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全国各地で生産される日本茶の中でも、味、品質で宇治茶は誰もが認めるトップブランドです。府内で山城地域を中心に多くの宇治茶が生産されています。宇治市では課の名前を「農林茶業課」として、茶業支援に力を入れています。今回はこの農林茶業課の農政茶業係のCさんとDさんにお話を伺いました。
自ら現場に出て経験し
生産者の思いを行政に
「宇治茶の中でも宇治市内産宇治茶は魅力にあふれています」と力強く話すCさん。毎年行われる全国茶品評会のてん茶の部で、宇治市は産地賞を通算53回も受賞しており、市内産宇治茶の名声は業界内に轟いています。Cさんは市内産宇治茶の特長は「覆下栽培」と「手摘み」という伝統的な栽培方法にあるといいます。新芽の時期に黒い布(寒冷紗)で覆われた茶園の中で、茶葉を一葉一葉丁寧に手で摘んでいく作業は想像以上に手間がかかります。市の補助事業も茶業に特化し、高品質茶生産を支援するものが多く、また「お茶摘みバンク」(茶農家に人材を紹介する制度)を開設するなどして人的支援にもあたっています。Dさんは「寒冷紗で茶園が覆われている下での作業のためお茶摘みさんがどんなことをしているのかわかりづらいので、お茶摘みのイベントを開催し、お茶摘みさんになってもらえるような取り組みも実施しています」と話してくれました。
技術面では、宇治茶手もみ製茶法など製造過程で必要な技術の習得・継承を目的に、各茶業関係団体の主催する講習会や研究会などを積極的に支援・PRして茶業者を支援しています。Cさんは、昨年7月には自ら宇治茶製法技術保存協会の主催する「手もみ製茶技術研修会」に参加しその様子を市のHPで報告。「おいしいお茶を作るのにかなりの時間と労力をかけていることがわかり、あらためて、宇治茶手もみ製茶技術を守り続けている保存協会の皆さまには、頭が下がる思いでいっぱいです」と感想を述べています。
多くの人に市内産宇治茶の
良さを知ってもらいたい
茶業者がこれだけ伝統と品質にこだわって生産していても、まだまだ市内産宇治茶の魅力が知られていないと、様々なイベントに出展して市内産宇治茶をPRしてきました。令和6年度からは市のHPに「市内産宇治茶PR動画」をアップ。Cさんは「イベントを通じて、市内産宇治茶を味わっていただいたときの『美味しい!なにこれ?』と美味しさに触れていただいた瞬間に一番のやりがいを感じます」。Dさんも「観光振興課と『光る君へ宇治大河ドラマ展』のPR等で宇治市内産の宇治茶をふるまうことが多く、飲んでいただいいたときの『おいしい』という率直な感想が聞けるのがうれしい」と二人から笑みがこぼれます。
お茶摘みさんの高齢化
人材不足は深刻
Cさんは農林茶業課農政茶業係でお茶に関わって6年目。配属された当時は「お茶の銘柄に『宇治茶』というのがある」程度の知識でしたが、徐々に市内産宇治茶の魅力に惹かれ、今年4月に日本茶インストラクターの資格を取得するほどのお茶好きになりました。
Dさんは今年4月の異動でCさんと同じ係になりました。この係を担当して改めて宇治茶の素晴らしさを実感しているといいます。「先輩が点てる抹茶の美しさに魅了され、今では毎朝抹茶を点てています」とDさん。毎朝点てたお茶を写メで記録し、同じく毎日抹茶を点てて記録しているCさんのお茶と比較しています。これは農政茶業係の「伝統」になっていくかもしれません。
歴史ある市内産宇治茶ですが、いま、お茶摘みさんの高齢化と人材不足が急速に進んでいるとCさんは憂います。様々な課題に「市内産宇治茶には思い入れがあります。生産者に寄り添った行政支援をしたい」とCさん。Dさんも「市内産宇治茶のおいしさを知ってほしい。まずは役所で試飲会を開いて職員の皆さんに知ってもらいたい」と、二人の思いは尽きません。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
7月25日、中央最低賃金審議会は2024年度の最低賃金の引き上げ目安額を答申しました。全地域で「50円」の引き上げ、全国加重平均で現行の1004円から1054円とする内容です。しかし、この水準では物価高騰から暮らしを守ることはできず、生活改善にもつながりません。
答申では、「頻繁に購入」する品目の物価高騰の水準をふまえて5%(50円)の引き上げが適当だとしましたが、物価高騰を後追いするのみで最低賃金に近い労働者の生活改善には程遠いと言わざるを得ません。京都自治労連24春闘アンケートで非正規職員の「生活が苦しい」との回答が57%に及ぶ実態からも、今回の引き上げ目安額ではまったく足りません。
仮に目安通りとなれば、現行の最低額893円(岩手県)と最高額1113円(東京都)の差額220円はこれまでと変わらず、格差縮小には至っていません。京都をはじめ、全国各地でとりくまれた最低生計費資産調査で「全国どこでも時給1500円以上は必要」と明らかにされてきたことからも、地域間格差は直ちに解消する課題です。
今すぐ1500円に
京都総評は、7月10日に「最低賃金1500円への引き上げによる経済波及効果」について記者会見を行い、「京都府内の最低賃金を1500円に引き上げることによって、京都府の企業や事業所などの生産は1655億円増加し、雇用は1万4884人増大する」との試算結果を発表しました。また、2018年に行った最低生計費試算調査を基に、この間の物価高騰を反映した補正調査では「京都市内で普通に生活するには時給1700円以上が必要」と指摘しています。
京都自治労連は、この間、京都府内で地域手当不支給自治体の高卒初任給が時給換算で最賃割れとなる実態を改善すべき課題として取り上げてきました。また、非正規職員の賃金が最賃改定のたびに下回り、その都度最賃ギリギリの金額に改定される問題を指摘し、安心して働き、暮らせる賃金への改善を訴えてきました。
最低賃金は中央の目安額を参考に地方審議会で議論されます。「今すぐ1500円」「全国一律の最賃」の声と運動を広げましょう。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
縁の下の力持ちで町の発展を支えたい
伊根町職 Eさん、Fさん
会計年度任用職員として5年近く伊根町の観光業を見てきたEさん。もっと伊根町にかかわっていきたいと4月から正規採用され、企画観光課でがんばっています。「覚えることがいっぱいあって大変ですが、やりがいがあります」と町の商工業全体をサポートする仕事に手ごたえを感じている様子です。
「いねばん」(=電子回覧板)はじめ住民や地域産業に対して、様々な行政サービスにアプローチしている伊根町役場に魅力を感じ、採用試験を受けたFさん。地域整備課で農林水産係を担当しています。「来月、漁業者の皆さんと人工漁礁の設置に海に出ます」と産業振興の仕事に関われて嬉しそうです。「担当の業務はありますが、なんでもやらないと!」とFさんの言葉にEさんもうなずきました。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
7月20日、21日と神奈川県横浜市で「第66回自治体学校」が開催されました。京都自治労連からは、3単組12人(現地参加5人、Zoom参加7人)が参加し、地方自治の大切さを学び交流しました。
基調講演は、中山徹自治体問題研究所理事長(奈良女子大学名誉教授)が行いました。岸田政権のもと、戦争できる国づくりが進められ、国の「補充的指示権」を盛り込んだ地方自治法改正など分権から集権化が進められていること、自治体でも国の政策を無批判に受け入れることに警鐘を鳴らしました。また、いま求められているのは「自治と公共性の再生」にあることをわかりやすくユーモアを交えながら話されました。
記念講演は、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、ガザやシリア、陸前高田市など紛争地や被災地での取材を写真で様子を伝えながら話され、戦争の悲惨さや理不尽さと人々の連帯の必要性が伝わってきました。
2日目は、分科会や講座など14に分かれた学習と交流が行われ、全国から720人を超える参加者がありました。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
「第17回地方自治研究全国集会」が10月5日、6日に愛知県名古屋市で開催されます。
伊藤真氏(弁護士・伊藤塾塾長)の記念講演、職場や地域・社会課題をテーマに15の分科会・講座等が企画されています。
とき:10月5日(土)、6日(日)
ところ:名古屋国際会議場
申込/参加費用:所属の組合役員または組合書記局までお問い合わせください。
申込締切:9月6日(金)
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
9月13日(金)10:00〜
ラボールホール
今年の大会のポイントは次の4点です。
- 公務公共サービスの拡充のため、予算人員闘争や長時間労働規制の推進、「給与制度のアップデート」に対抗する運動の推進、会計年度任用職員の雇用の安定など安心して働き続けられる職場づくりに取り組むこと。
- 誰もが安心して住み続けられる憲法が生きる地域・自治体づくりをめざして、職場からの自治研活動を強めるとともに、首長選挙を通じて要求実現のために地方政治革新を勝ち取ること。
- 一人ひとりの組合員が主人公を貫き、単組活動の強化、正規・非正規労働者の組織拡大、次の担い手づくり、ジェンダー平等推進などに取り組むこと。
- 「戦争する国づくり」を許さず、総選挙と2025年参議院選挙で私たちの要求を実現する政治への転換を図ること。
組合員の旺盛な議論で豊かな方針をつくりましょう。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
趣味や特技、推し活など含めて組合員の魅力を紹介する新シリーズがスタート。(隔月予定)
知らないことを知りたくなる
保育士として入庁後、一昨年まで保育園に勤務、現在は子ども家庭課で児童虐待や保護者・学校・子どもからの相談等を担当するGさん。
「趣味ですか。挙げればキリがないですよ(笑)」。車、バイク、畑(家庭菜園)、DIY、旅行…本当に次々と出てきます。「あとは仕事にも関係しますが、ライフワークのひとつとして遊び歌作家の方々に同行して全国各地の保育園でのライブや親子コンサートも手伝っています。自分の学びにもつながって楽しいです」。
そのなかで一番は?と聞くと、「昔から車やバイクは好きでしたね。保育中に子どもたちと車の話題で盛り上がることもあって、子どもが『軽トラかっこいい』と言えば、『ほんなら先生軽トラ買うわ』とノリで言ってみたり」。実は本当に軽トラを買ったというのだから驚き。
「知らないことを知りたくなる性格なんです。これって自分で出来ないのかな、と。DIYも畑もそう思ったひとつ」と言います。「畑は知り合いが場所を貸してくれたことがきっかけ。保育の年長クラスで野菜を育てた事があり、『家でも出来るやん』とやり始めたら面白くて」と今はトウモロコシやきゅうり、トマトなどを育てています。悩みはスイカがうまく育たないこと。
古民家DIYに挑戦したい
「やっぱり一番は決めきれないなぁ(笑)。やりたいことをいっぱい作って、出来る時にやっていく。それに趣味なんてチャレンジして失敗しても誰にも怒られないですから」と深みのある言葉が返ってきます。
あえて今後チャレンジしたいことを聞くと、「いつになったらスイカが出来るのかなって(笑)」。笑い合っていると、「あ、古民家でDIY計画をやってみたいです。みんなが集まれる場所としても楽しいでしょうし、週末は田舎暮らしという二拠点生活も憧れちゃいますね。思い出させてくれてありがとうございます(笑)」。
それにしても、どれも手を抜いていないところが凄い。ジャンル様々、多種多彩。バイタリティーあふれすぎでは。ひとまず良い古民家物件をご存知の方はぜひ紹介してあげてほしい。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
7月6日、5年ぶりとなる「地引網体験&バーベキュー」を舞鶴市の神崎海水浴場で開催し、9単組71人が参加しました。
地引網体験では、約30分かけて引き寄せた網にたくさんの魚が。参加者から大きな歓声が上がりました。魚はその場で焼いて食べ、新鮮な海の幸を堪能しました。
恒例の、北部の単組が厳選した名産品や銘菓が当たる大抽選会も盛況でした。
「なかなかできない経験ができ、子どもも楽しめた」との感想が寄せられました。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
今号より図書館司書の仲間から"イチオシ"の書籍紹介コーナーを設けます。(隔月予定)
あなたは、死にたいと思ったことがありますか?
本書は、著者が16歳で飛び降り自殺をはかり、頚髄を損傷し車いす生活となった経緯と自立するまでが赤裸々に書かれています。
自殺に至った原因の一つは、複雑な家庭環境。家族関係の大切さを痛感するとともに、彼女にどこか安らげる居場所さえあれば死にたいと思わなかったのではないだろうか。私たちの図書館も誰かの居場所となれるように努めなくてはと感じました。文芸部の先生の詩「病室に窓はありますか 心の窓は開いていますか 心の窓を開きましょう」に強く心打たれました。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
"それ"も手術見舞金の支払い対象です
健康診断で胃にポリープが見つかり内視鏡手術。入院扱いではないし、通院に必要な安静加療要件もありません。でも、「手術見舞金特約」にご加入の方は、共済金の支払い対象です。
会計の詳細に記載がある診療報酬が3000点以上の手術に対して共済金が支払われます。もちろん、診断書補助も出ますので、安心して請求してください。
※詳細は所属の組合まで(組合で取り扱いの無いメニューもあります)
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より