京都自治体労働組合総連合
お知らせ

京都に米軍基地いらない 関連資料

原発ゼロへ 関連資料

コンテンツ

メンタルサポート京都

法律相談は、顧問法律事務所へ


機関紙 - 最新エントリー

民間労組は1時間ストライキ

 民間大手の回答が行われ、13春闘最大の山場となった3月13日、14日を中心に、府内各地で京都総評に結集する仲間が大奮闘。民間労組の仲間は、1時間ストライキで参加するところもあり、府庁近くの第二日赤病院労組は、14日朝8時30分から1時間のスト決起集会。情勢を学ぶとともに、日赤当局に向けて「今年賃上げしなくていつするのか」「今まで当局は、国にが賃上げしないからと言ってきた。今年は国が賃上げをと言っているのに賃上げしないのはおかしい」等と参加者から怒りの声が上がりました。

府内各地で決起集会など:京都自治労連

 京都自治労連の仲間は、府内各地で決起集会や学習会を開催。20人が参加した乙訓地協の決起集会では、春闘全体の情勢と共に地方公務員賃金削減問題の学習会を織りまぜ、単組の交渉状況や自治体キャラバンの特徴などを報告。最後に乙訓地協としての集会決議を採択し、籠谷地協議長の団結ガンバロウで締めくくりました。

 賃金学習会を行った与謝野町職では、26人が参加。地方公務員賃金削減が安倍政権の政策とも矛盾しており、民間企業の賃金引下げに連動し景気をさらに悪化させるなど道理がないこと。賃金引下げが行われない自治体にも、一時金は引き下げられるなどの問題点や職場からのたたかいの重要性について意思統一しました。


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1514)

退職されるみなさんへ

カテゴリ : 
組合活動
 2013/3/26 12:20

京都自治体労働組合総連合 執行委員長 池田 豊

 退職を迎えられるみなさん、公務員として、京都自治労連の組合員として長年のお仕事、組合活動への参加ごくろうさまでした。新たなステージでの人生のスタートに際して心から感謝を申し上げます。

 55歳が定年だった採用当時がウソのような時代になりました。アベノミクスと退職金削減攻撃をみても、安閑恬静とした世の中と人生を望み、そこに身を置くには個人の力では抗しがたい状況といえます。

 仕事から完全に離れ沈思黙考し、疲れた心と体身を癒して隅々までケアし、そして再び地域から様々に社会的参加されることを期待しております。豊かで実り多い人生を過ごされることを心から願っております。

深謝 


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1270)

第2回退職手当組合交渉

カテゴリ : 
組合活動
 2013/3/26 11:40

●「59歳を『勧奨退職』対象とする」(事務局長回答)
3月28日退手組合議会へ提案

●早期退職募集制度は国の状況みて鋭意検討

 3月8日、京都自治労連は退職手当削減問題で、京都府市町村職員退職手当組合との2回目の交渉を、退手組合を構成する各単組代表も参加して実施。職場の切実な声に基づく交渉で「59歳を勧奨退職の支給率とする提案を行う」と一定の前進回答を引き出しました。

 交渉冒頭、池田委員長は「合併で賃金が下がった中でも頑張ってきたが、これ以上の賃下げは仕事のモチベーション低下につながる。人材確保の点からもやめてほしい」と団結署名に寄せられた切実な声を紹介。職員の生活、賃金を守る立場にたった最大限の努力を求め、740人分(交渉時点・和束町職、乙訓福祉の協力分ふくむ)の署名を提出しました。

 当局は制度自体が国と同じ枠組みであることを強調し、前回交渉と同じ「平成25年4月1日から国と同じ支給率で実施したい」「調整額は現行のままとしたい」等の回答に終始。400万円の大幅引き下げに対する当局努力が見えないこと、勧奨(58歳)と自己都合(59歳)の問題を再度指摘、追求する中、「59歳の勧奨退職扱いは私の責任で3月28日の退手組合議会に提案し実施する」との事務局長回答を引き出しました。

単組交渉の強化がカギ

 400万円を超える退職手当引き下げを取り返すには基本賃金を中心とした賃金改善が必要です。府退手組合には「退職手当」に限る権限しかないため、基本賃金の改善は単組での交渉強化が急務となります。次の要求事項を獲得目標として単組交渉を強めましょう。

交渉結果

(1)調整率の変更

期間 調整率 35年以上継続・定年退職の支給率
現行 104/100 59・28月
H25.4.1〜H26.3.31 98/100 55・86月
H26.4.1〜H27.3.31 92/100 52・44月

H27.4.1以降

87/100 49・59月

(2)59歳での退職を勧奨退職の支給率を適用

?現行制度では59歳退職は「自己都合退職」での支給率だが、平成25年度末退職者から「勧奨退職」での支給率とする。
?割増率(現行定年前退職1年につき2%)は、今回の改正では実施しない。

(3)早期退職募集制度

?国の政令が出た段階で鋭意検討し、59歳の割増率もその際に検討する。
?具体的な割増率の区分等については、あらためて京都自治労連と交渉を行う。

単組交渉での獲得目標

?基本賃金の改善
 1)到達級の1級以上改善
 2)初任給含め賃金ライン全体の改善
 3)55歳昇給停止しない回答引き出す
?一時金加算の改善
?再任用賃金への上乗せ補てん


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1905)

 自治労連2013年春闘アンケートには、正規職員4797人、非正規雇用職員1200人から回答が寄せられました。生活実態では、長引く経済不況と連続する賃金削減による生活悪化、職場環境では人員削減の影響が色濃く表れています。

 また、非正規雇用職員アンケートには、今年も多くの皆さんから回答が寄せられました。賃金引き上げや雇用の安定などが、切実な要求であることが示されています。この間、京都自治労連と各単組で非正規雇用職員の処遇改善の取り組みが進んでいますが、いっそう要求闘争を強化することが必要です。

 寄せられた要求や願いの実現にむけ、組織拡大・強化とも結合させて、2013年春闘を全力でたたかいましょう。

生活実態と春闘課題

 雇用者報酬、公務員賃金が連続してマイナスになるなか、「賃金が増えた」は27%で、「賃金が減った」は39%になり、「生活の苦しさ」を訴える方は53%となっています。
 賃上げ要求では、「3万円」に28%、「5万円」に21%と、3万円・5万円に回答が集中しており、「3万円以上の賃上げ」が59%となっています。

 こうしたもとで、対政府要求では、現在の情勢を反映してか、上位を雇用、景気、社会保障充実、公務員賃金が占めています。非正規雇用職員では、景気対策などの上位要求が、正規職員の集計より20%〜30%高く、一方「公務員賃下げ阻止」は11%となっています。

職場環境と人員問題

 「心身に疲労を感じますか」の設問では、「毎日非常に」が23%、「たまに非常に」27%、「毎日、多少」29%と、この3つで80%近くになります。
 「人員不足」を訴える方も52%にのぼり、「健康で働き続けるために何が必要か」の設問には、「人員の増員」47%、「人員配置・人事異動の改善」34%、「業務量の削減」27%などが並び、人員増と職場改善要求の切実さが表れています。

 また、超勤の設問では、サービス残業・不払い残業が「ある」と答えた方が37%と依然高止まりしています。理由では、「仕事の責任」44%、「申請しづらい」35%などに集中しており、超勤を不払いにさせない取り組みを強化することも重要になっています。

査定賃金

 査定賃金については、「導入すべき」は8%余り、「どちらとも言えない」も32%(昨年33%)と、昨年と同様の傾向になっています。また、査定賃金をどう思うかについては、「評価が公正にできるか疑問」が37%(昨年41%)と最も多い回答となっています。一方、「働きがいや人材育成につながる」が14%、「つながらない」が7%という数値にも着目することが必要と考えられます。

 

地域主権改革と地方自治

 地域主権改革に対する意見では、「地方財政が厳しくなる」28%、「福祉等の切捨て」22%、「国の責任放棄」「地方行政の市場化と民間委託」がそれぞれ20%など、政府が進める地域主権改革と地方自治への危機感が高まっています。

原発

 原発についての考え方では、正規職員・非正規雇用職員とも、「即時廃炉」「できるだけ早くなくす」「古い原発から順次廃炉」の3つをあわせて80%以上の方が答えています。原発NOの声が依然として高いことを表しています。


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1520)

 京都自治労連は、各単組と力をあわせて、非正規職員の賃金・労働条件改善に取り組んできました。その反映もあり、「賃金が増えた」という方が20%あります。一方で、「減った」という方も24%あり、「生活が苦しい、やや苦しい」という方は62%で正規職員より5%程度高くなっています。「ダブルワークをしている」も11%あり、家計の主たる生計者と答える方も38%と、年々高くなってきています。

 賃上げ要求は、月給制の方では「3万円」「5万円」に回答が集中し、日給制の方では1000円/日、時間給の方は100円/時間に集中しています。

 要望(3つ選択可)では、「賃金の引上げ」56%、「ボーナスの支給・額引上げ」50%、「雇用の安定」33%の3つが大変切実な要求であることが示されています。

 京都でも全体的には改善されつつありますが、均等待遇からはまだまだ程遠く、処遇改善と組織拡大を結合して、京都における産別運動として全力をあげることが必要です。


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1357)

 京丹後市の自衛隊経ヶ岬分屯基地に米軍基地を設置し「Xバンドレーダー」を配備する計画に、地元・地域住民から不安と戸惑いの声が広がっています。3月11日(宇川地区)、12日(間人地区)に防衛相が開いた住民説明会では、不安・怒りの声が噴出しました。

160人の米軍・軍属
子どもたちが心配

 防衛省が行った初めての地元説明会となった京丹後市丹後町の宇川小学校での説明会は、会場となった体育館が240人の参加者でいっぱいになりました。

 防衛省近畿中部防衛局の及川博之局長らは、候補地選定の経緯やXバンドレーダーの概要、配属される人員が160人程度になり、基地南側の土地数ヘクタールを買収すること、法的には米軍基地となることなどを説明しました。

 住民からは、「強力なレーダー、健康にどのような影響が出るのか」「イラク戦争で、米軍が最初にレーダー基地をたたいた。最初に狙われるのはレーダー基地、丹後が狙われる」「若い女性や子どもたちが心配」「犯罪を犯しても逮捕できない日米地位協定の対象となることは心配」「風紀が乱れないか」などの声が相次ぎました。

 また、「いつまで基地を置くのか」「米本土を守るためなのか、建設と維持の費用はだれが負担するのか」「日本を守るためというなら、自衛隊がレーダーを購入し自衛隊基地に配備すればいい」「この地域は風景が財産。それを壊してまでも配備しなければならないのか」「予定地の真下に穴文殊さんがある。毎年8月に祭りを行っているが支障は出ないのか」「水はどうなる。160人もの米軍関係者が水を使ったら水不足にならないか」など、たくさんの意見が出されました。

 防衛省は、出された多くの不安・疑問の声に具体的に答えず、「理解をいただきたい。国・地元・米軍と協力して、事件・事故の防止に努める」と回答するにとどまり、参加者が納得できる内容ではありません。
 また、出席していた中山京丹後市長には「住民が反対したら市長はどのような態度をとるのか」「住民投票を求める」等の意見も出されました。これに対して中山市長は、「安全・安心が最優先。国防上というのは理解できるが、?わかりました”とは言えない。住民投票にはなじまない問題。皆さんの声をしっかり聞いて、自治体としての思いを固めたい」としました。

配備に反対し、撤回を求めよ
府に緊急申入れ

 Xバンドレーダー配備に大きな影響が考えられる、京丹後市職労、伊根町職、宮津市職、与謝野町職と京都自治労連は、3月8日、山田京都府知事に「日米両政府に対し、Xバンドレーダーの京都府内配備に反対し、撤回を求めること」の内容で緊急申入れを行いました。

 対応した自治振興課の山口課長は「みなさんの不安、心配はよく理解できる。住民の安全・安心が第一、しっかり伝える」としました。申し入れは、マスコミも注目し報道もされました。

危険!頭ごなしの押し付け
京丹後市職労書記長 中川 享一さん

 「米軍Xバンドレーダーを京丹後市に配備」というニュースが、何の前触れもなく飛び込んできたのが2月26日。隣国の北朝鮮は、昨年12月のロケット発射以降、不穏な動きをしています。米軍レーダーの設置は、かえって緊張を高める恐れがあります。米軍施設があることで、地域住民が国際間の紛争に巻き込まれる可能性は否定できません。

 また、160人とも言われる米軍関係者には日米地位協定が適用されます。「日米地位協定に基づく米軍基地がやってくる」のです。このような、重大で市民に大きな影響のあることを、地元住民や自治体にまったくの説明もなく、頭ごなしに決定し押し付けることは許されません。


京都自治労連 第1796号(2013年3月20日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1361)

 京都自治労連は2月21日から25日にかけて、13春闘における重点課題と要求の前進をはかる目的として13春闘キャラバンを実施。

 懇談では、地方公務員賃金の7・8%削減要請にかかわって、各自治体当局から、政府の賃金削減を前提にした地方交付税削減に強い怒りがわき上がっていることが出される一方、現実問題として交付税が削減される下での住民サービス維持をどうするのかと、苦悩する姿も明らかになりました。

要請という名の『強要』
不当な介入で認識一致

 「保守層からも?やり方がおかしい?と声が上がっている」「地方交付税を減らして賃金削減要請はひどい」「賃金は地方が自主的に決めるものだ」。政府が国家公務員に準じて地方公務員への7・8%賃下げを要請すると同時に、賃金削減を前提とした交付税削減を行うことに対して、懇談の中で当局側から次々と出された怒りの声です。さらには「時限的措置というが、2年で終わるという保障はどこにもない」と、今後も削減強要が続く可能性に警鐘をならす当局も。「公務員賃金は地域経済や民間賃金にも大きく波及する。地域で基準になる賃金。一方的な交付税削減で人件費などは厳しくなる」と賃上げと景気回復に逆行するのではと指摘する声も聞かれました。

 賃下げ攻撃の狙いは、労働者のさらなる賃金抑制と、消費税増税や社会保障切り捨てなど国民負担の押し付けに対する「露払い」に他なりません。政府による地方自治への不当な介入だとする認識で一致し、引き続いて抗議の声をあげていくことを確認しました。

 その一方で、「すでに7200万円が減らされ厳しい状態」「算定では4000万円の削減になり難しい問題」「削減はしたくないが、最も住民に近い、顔が見える立場で苦しい」と、住民サービスに対する影響の懸念など、身動きが取れない状況に苦悩している姿が見られました。

地域経済に生きる、住民要求に沿った公共事業を

 政府の緊急経済対策における大型補正予算を地域経済にどう生かすか、という点についても懇談。「京都縦貫の接続で車の流れが変わる。パーキングエリアの活用など集客力や地域活性化に繋げたい」(京丹波町)、「サッカースタジアム建設が決まり、全庁的なプロジェクトを設置。まちづくりの視点をしっかり持ち、観光・産業での経済波及に繋げたい」(亀岡市)など、国や府の大型公共事業を地域経済に生かす検討がされています。

 しかし、「土木技術者不足を実感している。募集しても集まらない」「土木建設業者が減り、工事を請け負う業者がない」と各自治体から声があがるほど深刻な事態が起こっています。

 その他、非正規の賃金をはじめとする待遇改善やメンタルヘルス問題、再生可能エネルギー、公契約条例などの課題で懇談、意見交換を行いました。


京都自治労連 第1795号(2013年3月5日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1699)

 厳しい経済環境の下で、地域経済の活性化と雇用環境を守る取り組みとして、全国で注目され具体化が広がりつつあるのが『公契約条例』です。京都府内においても、京都自治労連や京都総評、大学研究者等を中心に「公契約条例研究会」が結成され、条例制定自治体への視察や、府内各自治体や様々な経済団体との懇談や申し入れを行ってきました。

公契約条例を市長選の公約に

 昨年6月に行われた福知山市長選挙において、松山正治市長は「地元中小企業の受注機会の拡大、それにともなう地元雇用の創出、適正な労働条件の確保などをめざす公契約条例を検討、制定します」と選挙公約に掲げ当選し注目を集めてきました。

平成26年度に条例制定へ

 2月26日に開会された3月議会の「施政方針」表明で松山市長は、「受注競争の激化、それに伴う受注者の利潤の低下などから本市が行う入札・契約手続きにおいて制度本来の要請である公正性、公平性、透明性及び競争性を確保することはもとより、地域経済の発展と地元企業の成長や育成を支えるとともに、そこで働く人々の雇用環境をも視野に入れ、公契約としての役割と機能を発揮させ市政の推進に努める」と公契約条例制定へ具体化を進めることを明らかにし、平成26年度の条例制定をめざすとしました。

住民・諸団体と共同のとりくみを

 福知山市が公契約条例制定の具体化へ期日を決め、検討・具体化をすすめることは大きな意義があります。各単組でも公契約条例制定へ、住民、諸団体、経済団体や自治体などとも共同を広げ運動を強化しましょう。


京都自治労連 第1795号(2013年3月5日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1748)

京 深層水

カテゴリ : 
組合活動
 2013/3/5 12:20

▼アベノミクスで京都も猛烈な勢いで動き出した。乙訓では高速道路のバス乗り場に続くエレベーター設置の2億円の工事を受注する業者が見つからないという。京都府の担当者が建設業界に即戦力の技術者を紹介してほしいと持ちかけると、京都にいるわけがない、ただでさえ不足しているのに府は分かっているのかと叱られる。京都から生コンのミキサー車が消えてしまった。技術者も作業員も生コン車もみな、ゼネコン特急での東北へと吸い寄せられている。

▼岩手自治労連の報告に耳を疑った。山田町から、厚労省の緊急雇用創出事業で委託を受けたNPO法人「大雪りばぁねっと。」が年度途中の昨年12月に、7億9千万円を使い切り、137人の賃金が払えないという。2年前には年間600万円だった北海道のNPO法人が、被災地で税金を使った錬金術を行使した。

▼その東北、フクシマそして京都で、今何が起きているのかをしっかりと見続けたい。
(I)


京都自治労連 第1795号(2013年3月5日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1229)

 1月30日、31日、福島県いわき市で全国「小さくても輝く自治体フォーラム」が開催され、京都自治労連から池田委員長と松下執行委員が参加。いわき市、福島大学の関係者への聞き取り調査にも取り組みましたので現地報告をしてもらいます。

原発事故の過酷な現実

 まず現地視察に行った自治体の紹介をしてください。

 福島第一原発から役場まで数?、福島第二原発が立地されている富岡町に行ってきました。富岡町では全町民1万5568人が避難し、4536人が全ての都道府県に避難、京都府にも10世帯13人が避難しています。福島県内には1万1032人、その内約半数の2539世帯5472人がいわき市に避難しています。

 全住民が避難した後の町はどうなっているのでしょうか。

 2011年3月11日で時計が止まった状態です。津波で流され、破壊された家屋や自動車の残骸、雑草が伸び放題の田畑など、無人、静寂の世界です。町職員の説明では、空き家となった所を豚や牛が占拠し、ネズミが大量発生、中には30cm近くの大きなネズミもいるそうです。車の販売店では数十台の車が略奪され、店が破壊されているところもありました。

 原発事故直後の自治体としての対応はどうだったのでしょうか。

 富岡町の対策本部がおかれた文化交流センターと隣接する役場(写真?)に行ってきました。地震直後に設置された対策本部は、翌12日午後3時36分、1号機で水素爆発する映像がNHKで放映されると、町民の避難誘導をしながら午後5時すぎには本部も緊急避難をしたそうです。食べかけのおにぎり、ペットボトル、書類などは放射能に汚染され当時のまま残されていました。(写真?)

 舞鶴市役所は高浜原発から12キロしか離れていません。原発防災計画の策定が急がれていますが、福島での避難の現実はどうだったのでしょうか。

 事故後は電気も遮断され、国や県からの情報は全くなかったとのことでした。
 原発の反対方向に国道を走ると、地震で隆起した道路に車が引っ掛かりそれだけで交通は遮断、常磐自動車道も地震の影響で危険なため通行止め。隣りの川内村で多くの住民が夜を過ごしたそうです。
 計画的なバスの配置や車での避難は、あくまでも道路の安全が確保されて、ガソリンも十分にあり整然と車が流れることを前提とするので役に立たないのが現実とのことでした。

帰還を阻む放射能被害の現実

 放射能被害はどのような状況でしょうか。

 視察した役場と文化交流センターは、12月に自衛隊300人が入って除染作業をしましたが、依然として放射線量は高く5・14μSv/hを示していました(写真?)。原子力安全委員会は平常時は年間1mSv以下としていて、時間単位の被爆線量に換算すると0・23μSv/hになりますから、その20倍以上という非常に高い線量です。町内を移動すると更に高い数値を示すことから、この状態で住民が町へ帰ること、町が再生することに大きな困難を感じました。

 町民の生活はどのように。

 役場は郡山市に本部事務所、いわき市、三春町、大玉村に出張所を設けています。そして現在町内を放射線量に応じて3つに区域分け(左表)、この区域分けを基準に東電の賠償内容に大きな差がつきます。
 しかも、「帰還困難区域」は「5年以上の長期にわたって居住が制限」とされ、帰ることを諦めざるを得ない現実を突きつけています。他の区域も安全に帰還する目途はありません。

対立と解体しかねない地域社会

 町民の生活、地域コミュニティはどうなっているのでしょうか。

 富岡町を含む3町長はいわき市に「仮の町」を設けることを申入れました。いわき市内に役場機能を移して、災害公営住宅、道路、上下水道、医療施設、交通駅など生活基盤整備をして集団移転をする、自治体内自治体をつくる構想です。
 人口33万人のいわき市内に現在2万3000人の避難者が暮らしています。人口規模で京都に置き換えると西京区と右京区を合わせた地域に、与謝野町民全員を受け入れることになります。

 スムーズに「仮の町」構想は進んでいるのでしょうか。

 2年間の避難生活は市民との間に大きなあつれきを生みだしていました。
「働かずに補償金で楽をしている」、「パチンコ屋が混んでいる、玉の出が悪くなったのはなんぼでも金をつぎ込むから」、「病院の待ち時間が長くなってなかなか診てもらえない」、などの市民の声が出てきて、大きな問題となっているとのことでした。

 行政の対応はどうなっているのでしょうか。

 いわき市は、大規模な土地開発と帰還後空白地帯となる可能性などから、集団的避難の「仮の町」ではなく、小規模な「分散型」避難を求めています。住民生活の再建を最優先した国の施策と、東電の責任ある補償が最優先で求められ、待ったなしの状態だといえます。

 浪江町の馬場町長は「事故発生時に国や県、東電から連絡は来なかった。何の情報も無い中、浪江町民は放射能汚染が強い地域に避難し、多数の住民を被曝させてしまった。このことに国も県も東電も誰も責任をとろうとしない」、そして富岡町の遠藤町長は「原発事故を風化させてはならない」と訴えていました。

「帰還困難区域」
年間積算線量が50ミリシーベルトを超え、5年を経過しても年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域で、5年以上の長期にわたって居住が制限される地域。(国が不動産の買い上げを検討)

「居住制限区域」
年間積算線量が20ミリシーベルトを下回るのに数年かかるとみられる地域。一時帰宅は可。年間積算量が20ミリシーベルト以下であることが確認された場合、避難指示解除準備区域に移行する。

「避難指示解除準備区域」
年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることが確実であると確認された地域。早期帰還に向けた除染、都市基盤復旧、雇用対策などを早急に行い、生活環境が整えば、順次解除される。


京都自治労連 第1795号(2013年3月5日発行)より

  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1274)
京都自治体労働組合総連合
〒604-8854 京都市中京区壬生仙念町30番地の2 京都労働者総合会館内
TEL:075-801-8186 / FAX:075-801-3482
(C)Copyright 2001- Kyoto-Jichirouren All Rights Reserved.