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3月20日、京都自治労連非正規公共協議会は宇治市植物公園内研修室で第19回定期総会を開催し、8単組17名が参加しました。
C議長は開会あいさつで声を上げることの大切さを述べ、討論では4名が発言し、議案と役員体制を確認しました。
総会後、宇治市公園公社労組の柳明宏委員長を講師に、植物園の魅力や働きがいをお聞きし、植物園内を見学、楽しく交流を深め合いました。
京都自治労連 第2009号(2024年4月5日発行)より
おおにし・けん=
1977年生まれ
2000年 京都市内の社会福祉法人に入職
2006年から 地域包括支援センターに勤務
2001年 福祉保育労 加入
2020年9月から 福祉保育労 京都地本 執行委員長
介護守るため処遇改善と大幅増員を
自治体は介護現場に積極的な関りを
介護保険が始まって24年。制度がスタートした時の高揚感は介護現場にはなく、介護保険事業者と介護サービス利用者の双方が深刻な状態になっていると言われています。さらに、この4月から訪問介護報酬が2%減額され、「小規模事業者の倒産・廃業に拍車がかかる」との声が聞こえてきます。今、介護現場で何が起こっているのか、福祉保育労京都地方本部の大西謙委員長にお話を伺いました。
■介護現場、事業者と利用者の現状についてお話しください
介護保険制度は、2000年4月から、「家庭で担っていた介護を社会全体で、介護保険制度で支える」として始まりました。以前自治体が担っていた部分にも民間が参入し、社会福祉法人以外の株式会社やNPO等の運営主体も増えて、施設の数や事業所の数自体は全体的に増えてはきています。
介護保険が始まる前と、今と比べて単純には比較できませんが、働きながら、子育てしながら親の介護ができる仕組みになっているかというと、そこは十分ではないと思います。介護保険制度は度々改悪され、制度の利用料金が上がり、お金がないと利用できなくなっています。介護保険が始まった当初は、ヘルパーさんの家事支援は1回で2時間ぐらいだったのが、途中で90分になり、60分になり、45分になり、ヘルパーさんに家のことや洗濯や買い物など色んなことがしてもらえなくなり、会話もままならない状態です。
また、デイサービスも料金が高くなり、利用回数を減らさざるを得なくなりました。要支援の保険外しなど、介護保険に入っていても利用できない事態が起こっています。「国家による保険詐欺」と批判の声も聞こえてくるほどです。
さらに、特別養護老人ホーム等も料金がドンドン高くなり、お金がないと利用できません。特養に入れないからと有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅は、さらに高いお金が必要で誰でも利用できるものではありません。
一方、介護職場では離職者が増大し人手不足が深刻になっています。ついに2022年は、介護の仕事に就く人より離職者が多くなりました。このままでは、団塊の世代が75歳以上になる25年度には、32万人の介護の担い手不足が見込まれると言われています。困難な仕事であるにもかかわらず、賃金水準が他産業の平均と比べて月額7万円も低く、「やりがいある仕事だが展望が持てない、人生設計ができない」と退職者が増えています。
私が大学を卒業したのが2000年、介護保険制度が始まったばかりでした。当時は、介護福祉士や、ヘルパーを養成する学部や専門学校などが次々開設されていました。
しかし今は、介護が魅力ある職種ではなくなり、学生が集まらず学部や専門学校の縮小・廃止が相次いでいます。
ヘルパーの高齢化も深刻です。厚生労働省は、2024年度から介護報酬を1.59%プラス改定し、24年度2.5%、25年度2.0%のベースアップを目指すとしていますが、現状を打開するには一桁足りません。介護労働が魅力ある仕事になるよう、大幅賃上げと大幅増員は喫緊の課題です。
■4月から訪問介護の報酬が引き下げられ、「在宅介護の終わりの始まり」とも言われていますが、何が問題なのですか
現在でも、訪問介護業者の経営は苦しく、倒産・休業が23年は、427社にものぼりました。ところが岸田政権は、訪問介護報酬の2%引き下げを強行しました。引き下げ理由は、「利益率が高いから」だとしていますが、利益率が高いのは、一部の大手だけが異常な高利益を上げており、多くの小規模事業者、特に中山間地などの約4割の事業者(全国で13000事業者)が赤字です。大手は、効率的でない地域では事業を行いません。訪問介護報酬の引き下げは、現在でも赤字の小規模事業者を直撃し、頑張っているヘルパーさんの働きがいを奪い、事業からの撤退につながります。地域から事業所が無くなれば、訪問介護が必要な方はどうなるのでしょうか、地域では「介護難民」や介護離職者も増え、人口減少に拍車がかかるのではないかと心配です。
■介護事業者も利用者も納得できる制度にするために、何が必要とお考えですか
介護保険の財源の負担割合は、国が4分の1、都道府県と市町村がそれぞれ8分の1を負担していますが、都道府県や市町村にはこれ以上財政負担をおこなう裏付けがありません。私たちの運動の基本は、国庫負担金の割合負担を増やすことです。国民が人間らしい暮らしができるよう、国が、医療・福祉や介護に十分な予算を回し責任を果たすことを求める国民的な取り組みが必要ではないでしょうか。
■自治体や自治体職員に何が求められていますか
自治体では、「介護保険事業計画」を3年毎に作成し、3年間の事業計画を立てています。介護職員の確保問題になると、「それぞれの事業所で確保してください」となり、実効ある対策にはなっていません。現状では、自治体が描いている「介護保険事業計画」は、絵に描いた餅です。自治体には、介護現場の大きな課題である人材確保に、もっと積極的にかかわっていただきたいですね。
自治体や自治体職員と介護事業者、介護利用者との距離が遠くなっているのではないでしょうか。京都市では、かつて各行政区に保健所があった時には、保健所や地域医師会が音頭を取って『保健医療福祉の集い』や『認知症相談会』などが開催されました。それを通じて人間関係や問題意識の共有もできました。地域に保健所がなくなり、これらのつながりもなくなりました。コロナ禍では、せめて行政区ごとに保健所があればと何度も思いました。
自治体には、民間まかせではなく「より良い介護の提供のために何が必要か」を専門的に分析して改善していく部署が必要と思います。
京都自治労連 第2009号(2024年4月5日発行)より
京都府自治振興課交渉
日時:3月28日(木)13:00〜
場所:京都府庁3号館地下1階 第1会議室
すべての単組・地協から参加を!
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
2024年国民春闘の方針を決める京都自治労連第210回中央委員会を、2月15日に開催し、委任状含む41人の中央委員が参加。執行部の方針提案を受けての討論では、8単組9人が発言しました。物価高騰を大幅に上回る賃上げを官民共同で勝ち取る取り組み、能登半島地震への被災地支援の取り組み、働きがいある職場へ大幅増員の取り組みなどが生きいきと語られました。執行部提案の方針が全会一致で確認され、女性部推薦の執行委員にAさんを選出しました。
確定闘争から24春闘へ
物価高騰を上回る賃上げの取り組みについては、「確定交渉報告を全職場で行い組合の役割に共感が広がり、この間では最高の1800人を超える団結署名が集まった。9月の府庁門前宣伝には、民間労組から公務の賃上げの重要性を訴えてもらい、官民一体のたたかいを実感できた」(府職労連)、「1月の交渉で再任用職員の格付けを3級から4級に改善させ月2万円の賃上げを実現」(宇治市職労)。
会計年度任用職員の取り組みでは、「4月遡及改定を実現させ、支給された差額の額に『びっくりした』と嬉しい声が寄せられた。組合拡大につなげたい」(舞鶴市職労)、「指定管理者制度の下で、予算の制約で勤勉手当支給は厳しいとの回答だが、春闘でも追及する。休暇制度では改善を勝ち取った」(宇治野活労組)。
全職員を対象にした確定闘争の取り組みで、組合の果たす役割に共感が広がった経験が語られました。
職場要求実現、仲間を増やす 取り組み
「能登復興支援について管理職が管理業務を行わないことに着目し、超過勤務手当で対応させた」「増員が職場の強い要求。全分会の要求運動に力を入れ、増員を勝ち取りたい。新規採用者の全員加入を目指す」(宮津市職)、「春闘アンケートには、人員増を求める意見が多い。増員の取り組みを職場から強め、組合員を増やして要求前進をめざす」(府職労連)、「組合員が若返るなか、役員も新しくなり、賃金や労働条件の学習運動に力を入れ、組合活動の力となっている。組合員を増やし要求実現をすすめる」(向日市職労)、「昨年12月に、青年部の賃金学習会を開催し20人が参加した。2月には、共済学習会を3日間開催し、更新や新規の加入につなげている。1月1日付採用者が組合加入、4月採用も全員加入を頑張る」(与謝野町職)、など春の組合員拡大の力強い決意も述べられ、24春闘での要求前進の取り組みが始まりました。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
京都自治労連は、例年、春闘時期に行っている自治体キャラバンを2月21日から3月5日に実施。自治体キャラバンは、自治体当局との要請・懇談を通じて、各単組での24春闘期の労使交渉の促進をはかるとともに、京都自治労連全体として24国民春闘での要求前進をめざすことを目的としています。
当局との懇談では、物価高騰による住民の暮らしの悪化に多くの自治体で懸念が表明されました。公務職場の人材確保の問題では、募集しても応募が来ない深刻な現状が出されるとともに「23確定闘争時に取り組んだアンケート」結果を基に地域手当・人材確保の課題について意見交換を行いました。会計年度任用職員をはじめとする非正規職員の処遇改善の課題では、各自治体の考え方や対応の違いが明らかになりました。
働きがいある職場へ、共通の目標に向かって要求していくこと、各単組での春闘要求書づくり、交渉の配置が重要です。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
京都自治体労働組合総連合 執行委員長
福島 功
3月末で「定年」退職されるみなさん、自治体職員として、自治労連の組合員として、長年にわたり公務に労働組合活動にたずさわっていただきありがとうございました。人生の再スタートに際し心からの感謝を申し上げます。
みなさまと力を合わせ、安心して公務に専念できる賃金や労働条件の確保、また、平和や地方自治の発展に努めてきましたが、今の日本の社会保障制度は、第二の人生を安閑恬静と過ごすことがかなわないものとなっていることがコロナ禍の経験や異常な物価高騰を通じていっそう明らかになりました。
退職によってできた時間を有意義に活用し、健康に留意しながらも趣味や地域の様々な社会的活動など豊かで実り多い第二の人生を過ごされることを心から願ってやみません。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
確定申告の時期である。私はいくつかの団体の理事などをしている関係で、毎年確定申告をしている。だいたいの年は源泉徴収されている額の方が多く、わずかながら還付を受けることが多い。適切に税は負担しつつ、その使われ方を監視することも主権者の役割だと思っている。
税を適切に負担するという点で、今年の確定申告の現場(=各税務署)では自民党の議員がもらっていた裏金が課税対象とならないことに不公平感をもち、怒りを職員にぶつける納税者が多くいるようだ。
インボイス制度が始まって初めての確定申告でもあり、1円単位まで厳密に税を計算させられる庶民と裏腹に数千万円ものお金をもらいながら税負担ゼロの国会議員がゴロゴロいるのだから、その怒りも当然のことだろう。
しかし、では税金を収めればそれで良いのかと言うと、それだけでは収まらない。そのお金を誰の指示で、何の目的で還流したのか、還流された側は何に使ったのか、その解明こそ求められている。(F)
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
京都自治労連が実施した2024春闘「働くみんなの要求・職場アンケート」は、23単組から正規職員・再任用職員2884人、会計年度任用職員、臨時・非常勤嘱託職員など918人の回答が寄せられました。(集計は2月22日到着分まで・カッコ内は昨年数値)
正規職員の生活・仕事実態と賃上げ・職場環境
若干の賃上げでは、物価高騰には追い付いていない
昨年から続く物価高騰が生活・家計に大きな影響を及ぼしています。生活実感は「かなり苦しい」「やや苦しい」が54.3%(52.5)と半数を超え、負担費目では食費44.2%(37.2)が7.0ポイント、住宅関係費24.5%(22.0)が2.5ポイント、光熱水費27.2%(36.9)などと合わせて負担が強まっており、止まらない物価高騰による家計負担の実態が明らかになりました。
食費は節約費目でも45.1%と高い比率となっており、生活を切り詰めなければくらしていけない状況がうかがえます。また、税・社会保険料の負担感は19.8%(15.5)と、厳しいくらしの中でさらに高まっています。
昨年と比べた賃金比較では、昨年の賃上げもあり41.1%(35.0)が「増えている」と回答していますが、賃上げを実感できない状況です。それを反映するように、賃上げ要求(月額)では、「5万円以上」の回答が41.6%(40.5)と昨年に続き上昇しています。
人員増と人員配置改善は喫緊の課題
昨年と比較した業務量について、あなた自身の仕事量で「増えている」は51.7%(51.0)、職場全体では54.8%(53.3)と業務量が増加したと答えています。増加する業務量の一方で、職場人員をみると「足りていない」68.3%(66.0)が6割を超えています。職種別では、医療関係85.1%をはじめ、保育士・幼稚園教諭84.4%と、保健師77.4%とすべての職種で人員不足が大きな問題となっています。
労働条件改善は、4人に3人が「賃上げ」74.1%(73.0)、半数近くの人が「人員増」41.4%(41.9)と人員増や人員配置の改善、業務量の削減を求める結果となっています。
非正規職員の生活・仕事実態と賃上げ・職場要求
「一時金」「4月遡及」で賃金改善も最低賃金すれすれは変わらず
正規職員同様に、物価高騰による生活・家計負担は非正規職員にも大きな影響を及ぼしています。生活実感は「かなり苦しい」「やや苦しい」が56.7%(54.2)と昨年よりも悪化しています。家計の負担費目をみると、食費40.2%(37.5)、光熱水費34.3%(41.1)の2つが高い比率を占めています。節約費目をみても、食費50.0%(44.3)、光熱水費23.3%(23.0が増加し、昨年以上に生活を切り詰めなければいけない実態が明らかになっています。
昨年との賃金比較では「増えた」が47.1%(21.0)と大幅に増加、昨年度の一時金改善、4月遡及を勝ち取った単組からの回答が大きく影響しています。しかし、物価高騰での生活実態に見合った賃金改善を求める要求は大きく、月額5万円以上への回答が35.2%(34.7)、時間額でも「200円以上」の賃上げ要求が67.6%(47.9)を占める結果となっています。
雇用不安の解消、福利厚生向上は切実な要求
会計年度任用職員の「雇用契約が更新されないのではないか」32.2%(30.1)、「職場や仕事が無くなるのではないか」20.6%(19.4)との雇用不安を訴える声は切実です。回答者の約8割が仕事へのやりがいを感じている一方で、「賃金が安い」53.6%(55.8)、「正規職員との格差」29.1%(27.8)に対する不満や怒りも昨年と同様の数字となりました。
労働条件改善では、賃金改善(基本給、経験給、一時金、退職金、特別昇給)と、雇用安定(期間延長、公募撤廃、正規職員化)が二大要求となっています。「有給・育児・介護など休暇制度の充実」が14.2%(10.6)と3.6ポイント増えており、休暇制度の充実、均等待遇を求める声が増えているのが特徴です。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
2月4日投票で行われた京都市長選挙は、京都自治労連が推薦する「つなぐ京都2024」の福山和人候補が16万1203票(34.4%)を獲得し、あと一歩のところまで追い上げましたが、自民、立憲民主、公明、国民民主が推薦する現職後継の松井孝治候補(17万7454票 得票率37.9%)に惜敗しました。
選挙は、コロナ禍と物価高騰が市民の暮らしと生業を直撃するもとで、福山さんが市民の声を集めて作り上げた市政改革の展望を示したマニフェストに大きな期待と共感が広がりました。同時に、国政を揺るがす裏金問題に京都での審判が注目を集め、大激戦・大接戦となりました。
残念ながら福山さんは当選には至りませんでしたが、職場からの取り組みと市民とのつながりをさらに強めて、「市民が政治をつくる」流れ、「公共を取り戻す」たたかい、福山さんが掲げた「マニフェスト」の具体化・実現へ引き続き奮闘しましょう。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より
2月24日・25日、第32回自治体保育労働者の全国集会が静岡で開催され、全国からリアル参加396人、WEB参加231人で合計627人が集まり、保育を取り巻く情勢を学び、各地の運動を交流しました。京都からは、11人が参加しました。
保育を取り巻く情勢が大きく変化
今回の保育集会は、「こども家庭庁の創設」「異次元の少子化対策」など、子どもを取り巻く情勢が大きく動く中で開催された集会でした。
愛知から全国の保育現場に広がった「子どもたちにもう一人保育士を」の運動は、76年変わらなかった保育士配置基準を改正させるという、大変大きな成果を生み出しました。2024年から、4〜5歳児の配置基準を現行の30人に保育士1人の配置から25人に1人へ。あわせて、3歳児の配置基準も、現行の20人に保育士1人の配置から15人に1人へと改定されます。
新たな基準での配置を求めて自治体への運動をさらに強く
配置基準の改善は、保育運動の中で訴え続けてきたことであり、今回国が改善に動いたことは大変うれしいことです。しかし、保育士不足が深刻な今、基準改定に伴う新たな保育士の確保は容易ではなく、国は経過措置期間を設けました。経過措置の期間が決められていないため、保育士が確保できず、ずるずると現行の基準のままになることが懸念されます。
京都府内でも配置基準改善を
京都府内の市町村の保育現場では、独自の配置基準を持つ自治体もありますが、現行の国基準で職員配置している自治体が多くあります。京都自治労連保育部会では、国の動きを受けて、それぞれの単組で提出する保育に関する要求書に、配置基準の改善を盛り込むことを提起し、宇治市や京都市では早速動き始めています。
京都自治労連 第2008号(2024年3月5日発行)より