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6月22日〜23日、自治労連青年部は「学習交流ツアーin岩手」を開催。東日本大震災の経験や教訓などを学びました。16地方組織から40人が参加し、京都から京都自治労連青年部長のCさん(城陽市職労)と同青年部常任委員のDさん(京都市職労)が参加しました。
Cさんからは「当時、街が黒い波に飲まれてあちこちで火災が発生している様子をテレビで見ていた。普段から防災意識を持ち、周囲と協力して被害低減をめざすことが大切」と感想が寄せられました。
京都自治労連 第2012号(2024年7月5日発行)より
かたおか・あきら=
1983年から京都平和委員会で活動(現理事長)。日本平和委員会理事、日本平和学会会員、京都原水協代表理事。
「宣伝と組織」(機関紙協会京滋地方本部発行)の「させない 戦争する国づくり」に寄稿など。
身近にせまる「戦争する国」づくり
自治体は住民を守る最後の砦
2022年12月、岸田政権は敵基地攻撃能力の保有や5年間で43兆円の軍事費など大軍拡計画を盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定し、防衛力の抜本的強化に取り組むとしました。憲法に掲げられる恒久平和に基づく戦後の日本のあり方を根本から変える内容です。いま、この安保3文書をふまえた実践面での「戦争国家づくり」がすすむなか、京都府内で具体的にどのような動きが出ているのか、京都平和委員会理事長の片岡明さんにお話を伺いました。
■岸田政権による「戦争する国」づくりがすすむなか、いま京都府内ではどのような動きが起きているのでしょうか。
安保3文書の閣議決定以降、様々な動きや課題が出てきています。自衛隊基地の強靭化計画の一環として、精華町の陸上自衛隊祝園分屯地と舞鶴市の海上自衛隊での弾薬庫増設計画や機能強化をはじめ、土地利用規制法(重要土地等調査法)によって京都の自衛隊・米軍基地周辺が区域指定されるなど住民の安全安心を置き去りにして、京都府内で政府の「戦争する国」づくりを具体化する動きが加速しています。
政府は台湾有事などを理由に軍拡が必要との国民世論をつくり、戦争協力を自治体や国民に背負わせる、この流れがあることをしっかり見る必要があります。
舞鶴の海上自衛隊にはイージス艦2隻が配備され、敵基地攻撃能力となる長射程ミサイル・トマホークを保管する弾薬庫増設とミサイル整備場がつくられる計画です。祝園の弾薬庫は本州の弾薬補給拠点に位置づけられ、陸上自衛隊の弾薬だけでなく海上自衛隊の弾薬も保管する共同使用の方針が決まり、イージス艦に搭載するトマホークの保管も示唆されています。
実際に舞鶴や祝園にトマホークが持ち込まれることになれば、すでに弾道ミサイル迎撃システムを持つイージス艦を保有しているもと、敵基地攻撃能力をもって出撃することになり、名実ともにアメリカと一緒に戦争を仕掛ける側になります。さらに、京丹後市経ヶ岬の米軍Xバンドレーダー基地は「キルチェーン」と呼ばれる敵基地攻撃作戦を始める日米の要所です。
出撃拠点としての基地要塞化、それを守るために土地利用規制法で区域を指定して監視をする、これらが一体的にすすめられているのです。
■住民生活や地域へはどのような影響が考えられるでしょうか。
土地利用規制法にかかわっては指定区域周辺が調査対象になりました。基地周辺の住民や物事、行動が重点的に監視され、日ごろの調査情報を蓄積するのが狙いです。報道では指定区域に住んでいるだけでは処罰の対象にはならないとされる一方で、「阻害行為にあたれば処罰の対象になる」とされ、ではその阻害行為とは何かということについては明らかにされていません。自治体に問い合わせても自治体も分からないため、答えは返ってきません。
この間、府内各地の学習会でお話する機会がありますが、「知らない間に戦争の足音が身近なところまで来ていた」との感想が寄せられます。それよりも多いのが、どうなるのか分からない、調査といっても何を調べられるのか分からない、という不安です。
また、祝園弾薬庫増設とトマホーク保管の可能性があることに不安や怒りが広がっています。
■平和や核兵器廃絶への思い、また自治体職員や自治体労働組合へのメッセージがあれば教えてください。
4月の日米共同声明でも触れられましたが、日本はアメリカの「核の傘」を含む拡大抑止を強化する役割を果たすとして、すでに日常的に核爆撃機の飛来にあわせて訓練を行い、事実上「核使用の威嚇」に加担しています。これが憲法9条をもつ国、唯一の戦争被爆国の姿勢と言えるのでしょうか。このままアメリカと一緒に戦争する国になっていくのか、大きな岐路にあると思います。核による威嚇を許さない世論づくりが必要です。「抑止力」という考え方ではなく、核兵器禁止条約に日本が参加し、核を持たない・使わない等、核廃絶の先頭に立って世界に発信していくことが求められています。
予科練だった父から「戦争はダメだ」と小さいころから言われてきました。京都の大学に勤めることになり、そのなかで平和委員会と出会って活動を続けていますが、これまで取り組んできたことは何一つ間違っていないという信念と、自分の生き方として平和運動は続けていかないといけないという強い思いがあります。
自治体労働者の皆さんには住民の声を聞いて行政に生かし、住民を守る最後の砦としての自治体の姿勢を貫いてほしいと思います。平和が脅かされている今こそ、平和を求める国際世論と世界の人々、そして皆さんと一緒に力をあわせて行動して頑張りたいと思います。
京都自治労連 第2012号(2024年7月5日発行)より
「入院なんてしていられない」「入院させてもらえない」昨今。病気・ケガを問わず「通院」も共済金の支払い対象なのが組合の共済の大きなメリット。条件はどちらかひとつ。
- 骨折、脱臼、腱断裂(足指手指は除く)での治療
- 医師が5日以上の安静加療を要すと認めた場合
※もちろん5日以上の入院後の通院は支払い対象です。
※自治労連共済専用の診断書が必要です。
※詳細は所属の組合まで(組合で取り扱いの無いメニューもあります)
京都自治労連 第2012号(2024年7月5日発行)より
日時 ◆ 7月17日(水)18時30分〜
会場 ◆ ラボール京都4階第7会議室
講師 ◆ 片岡明さん(京都平和委員会理事長)
ZOOMでも参加できます
ミーティングID:858 0738 6918 パスコード:019286
主催 京都憲法共同センター
京都自治労連 第2012号(2024年7月5日発行)より
第3回地協単組代表者会議
日時:6月19日(水)14時〜
会場:ラボール京都 4階第7会議室+web併用
各単組から1名の出席を
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より
5月22日、24春闘の総括と24夏季闘争方針を確立する京都自治労連第211回中央委員会をラボール京都で開催し、委任状を含む26単組44人が参加しました。執行部提案を受けた討論では、8単組11人の中央委員が発言し、方針案を全会一致で確認・決定しました。また、中央委員会では京都総評・柳生剛志事務局長を講師に「24国民春闘の到達点と夏季闘争での公務公共労働者への期待」と題した学習会を行いました。
職場を基礎に要求運動ひろげて
開会あいさつで福島功委員長は、「人事院勧告での物価高騰を上回る賃上げ実現が最大の焦点。給与制度のアップデートの課題は当事者の私たちを置き去りにして議論されている。署名をはじめ職場からの運動を広げることが重要」と強調し、続けて「国会で審議中の地方自治法改正法案は国と地方のあり方を変え、憲法と地方自治を破壊するもの」と厳しく批判しました。
また、組織拡大の課題にも触れ、自治労連共済の魅力と関心の高まり、対話を通じた粘り強い取り組みなど各単組での経験や教訓を紹介しながら、6月末までの組織拡大集中期間でのお互いの奮闘を呼びかけました。
官民共同の賃上げサイクルを
夏季闘争方針案について竹村義明書記次長は、(1)官民共同の運動で物価高騰を上回るすべての労働者の賃上げ、(2)全単組で夏季要求書を提出・交渉で自治体に働く労働者の賃金・労働条件の改善、(3)に改憲・大軍拡阻止、(4)に地方自治体の自主性・自立性を侵害する「地方自治法改正法案」反対、(5)組合員拡大と自治労連共済拡大を全単組で推進する、など9つの主要課題を提案しました。
24春闘の到達は、生活改善につながる賃金要求とストライキを背景にした粘り強い交渉の積み重ねで昨年を上回る賃上げ回答を引き出しています。民間労組での賃上げ・処遇改善の奮闘を官民共同での賃上げサイクルとして8月の人事院勧告で正確に反映させる運動が重要です。そのためにも、人事院総裁宛の24人勧署名と京都労働局長宛の最賃署名の2つを重点的に取り組みましょう。
仲間を増やしてさらに要求前進を
6月末には会計年度任用職員への勤勉手当が初めて支給されます。"3Tアクション"をはじめ、当事者自らが声を上げて勝ち取ってきた到達を確信に、新しい仲間を組合に迎えてさらに要求を前進させましょう。
討論発言一部を紹介します。
府職労連:H中央委員
久しぶりとなったリアルでの組合説明会で組合の役割や成果を押し出し、先輩組合員とのグループ交流では組合の奮闘に共感が広がった。支部説明会でも「困ったときに味方になってくれることは心強い」との声も寄せられている。新歓参加の新採との対話で加入につなげたが、新採一人ひとりとの対話を軸に共済の話題も交えながら、反応や感触を共有して組織拡大に取り組んでいく。夏季交渉での職場要求にも加わってもらい、組合の役割や存在を示していく。
与謝野町職:I中央委員
年末要求での到達をふまえ、年休取得率が低い実態の改善に当局から取得向上の周知を行ってもらった。この間、災害応急作業等手当の支給を求めてきたが、6月議会で条例化される見込みで要求前進につながっている。
新採拡大では全員加入を達成したが、加入してもらうだけでなく、その後のフォローも大事にしたい。5月下旬に能登震災ボランティアに執行部で取り組む予定。機関紙のデジタル版を検討してほしい。
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より
5月1日メーデーの京都自治労連デコレーション・プラカード・横断幕写真コンクールに12単組2支部から応募がありました。どの応募作品も創意工夫され、職場要求をあつめ、プラカード等に思いを込めた元気がもらえるものでした。第211回中央委員会で審査結果の発表・表彰を行いました。
【最優秀賞】長岡京市非常勤職員労組
「学童ブギウギ」のパフォーマンスも披露
【優秀賞】大山崎町職
仮装に加えて川柳で要求アピール
【優秀賞】宇治市非常勤職員労組
放送中の大河ドラマを模して絵巻に要求ずらり
【入賞】南山城村職、宇治市職労、綾部市職労
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より
今月号が組合員のみなさんの手に届く頃には、参議院に論戦の場が移っている地方自治法改正法案。衆議院段階で早々と修正され、附帯決議がついたとはいえ、法案は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生(又はおそれがある場合)」という非常に曖昧な要件で、国が自治体に「指示」することが可能になり、地方自治の本旨から団体自治が認められている現在の「対等・協力」関係が、戦前のような「上下・主従」関係に変質させられることであり、その本質は変わっていない。
政府は大規模な災害や感染症などを改正根拠として挙げているが、コロナや災害で被害が拡大したのは、国に「指示」権がなかったからではなく、国の号令の下、保健所や土木事務所が統廃合され職員を減らしてきたからであり、自治体職員を増やすことこそ求められる。
歴史を逆戻りさせてはならない。企業・団体献金で政治を歪め「戦争する国づくり」にひた走る自民党政治にストップをの声を今こそ大きく広げようではないか。
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より
京都は伝統工芸をはじめ高い技術力を有する「ものづくり」企業がたくさんあります。京都府は、これら企業の支援と技術継承を目的に、京都府中小企業技術センター(以下センター)を設置して企業支援にあたっています。
今回このセンターで働くBさんにセンターでの仕事とやりがいについて話しを聞きました。
連日多くの製品が企業から持ち込まれる
「私たちの仕事のひとつは、企業から持ち込まれる製品や部品、試作品を、検査、測定、分析することです」とサラッと話すBさん。聞けば複雑な計測器と高度な知識がないとできない内容です。Bさんが担当している電気部門では、電気製品発売にあたって、製品から発生する電磁波などを基準以下に抑えるための測定試験や検査を行います。使われる試験器は、実際に高電圧をあてるものから、「電波暗室」という密閉された空間に製品を設置して操作を遠隔で行うものまで様々で、測定器を使う側も高度な技術と知識を要します。
センターで取り扱う分野は広範で、例えば製品の表面の粗さをミクロン単位で測定するものから、レーザーやレントゲンを当てての非破壊検査(製品に応力や打撃を与えず製品の強度などを検査するもの)、中には食品などの検査・分析を行う部門もあります。「近畿圏ではここにしかない測定器もありますから、京都だけでなく大阪や滋賀など他府県からの依頼にも対応します」とBさん。担当分野でも週2件から5件の依頼を受けて、それぞれ検査・分析結果を企業に返していきます。「いい製品を作りたい」「国の承認試験を問題なく通過させたい」という企業の熱いおもいを感じる時が同じ技術者としてうれしい瞬間と話します。
分野ごとの研究会運営やセミナー開催で下支え
Bさんらセンター職員の多くが、専門分野の研究会やセミナー、技術交流会などの開催で企業を下支えしています。「技術のセミナーや研究会ですから、参加者の獲得目標は高くシビアですね」と、会議やセミナー開催など企画づくりや開催事務・運営の苦労を話します。
「コロナ禍以降、オンライン開催で参加者が増えた分野もあります。オンラインの会議・セミナーは、その準備や運営など別の大変さがありますね」とBさんは笑います。あわせて、企業だけでなく大学の研究機関などとも連携して進める大変さも話してくれました。
京都の「ものづくり」応援していきたい
Bさんは工学博士号を持っています。「大学ではレーザー技術の研究に没頭していまして…」と博士号取得に照れ笑い。就職を考えた時に京都府の募集に魅かれたと言います。「技術面で企業を支え、京都の『ものづくり』技術向上と発展に関わりたいと思いました」と振り返ります。
就職後3年は舞鶴の港湾局に配属され"技術"から離れた仕事をしていました。「京都府職員としての業務をしっかり勉強させてもらったと思っています」と前向き。センターに配属されてからも、大学で学んだ専門分野ばかりではありませんが、測定機器の使い方をはじめ、前任者からの引き継ぎ、分野ごとの意見交換など職員同士の連携で、しっかりと企業対応ができていると言います。「なにより、企業からの相談や検査・測定結果からのアドバイスなど製品作りを支援できているのがうれしいです」とBさん。技術者としても、府職員としても、今の仕事にやりがいを感じています。
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より
団体自治を侵害
今国会で私たち自治体職員の働き方に大きく関わる「地方自治法改正法案」が審議されています。
日本国憲法は地方自治を憲法上の制度として保障しています。地方自治は、中央集権の弊害を抑制して人権侵害を防ぐための重要なシステムです。ところが、改正法案は、国による地方自治体への「指示権」を認めることにより、自治体の方針に反して自治事務に容易に介入する権限を国に与えようとしています。これは、国と地方の「対等・協力」の関係を崩し、自治体の自主性・自立性を奪い、団体自治を侵害するものです。
政府は、新型コロナや災害で想定外のことが起き、緊急に対応する際に国と地方の関係が曖昧では混乱するため、国が地方を指示する権限を入れると法改正の趣旨を説明しています。しかし、感染症で緊急対応が必要なら感染症法で、災害で必要なら災害救助法で、国の指示権を限定的に認める個別法の改正で可能なはずです。改正法案は、政府に独裁的権限を付与するもので、地方自治だけではなく、国民主権や立法権までもが侵害されることにつながりかねません。
また、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、または発生するおそれ」との規定は、感染症や災害だけではなく、武力攻撃やテロも除外していません。「おそれ」がありさえすれば、国の判断で指示権が認められる何でもありの内容で、その判断に国会承認も事後報告も必要ありません。
戦前・戦時に戻る危険性
さらに自治体職員に対して、出動する自衛隊のために通行路を空ける措置や、市役所でミサイル攻撃に備える措置を講じるよう一方的に指示することなどができます。
このように改正法案は、平和主義の観点からも重大な問題があり、国民を戦時体制に組み入れる危険性をはらんでいると言えます。
戦後、自治体労働者は「二度と赤紙を配らない」と一貫して戦争と、戦争への協力に反対してきました。戦争する国づくりにつながる地方自治法改正法案に反対です。
京都自治労連 第2011号(2024年6月5日発行)より