中学校の用務に携わる」という位置付けを明確にして「学校用務員」という名称に統一し、今に至ります。現在は京丹後市の正規雇用の学校用務員は9名。来年、再来年と定年を迎える人が続きます。「学校用務員の正規雇用の採用は平成9年を最後にありません。技術とノウハウの継承が心配」「この仕事は、(事故やトラブルが)『何もない』ことが一番だと思っています。学校生活を児童が安心して送れること、先生方が不自由なく教育を進められることの下支えが出来ればといつも考えています」と話すBさんの言葉に仕事への誇りを感じました。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
10月1日から京都府の最低賃金、今年は時間給が28円上がって、937円になりました。全労連・国民春闘共闘会議は、「最低賃金は全国一律1500円に」の署名運動を秋年闘争から呼びかけています。
高校生も大学生もみんな対象
京都総評が呼び掛けた10月1日の「変わりました最賃アップ909円⇒937円に」の宣伝行動は、府内各地23ケ所で実施され、自治労連執行部や単組も参加。「今日から最低賃金がアップして937円になります」「今日から時間給が937円を下回ると法律違反です。高校生も大学生も働く人みんなが対象です」と声をかけながらチラシを配布しました。
チラシを受け取った大学生のグループは、「本当ですか。うれしいですね」とニコリ。「最賃時給1500円以上が必要。先進国の多くが1500円超えている」と話すと、「1500円あれば生活がずいぶん楽になる」等と対話ができました。
「最低賃金は全国一律1500円に」の署名を大きく広げて、世論にし、11月の総選挙の大きな争点に押し上げましょう。賃金の底上げなしに、公務労働者の賃上げはありません。民間の労働組合の仲間とも力を合わせ、府内各地で職場・地域から最賃運動を広げましょう。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
府内各自治体では、慢性的な人員不足。特に技術職不足は深刻で、どの自治体も人材確保に必死です。宮津市では今年、数年ぶりに技術職の採用がありました。土木関係の経験者ということですでにいくつも現場を抱えて、奮闘しています。
「神戸の事務所でひたすら図面引いていました」と話すCさん。「都会生活にちょっと疲れまして…」と、結婚を機に配偶者の出身である京丹後市に引っ越しを決め、京都北部の合同就職説明会に参加しました。「宮津市担当の方の話に惹かれました」と、宮津市の就職を決めた理由を語ります。
Cさんの所属は、建設部土木管理課。道路補修や災害復旧で奮闘しています。経験者として、すでに現場を数ヶ所抱えています。「図面引きばかりの事務所仕事だったので、現場での業者や住民との調整や対応は新鮮です。先輩からアドバイスをいただきながら、コツコツ仕事を進めています」と話すCさん。取材当日も住民対応でやり取りがあったようで気にかかっている様子。「忙しいですが、やりがいがありますね」と頼もしい言葉。
趣味は釣り。「今はイカですね」「ほぼ毎週、仲間と釣りを楽しんでいます」と笑顔がこぼれます。新しい職場、新しい生活スタイルを楽しんでいます。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
9月25日、「より豊かな学校給食をめざす京都連絡会」(事務局・京都自治労連)の主催で、学習会「有機食材を学校給食に」(Web併用)が開催されました。京都、大阪、兵庫、滋賀、三重、千葉の各地から、また、教職員や自治体関係者、保護者、農業関係者、研究者、ライターなど、30人以上が参加しました。
学習会では、全国で初めて100%有機米給食を実現している千葉県いすみ市の農林課主査・Dさんの講演とともに、京都で有機農業に取り組んでいるEさん(京丹後市)、Fさん(亀岡市)の特別報告が行われ、活発な質疑が行われました。
いすみ市では、市の「自然と共生する里づくり」の一環として2013年から農家に有機米生産を呼びかけ、2015年からは市立小中学校の給食に市内産有機米使用を開始、2018年からは100%有機米給食を実現しています。短期間で達成できたのは、学校給食に使用すること(市が給食用の有機米と慣行米の価格差額を補助)で、「子どもたちに安心・安全な米を食べさせたい」との農家の生産意欲につながり、市民の共感も広がったことにあるそうです。現在では有機米給食に続き有機野菜の導入も始まっています。有機米給食を契機に農業を軸とした地元経済の好循環を作り出すとともに、「住みたい田舎」ベストランキング1位にも選ばれ移住者も増えているとのこと。
今回、先進的に実践して来られた地域のお話を聞いて、京都でもぜひ取り組んでいきたいとの意見も出されました。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
とき:11月3日(水・祝)午後1時30分開会(12時30分会場)
ところ:円山野外音楽堂(祇園・円山公園内)
参加者は、マスク着用、体調に不安のある方は参加をお控えください。
講演:憲法を活かす日本をつくる〜市民が社会を変えるには〜
伊藤 千尋さん(ジャーナリスト・九条の会世話人)
憲法ウォーク…15時頃出発予定
主催:憲法9条京都の会 安倍9条改憲NO!全国市民アクション・京都
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
JR長岡京駅から南へ10分ほど歩くと、住宅街の中に、勝竜寺城公園があります。このあたりは、天王山の戦いで戦場となった場所で、勝竜寺城は当時の最前線。園内には発掘された城の礎石や石垣などを残しつつ、きれいな庭園になっています。公園施設の周りには堀も再現され、合戦時最前線だった城らしい強固な石垣造りの入り口が再現されています。
公園から歩いて5分位のところに市立神足ふれあい町家があります。この建物は国の有形文化財に指定された古い街道筋の住宅で町家独特の雰囲気を残しています。ここでは、カフェとちょっとしたお土産を買うことができます。今回は 、「長岡京の筍スイーツ」竹の子最中をいただきました。サラッとした甘みの甘露煮竹の子が最中に入っていて、後味さわやかさが魅力です。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
すぎもと・よしお=
1947年 新潟県十日町市生れ
新潟大学卒業後 京都府立高校に勤務
現在 京北農民組合事務局長、
京北革新懇副会長
ヒ素含む膨大な残土は脅威
京北に新幹線はいらない
北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸計画は、2023年にも着工しようとしています。残土問題などの環境破壊、建設費が2兆1000億円以上で京都の負担額は不明のままなど、問題が山積みです。住民の暮らしにどのような影響があるのか、着工ルートである京都市右京区京北中江町の杉本良雄さんを訪ねてお話しを伺いました。
――豊かな自然の京北の暮らし、地域の課題についてお話しください
杉本 私は、豪雪地帯で有名な新潟の十日町市出身です。大学を卒業し、京都にあこがれて教員採用試験を受け、最初の赴任先が北桑田高校で、そこで家内と知り合い結婚して京北町で暮らすようになりました。半世紀以上経っています。
2014年に教員を退職して、農業と京北農民組合などの取り組みをしています。
現在、稲作6反、全て合鴨農法。畑作は5アール、全て無農薬です。山菜栽培、果樹、キノコ、鮎漁、養蜂(日本ミツバチ)、林業なども行っています。
特に、1993年に合鴨農法による稲作との出会いで、より農業が楽しくなりました。田植えが終わった田に、合鴨のヒナを放し飼いにして、雑草や害虫などを食べてもらう農法。とにかく合鴨がかわいい。稲の成長とともに合鴨も成長します。合鴨農家の収穫祭では消費者で賑わい、新米や鴨料理など大好評です。
世界では、農業の大規模化が農業破壊と貧困を招いていることが明らかとなっています。国連は、大規模化から家族農業に明確に舵を切り、「国連家族農業10年」(2019年〜2028年)を定め、各国が家族農業推進の施策を進めることを求めています。
しかし日本では、補助金が出るのは農業の大規模化、工場化、IT化です。農家が離農する大きな要因が、農機具の買い替えです。トラクターやコンバインに数百万円の借金はできず、離農・耕作地放棄の原因です。小規模農家、兼業農家への手厚い施策が必要です。
――北陸新幹線延伸で、京北の皆さんが心配されていることはどのようなことでしょうか
杉本 第1に、小浜ルートの美山、京北の地層には大量のヒ素がある可能性が指摘されています。ヒ素は、水銀・カドミウムなどと同様に摂取すると生体への影響が大きく、自然界では主に岩石や土壌中無ヒ素として存在。空気や水に触れると猛毒の「亜ヒ素」に変化します。産業技術総合研究所の資料によれば、京北でヒ素を検出したデータがあり、北海道新幹線で大問題になったように、あいまいにはできません。
第2に、莫大な量の残土問題があります。敦賀〜京都間の新幹線は、その8割がトンネルで、美山で182万トン、京北で200〜300万トンの残土が出るとされています。
今年7月の熱海市の残土流出事故では、130戸の家が押し流され、たくさんの方が亡くなりました。私たちにとって他人ごとではありません。
また、この残土を運ぶ大型ダンプカーが、京北の中を走り回る交通問題も心配です。工期は5年、大量の残土は、工事全体で10tダンプカー160万台と言われています。
第3に、いのちの水、上桂川の水の問題があります。大規模なトンネル工事で、地下水脈への大きな影響が考えられ、水量が減ると稲作や鮎漁も大きなダメージを受けます。
第4は、2兆1000億円以上の建設費です。府・京都市の負担額は、明らかにされていません。京都市は今、財政危機と言って住民サービスの削減を強行しています。そのお金を、建設費に充てることなどあってはならないことです。
――北陸新幹線延伸問題に対する住民の皆さんの取り組みについて教えてください
杉本 私たちが指摘する問題点について、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(以下「機構」)は、何もまともに答えていません。
京北地域で説明会が実施されない中、2020年1月、「京北に新幹線が通る?を理解する会」が結成され、住民運動が広がり、「機構」、自治会、行政、市議会議員などに働きかけ、2020年10月と11月に2回、機構の説明会を実施させました。第1回目は159人、2回目が103人の住民が参加。嬉しいことに会場には若い人が多く、自分から意見を述べ、説明会では次々と手が上がりました。
この説明会の実施を呼び掛けるビラも、自分たちで作り全戸配布しました。自治会の中には説明会に参加し、その内容を全住民に広報するところも生まれています。しかし、まだまだ圧倒的多数の住民には事実が知らされていません。そこで、二回目の全戸配布となる「北陸新幹線京都延伸を考える市民の会」作成のビラを、この夏、京北地域で配布しました。
――行政への要望をお聞かせください
杉本 北陸新幹線延伸問題では、府知事や京都市長は国言いなりになるのではなく、リニア新幹線問題できっぱり反対を表明している静岡県知事の様に、住民の立場に立ってその責務を果たして欲しいですね。
それから、地元をよく知っている職員を京北支所に配属して欲しいですね。京北には55の集落があります。災害の時など、地元のことを知らないと、機敏な対応はできません。
もう一つが、地域に財政的裏付けのある権限を与えてほしいです。中山間地の基幹産業である農林漁業の声をよく聞き、実態に合った施策を実施して欲しいです。
今、京北は、Iターン・Uターンにも人気があり、利用できる空き家がほとんどない状態です。京北の豊かな自然と暮らしにあこがれて新たに住民となった皆さんとも力を合わせて、素晴らしいふるさと京北をつくっていきたいです。そのためには、自治体職員の皆さんの力が必要です。
京都自治労連 第1979号(2021年10月5日発行)より
京都自治労連 第89回定期大会
緊急事態宣言発出に伴い開催日を延期します。
日時:10月20日(水)10:00〜16:25(予定)
会場:ラボール京都ホール
京都自治労連 第1978号(2021年9月5日発行)より