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機関紙 - 最新エントリー

宇治市職労の20〜30歳の組合員が中心に、勤労者通信大学の「憲法コース」を受講し学習を進めています。

組合員の年齢構成が若くなる中で組合員の要求も変化してきています。組合役員の世代交代もすすんでいます。そんな中、学習が大事!と、月2回、昼休みにお弁当を食べながら、テキストの章ごとにチューター(助言者)を持ち回りで担当し、学習を進めています。参加は毎回十人程度ですが、様々な意見や感想が出されます。

昼休み学習会におじゃまして、参加者にお話を伺いました。

チューターは大変だがまとめることでより深まる

「今日は朝5時に起きてまとめてきました」とAさん。コロナ対策の勤務時間変更で参加できなくなった受講者の代りに急きょチューターを務めることになりました。今回のテーマはアジア諸国の平和と連帯。内容は、歴史から経済、国際問題に及びます。箇条書きにまとめたレジュメを作成し講義します。理系の学校だったAさんは、憲法のことや近代史のことは、中学で学んだ以来なく、「レジュメにまとめ人に話すことで、ニュースでボヤっと耳に入っていた言葉やことがらが正確に理解できました」とチューターという大役を終えホッとした様子です。

歴史、経済、憲法の課題が学習でつながる、広がる

講義の後、出されたキーワードや課題に、参加者から意見や感想が出されます。その中で、より詳しい解説や補足を話すBさんは、社会科の教員資格を持ち、この学習会の中心的存在です。Bさんの発言に、皆がなるほど!とうなずきます。「私たちは、学校で近代史をほとんど学ばずにきています。このテキストは、憲法だけでなく、経済学、近代史、国際情勢まで幅広く網羅した優れものです」と様々な課題がどんどんつながっていく学習が楽しいと言います。

何が正しいのか?判断する力をつける

議論の中では、様々な意見が出されます。スマホの時代、今回の学習会でも「WEBでこんなこと書いてある」と紹介されたのをきっかけに、話が盛り上がりました。気に入った情報しか得られず誘導される場合もあると話すCさんは、組合で自治研を担当する一人。ひとつのテーマに対してみんなが気軽に意見を出し合え、様々な意見を吸収していくことができるグループでの討論が大切だと考えています。「そうゆう意見もあるんやな!と受け入れ、考えていくことが大事だと思っています。そのなかで、『正しい』『正しくない』を判断するには、やはり学習が大切ですね」とCさんは話します。

仕事も生活も豊かに皆で卒業したい

「今回は予習が足りなかった」と照れ笑いするDさんは、組合の書記次長を担っています。今回学習会に参加できなかった仲間も合わせて全員で卒業したいと決意を話します。「学校卒業後は、仕事や生活に追われて、機会がないと憲法のことやそれに関わる経済や歴史について学ぶことはほとんどありません。組合ではよく『情勢』という言葉が出ますが、実はちゃんと理解していない。今回の学習会で知識を得ることはもちろんですが、学ぶことの大切さと、みんなで議論することの大切さを感じてもらいたいです」と抱負を語ってくれました。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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勤労者通信大学

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組合活動
 2021/1/5 10:20

労働者教育協会が主催する通信制の労働学校。専用のテキストで学び、数章ごとのテスト提出とコメントの入った添削指導を受けることができます。

コースごとに、「物事の見方・考え方」「社会や経済のしくみ」「労働組合運動」などを学ぶことができ、全国の多くの組合で、学習に利用されています。

2021年度は、労働組合コース、基礎理論コース、入門コースが予定され、募集がスタートしています。

京都自治労連は受講料補助の支援制度を設け、学習の取り組みを応援しています。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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看護師はやりがいある仕事

新型コロナ感染拡大第3波が深刻な事態です。昨年12月、京都では、コロナ患者を受け入れている14病院長が連名で緊急訴えを出すなど、緊迫した状況が続いています。"今、京都の医療現場で何が起こっているのか""何が必要か"を、府職労連医大支部のE支部長、京都市職労病院支部のF書記長、京都医労連のG委員長に話し合っていただきました。

―コロナ感染症病棟の現状と、そこで働く看護師の状況はどのようになっていますか。

E:医大では、コロナ専用の重症者を受け入れる病院として、中心となる5床の病棟をはじめ、全体15床の病床があります。第3波の感染拡大で重症者病棟は満床の状態です。

重症者病棟の看護師は、医療がひっ迫し、12人から18人体制へ。今は、他病棟からICU経験者を集め体制を組んでいます。勤務体制は、医大では初めての2交替制で、夜勤は12時間の長時間の激務。常に感染の危機にさらされ、家族に感染させるのではないかとの不安を抱えながら極度の緊張感の中で勤務しています。看護師は、使命感と責任感で頑張っているのが現状です。

11月の一般病棟看護師のコロナ発症は、幸いクラスターに至らず終結したものの、第3波の影響で外来・救急でもコロナ対応が増えてきています。

F:市立病院では、コロナ感染者は軽症〜重症(酸素吸入・人工呼吸器まで)を受け入れています。急変して、人工呼吸器を使用する場合は、ICU病棟にある陰圧室(1床)で対応しています。

結核患者などを受け入れていた感染症病棟を、コロナ病棟として20床で使い、看護師は8人体制で、夜勤は通常は1人(重症者が出ると2人夜勤)で行っています。

患者さんには高齢者も多く、介護が必要な方や認知症の方など、看護以外の事で大変注意が必要になる方も増えています。

コロナ病棟では、病棟で発生するほとんどの業務を看護師だけで行わなければなりません。病室の床掃除から給食の食べ残し処理、食器消毒、エレベーター消毒など、一般病棟では、看護師以外の職員が担当している仕事もすべて看護師が行います。

一般病棟では、PCR検査結果待ちの患者を受け入れており、その患者の対応も陽性者同様です。

G:民間病院では、病院に行くとコロナの感染リスクが高くなるという理由から、外来受診や入院を取りやめる患者さんが多く出て、ほとんどの医療機関が深刻な赤字になっています。看護師を増やすべきですが、逆に、賃下げや一時金の削減が行われています。

高齢者の患者さんは、急に一人で閉じ込められる等の環境の変化によって、認知症が進行し症状が悪化するなどを聞いています。

看護師へも心無い言葉が

G:クラスターが発生した時に、「親が病院に勤務している子どもは保育所に来るな」、ご主人は「会社に来るな」といわれたとの話もあります。

F:「子どものSNSで"〇〇のお母さんが市立病院の看護師やから、あんまり遊ばないように"と書き込まれているのをみて、涙が出た」という話を聞きました。

E:医大でも「(他からの子どもへの影響を避けるために)子どもには、感染病棟で勤務していることを伝えていない」など同様の話を聞きます。

通常の医療・看護にも大きな影響が出ています

E:そもそも、看護師が足りずギリギリの人員体制で病棟が運営されています。コロナ病棟を立ち上げるために、様々な病棟から人が集められました。人工呼吸器の取扱に慣れている循環器病棟からも多く出しており、病棟からは、「心停止など突発的な急変がある職場なので、安全面で危険を感じる。本当に看護師を返してほしい」と、切実な声が寄せられています。

そのような中で、医大では、「病院を維持するために」と二交代制勤務の提案が当局よりありました。12時間以上にも及ぶ長時間夜勤労働を、看護師に強いる働き方が、患者サービスを向上させ、看護師を大切にする働き方でしょうか。大幅人員増で夜勤回数を減らし、労働時間を減らすことこそ求められています。時間を区切った拙速な提案ではなく、メリット・デメリットを示し、徹底した職場議論と労使合意を前提に組合との話し合いを尽くすべきです。

F:コロナ第1波・第2波に関係なく、普通どおりに外来診療を行っていましたが、院内でクラスターが発生し、その時期に一旦、外来と救急・健診センターをストップしました。落ち着いてから、再開しましたが、患者さんが来ない状況があり、かなりの赤字になっています。病院は、経営を立て直したいからドンドン救急患者を受け入れています。病床稼働率は平時より減っていますが、忙しさ、煩雑さは増えています。

G:クラスターが発生したある病院では、患者の受診控えもあり大幅な赤字で、一時金が大幅にカットされ、病床も4分の1ほど削減されると聞いています。

政府は、もともと、全国で30万床ほどの削減計画を立てていましたが、このまま、医療機関に対して緊急の財政支援策を行わなければ、何もしなくても病院が潰れる事態になるのではないでしょうか。

医療を、看護を守るために

E:組合で「意見箱」を置いているのですが、先日、「医療従事者には、ありがとう!っていいながら、病院職員のボーナスを減らすのはおかしい。私たちは、命がけで働いています。」と書いてありました。その言葉にみんなの共通の思いを感じるとともに、励まされました。看護師の仕事がニュースに出ない日はありません。看護師の仕事に対する評価が、コロナ前とは違って、大きく変化していると実感します。

F:病院への、患者さんや市民からのメッセージには、「これからも頑張ってください」「親切にしていただいた」等の声が増えてきているそうです。私たちは、もっともっと、市民にアピールすることが必要だと思います。

G:看護師は激務だけれど、素晴らしい仕事です。だから皆頑張れるのではないでしょうか。コロナに打ち勝つためにも、全ての医療労働者が力を合わせ、市民と連帯し、政府に必要な緊急の財政支援、看護師の大幅増員と労働条件改善を実現させましょう。アフターコロナには、看護労働が光り輝くそんな将来にしたいですね。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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迎春 公務公共サービスを拡充し新たな社会づくりの第1歩を

京都自治労連執行委員長
福島 功

あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。

新型コロナウイルス感染症に最前線で対応する保健所は、月200時間を超える時間外勤務をこなし、自らの命を削りながら住民のいのちを守るための奮闘を続けています。医療現場も感染と隣り合わせになりながら日々奮闘するにも関わらず、増え続ける新規感染者に「医療崩壊」寸前となっています。大打撃を受けた宿泊・飲食・観光業などで働く非正規労働者が雇用の調整弁として真っ先に首を切られ、その大半を占める女性労働者に矛盾が集中した結果、女性の自殺者数が一昨年を大きく上回る事態となっています。

これらの事態は、いずれも1990年代以降の新自由主義に基づき政権が効率最優先で非正規労働者を増やし、「行政改革」の名で行政機関の統廃合・民間委託などのアウトソーシング、感染症病床削減などを強行した結果起こったことでした。

安倍・菅内閣の対応は、これらのことを反省し国民のいのちや暮らしを最優先にする施策に転換するどころか、公的病院の再編統合を見直さず、コロナ禍という「惨事」に便乗して、中小企業の淘汰、デジタル化など更なる新自由主義的施策の推進を狙っています。

今年は秋までに総選挙が行われます。政治を変えて国民のいのちと暮らし最優先、そのための公務公共サービス体制の拡充などコロナ後の新しい社会をつくる第1歩にしましょう。そのために有権者一人一人がもっと声を上げ、力を合わせようではありませんか。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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精華町の会計年度任用職員の仲間で組織している精華町臨時職員労働組合(以降、精華臨職)の皆さんが、働きがいある職場、安心して働ける賃金・労働条件を求め、すべての会計年度任用職員を対象に運動を展開して頑張っています。お話を伺いに執行部の皆さんをたずねました。

一時金削減強行にみんなの怒り沸騰

"こんな扱いは許せない"と大きな怒りとなったのが、昨年の人事院勧告の0.05月の一時金削減です。11月10日に当局から、一方的な「申し入れ」がありました。

執行部からは「契約の途中での変更であり、一方的な押し付けは許せない」「他の自治体では、年度途中の変更はせず、来年度からのところも多くある」「コロナ禍の中で、子どもの感染を防ぐために奮闘している我々に対するこれが回答か」など怒りの声が溢れました。しかし当局は、「やらしていただく」と強行しました。

これに対して精華臨職では、直ちに、「みんなの怒りの声を示そう」と、組合員以外の会計年度任用職員にも呼び掛けて"一言メッセージ"運動を展開。呼びかけに、組合に入っていない職員からもメッセージが寄せられ、90人(組合員66人)を超えて集まり当局に提出しました。

もっともっと組合を大きく

職場要求の問題では、「インフルエンザ予防接種一部補助が、正規職員には出ているのに、非正規の私たちには出ない。私たちは、自費で行っている」「布マスクの貸与ではなく、サージカルマスクを」など、解決が必要な課題がたくさんあります。

「もっともっと組合を大きくしよう」との話題の中で、新しい仲間の加入が報告され、みんなで拍手。2021年、精華臨職の仲間の力強い取り組みが始まっています。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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京丹後市は、平成の大合併で6町が合併、各町にあった水道施設(浄水場)の管理・運営を担っているのが上下水道部施設管理課の皆さん。生きていく上で欠かせない「水」を供給する仕事について、HさんとIさんにお話を伺いました。

大阪府より多い施設それぞれに特徴

最初に、普段どんな仕事をされているのか聞くと「浄水場への取水から、浄水場の稼働管理、各家庭に水が届くまでの配水管理です」とサラッと答えるHさんとIさんですが、その仕事内容を聞くと、とても複雑です。

京丹後市の浄水場は、大小あわせて57ヶ所あります。「山あり谷あり海ありの京丹後市ですから施設は、集落ごと、町ごとにあります。数なら大阪府全体の数より多いと聞いています」とIさん。「それぞれの施設に特徴と『くせ』があり、取水一つをとっても、川からの流水、井戸水、湧き水と様々ですし、季節によっても違います。雨や雪など天候によっても影響を受けます。浄水場それぞれの管理運営にノウハウが必要になってきますね」と管理の難しさを話します。Hさんも「各施設にはセンサーが設置され、最近ではネットでモニタリングできるようにもなっていますが、警報が出てからでは遅い」といいます。

「出るのはあたりまえ」を安全に供給し続ける

市内全域に広がる管路の維持管理も、上下水道部施設管理課の仕事です。「住民の自宅や道路などで漏水があると、その地域担当が駆け付け、状況を確認し修繕対応します。修繕自体は業者が行いますが、配菅弁の開け閉めは市が行います。管の老朽化もあり、漏水は最近多いですね」とIさん。「配管を修理すると水が濁ってしまいますのでしばらく排水します。これをきちんとしないと周辺住民の水に影響が出てしまう」とHさん。

57ヶ所も浄水施設はありますが、貯水量自体は充分ではありません。「季節によっては渇水の心配も出てきます。観光シーズンにはホテルや民宿のある地域の需要が増えるので、地域の状況をみながら、弁の開け閉めを調整します」と話すHさんとIさん。担当地域の消費量や貯水量と時間単位の予測量などもそれぞれ出し合いながらの調整です。「担当者は、浄水場の特徴はもちろん、地域の消費量などの特徴を季節や時間単位で把握することが求められます」と経験や継承の大切さを語ります。

わずか5人で24時間対応
技術の継承も課題

日頃の管理は、地域ごと一人一町+アルファで担当し、それぞれが主担当と副担当を持ち回りしていて、上水道担当は実質5人です。大きな問題が起きれば、下水道担当から総務担当まで課全員で臨んでいます。「雨が降ると、取水や配水に濁りが出てしまう。雨が降る前に、動かないといけません」。Iさんは「最近、土日になると漏水が起こります。休めませんね」と苦笑い。予測不能の事態に備え、365日24時間気の休まることはありません。

昔は、各町に水道課があり、その中には上下水道の「プロ」がいました。Iさんは町職員時代に、先輩について各施設をまわりノウハウを学び水道管理技術者の資格をとりました。「マニュアルはあってないようなもの。5年くらいはかかる」。Hさんも町職員時代に水道管理の経験がありますが、地域が違うとまるで対応が違ってくるといいます。「今担当している地域は、前任者がおらず、何かあったら…と思うといつも不安を抱えています」と胸の内を話してくれました。

他の課への異動などで、技術の蓄積と継承が難しい中でも、「現場から戻ってくると、5人それぞれが、今日の作業やトラブル、対処方法などを出し合うよう心がけています。課全体で、技術を継承していく感じですね」との二人の言葉に自治体職員の気概と誇りを感じました。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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旧三和町職委員長や京都自治労連の書記長などを歴任された、松下卓充書記次長が12月末をもって退職されました。

松下さんは、賃金・権利に造詣が深く京都自治労連だけでなく、自治労連全体の賃金政策づくりにおいて大きな役割を果たされました。松下さん、長い間ありがとうございました。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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はながき・るみ=1940年生まれ
5歳の時に広島で被爆
京都原水爆被災者懇談会世話人代表
原水爆禁止京都協議会代表理事


今年は1月22日に、「核兵器禁止条約」が発効する歴史的な年です。京都在住の被爆者として、被爆体験をかたる語り部として核兵器廃絶運動で活躍されている花垣ルミさんに、被爆体験や語り部としての取り組み、核兵器禁止条約への思いなどを伺いました。

体中傷だらけ火の海を避難

私は、1940年3月に大阪で生まれました。父の勤務の関係で横浜へ、そして、44年父の台湾転勤(後に台湾で病死)があり、広島の叔母の家に引っ越しました。母と祖母、叔母、私の女ばかり4人住い。その年の10月に弟が生まれました。

1945年8月6日、朝、空襲警報が鳴って防空壕に避難し、警報解除になって家に帰ろうとしたところまでは、記憶にありましたが、それから2カ月間ほどの記憶は全く無くなっていました。

記憶がよみがえったのは、58年後の63歳になってからでした。生協で、広島の被爆者慰霊祭に参加する企画に参加。京都に帰って、その時の報告書を書いているときに、とぎれとぎれに、次々と記憶がよみがえってきたのです。

当時私は5歳で、爆心地から1.7kmの所に住んでいました。原爆が爆発した瞬間は、地面がふわっと浮いて、衝撃波で私は飛ばされ、窓枠と箪笥の間に挟まれ箪笥の楔(くさび)が頭に刺さりました。その時には気づかず、避難してだいぶたってから刺さっていると教えられました。顔も体中も傷だらけ。顔は、右頬の皮がずるりとめくれ、今でもそこだけは皮が薄くなっています。

母、弟、叔母、祖母も被爆し、けがを負いましたが何とか生きていました。歩けない祖母をリヤカーに乗せて、火の海の中を避難していきました。

避難した竹やぶには、たくさんの人々が逃れてきていました。私の横で横になっていた何処かのおじいさんは、顔は焼けただれズルズルで真っ黒になっていました。近くに養鶏場があって、逃げ出した鶏がそこら中歩き回って、おじいさんの頭をつつくのです。母が、棒きれで「しっ」と追い払うのですがまたやってきます。この光景だけは、記憶から消えることなく残っていました。

母は見ちゃダメと私を抱きしめた

竹やぶにも火が移り、危なくなって非難しました。5歳の目に映ったものは、たくさんの人々が倒れていて、猫や犬、馬や牛は万歳をして死んでいました。

死んだ我が子におっぱいを与えている母親とか、わが子が瓦礫の下にいて逃げるわけにはいかないというお母さん。水道管が破裂して水が吹き出している所では、水を求めた大勢の人が亡くなっていました。

避難場所の山にたどり着き疲れて眠ってしまい目が覚めると、10メートルほど先で、ゴムボートの様にパンパンに膨らんだ人、手足のない人などを木の上に置いて焼いていたのです。強烈な臭いと目の前の光景に衝撃を受けました。母親は、「見ちゃダメ」と私を抱きしめました。その時、記憶を失ったようです。

被爆者として生きる軸

私は、被爆者であることは小さいころから知っていました。顔にやけどの跡が残り、傷をすると血が止まりにくく疲れやすい子どもで、小学校への入学は一年遅れでした。しかし、被爆した時の様子は、記憶をなくし、母も話してくれないので、何も知らないまま大きくなり、"被爆者"と言っても他人事のように思っていました。

私が変わる大きなきっかけとなったのが、京都生協の代表の一人として参加した2005年NPT再検討会議の行動でした。その時の被爆者の涙ながらに訴えている姿を目の当たりにして、私の中に"被爆者として生きる"軸が定まりました。

ニューヨークのある高校で被爆体験を語った時に、B29のエノラ・ゲイの計器を作った技術者を祖父にもつ女子高校生の一人が、私のところに来て「原爆の投下は、戦争を早く終わらせるためと教えられてきた。生き残った人たちがこんな目にあわされていることを誰も教えてくれなかった。私は、どうしたらいいの」と泣き叫ぶのです。"私は、どうしたらいいの"という彼女の姿に、海外で被爆体験を話す意義を実感しました。

2010年のNPT行動では、15回ほどプレゼンスをしました。ニューヨークでのパレードの時に、高校生5人に『おばあちゃんの人形』を演じました。すると、ひとりの高校生が、「僕の学校でもやってよ」というのです。早速校長先生と連絡を取って、急きょ高校で紙芝居を演じたのです。日本では、考えられないことです。

一緒に広げよう批准求める署名

核兵器禁止条約が1月22日に発効します。

原爆で犠牲となった方々や、戦後苦しい思いをされて生きてこられた皆さん、たくさんの皆さんのたたかいが、世界を巻き込んで、世界の運動でこの日を迎えます。

唯一の戦争被爆国である日本政府が、条約の批准をしていないことは本当に許されないことです。自治体から、政府に、首相に批准するよう意見を強く発信してほしい。一人でも多くの被爆者が生きている間に、条約を調印してほしいですね。そのためにも、「核兵器禁止条約の批准を政府に求める署名」をご一緒に広げましょう。


京都自治労連 第1970号(2021年1月5日発行)より

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お知らせ

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組合活動
 2020/12/5 10:30

京都自治労連 春闘討論集会・旗びらき

●1月16日(土)10:00〜
●ラボール京都
●記念講演 岡田 知弘さん(京都橘大学教授)

全ての単組から参加しましょう


京都自治労連 第1969号(2020年12月5日発行)より

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20確定闘争の各単組での取り組みは、最終盤を迎えています。一時金の勧告に引き続き、11月24日には、京都市人事委員会が報告、11月26日には、府人事委員会が報告・勧告を行いました。また、会計年度任用職員の一時金、0.05月の削減を許さず処遇改善を求める取り組みも、粘り強くたたかわれています。「コロナ禍での職員の頑張りに応えよ」の要求をさらに強く求めましょう。

府職労連

26日の府人事委員会勧告は、公民格差が僅差のため「月例給の改定は行わない」との報告でしたが、府職労がかねてから要求してきた獣医師の初任給調整手当で、最大支給額3万円と、採用の配置の困難性が高い北部地域公署については1万5000円の加算を勝ち取ったことは重要な成果です。

府職労連は、府当局との年末確定交渉を12月17日、京教組と合同の府職労連交渉を23日に配置し、月例給、諸手当改善などの課題と職場環境や労働条件、会計年度任用職員休暇制度での要求前進をめざし奮闘しています。

京都市職労

24日の京都市人事委員会勧告は、民間給与との公民格差が△42円(0.01%)と極めて小さく、月例給の改定を行うことは適切でないというものでした。京都市職労は、確定交渉での前進を求め、4回の交渉を配置し、12月25日の最後の山場に向けて頑張っています。

また、京都市の市独自の減免制度の廃止に反対する取り組みや、敬老乗車証廃止、国保料の大幅値上げなど福祉・社会保障の大リストラをすすめる「持続可能な行財政審議会」に反対する取り組みでは、"コロナ禍で市民に「自助」を押し付けるな"と住民との共同を強めています。

精華臨職

今年4月から始まった会計年度任用職員制度。精華臨職では、当局の一方的な一時金0.05月削減に反対して、全職員を対象にした団結署名に取り組みました。

団結署名は、「正規職員より低い賃金なのに引き下げるなんて」「年度途中の賃金引き下げは任用通知にはない」「引き下げは期末手当、引き上げは勤勉手当なので勤勉手当がない私たちは下がるばかりに」等、怒りの声でいっぱいです。"一方的な改悪は許さない"と粘り強く奮闘しています。


京都自治労連 第1969号(2020年12月5日発行)より

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