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漠然とした夢を鮮明にさせた放射線技師に憧れて
京都中部総合医療センター職組 Dさん
神守悠介執行委員長より「期待の新人」と紹介されたDさんは、神守委員長と同じ職場で診療放射線技師として働いています。
京都自治労連青年部の新採歓迎企画「スプリングフェスタ」に神守委員長と一緒に参加して「いろんな人と話せる機会があるのは楽しい」と組合に加入。
幼少期に医者にかかることがよくあり、「医療関係の仕事に就きたい」という漠然とした将来の夢がありました。その夢を鮮明にさせたのは、高校生のときに手術で入院した際に優しく励ましてくれた放射線技師の存在でした。どんな仕事なのかと調べていくうちに興味が湧き、その夢を叶えて今に至ります。
「レントゲン撮影の後、患者さんからの『ありがとう』の言葉が働きがいです」
京都自治労連 第2014号(2024年9月5日発行)より
8月25日・26日、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で自治労連第46回定期大会が開催されました。今回から2日間に短縮された大会は、この1年の取り組みや運動方針案に対する討論時間を保障しながら、誰もが参加しやすい活動をめざしたジェンダー平等推進を実践するものに。
討論では、組合員拡大・組織強化を中心に、会計年度任用職員の処遇改善、憲法闘争や公共を住民と地域に取りもどす運動、24秋季年末闘争での職場要求前進の取り組みなど全国各地の様々な経験や決意が語られました。
8月24日には補助組織・部会の大会や総会が開催され、京都自治労連から多くの組合員が参加しました。
京都自治労連 第2014号(2024年9月5日発行)より
8月4日〜6日、「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を」をテーマに広島市で開催された原水爆禁止2024年世界大会に京都自治労連から3単組6人が参加しました。
「核兵器禁止条約を力に、世論と運動をさらに発展させ、核廃絶への展望をきりひらく」とする国際会議宣言の採択をはじめ、6日のヒロシマデー集会では「非核と平和を一体に草の根からの学習、対話、行動」が呼びかけられました。
参加者からの感想
府職労連 Eさん
来年は被爆80年。被爆者の平均年齢は85歳を超え、今後ますます被爆体験の継承、語り部の育成が重要です。4歳で被爆された三戸さんは、倒壊した家屋の下敷きになり大けがを負いながらも家族に助け出され、避難途中の凄惨な光景を振り返り、声を震わせ「ただただ地獄でした」と証言されました。
言葉にするのもつらい記憶の中で「自分たちを最後の被爆者に」「生きているうちに核兵器廃絶を」と活動されている姿を目の当たりにして、胸を締め付けられながら、今この時だからこそ広島に来て良かったと感じました。私は、少しずつでも核の非人道性を伝えていきたいと思います。
京都市職労 Fさん
福祉や医療、教育などの予算を削減し、軍事費の拡大が進んでいます。もっと一人ひとりの個人の尊厳について見つめなおしていく大切さを実感しています。軍事力の拡大により地球環境の破壊につながっていることから、次世代の豊かな地球を残すためにも社会について多様な視点から知ることが大切です。
人々の尊い生活に核兵器が及ぼす影響を想像すると心苦しいですが、同時に、原水爆禁止世界大会では、被爆者の語りや「国民平和大行進」の活動、世界中の人々の平和への訴えを聞くことができ、個人の尊厳が大切にされる社会の実現に向けて希望を感じることができる貴重な経験になりました。
京都自治労連 第2014号(2024年9月5日発行)より
まつばら・とよひこ=
立命館大学・食マネジメント学部 食マネジメント学科教授。カナダ農業を中心に現代農業問題を研究。食糧問題への関心から大阪市立大学経済学部で農業経済学を学び、78年卒業後、京大大学院へ。カナダの農業問題を手がけ、宮城学院女子大を経て89年から立命館大学へ。
農業・農協問題研究所の理事を務めている。
「地産地消」など地域内循環を作り、点から面へとつなげ、広げる
現在米不足により店頭からお米がなくなり、手に入らない。原材料の高騰から食品の値上げが次々とされ、家計に大きな影響が出ているなど、いま私たちの生活に欠かすことができない食料を取り巻く環境が大きく変化しています。今回は、日本の農業の現状と、政府や自治体にいま何が求められているのか、また地域ですすむ新たな取り組みについて、立命館大学・食マネジメント学部教授の松原豊彦さんに聞きました。
■米不足がいま問題になっていますが、なぜこのような事態になっているのでしょうか。原因を教えてください。
今の米不足の直接的な原因は、昨年の猛暑です。米の開花時期に気温が高かったため、実が入らず、主食である一等米の収穫に大きな影響が出てしまいました。収穫量が減り、加工用の米さえ足りなくなっています。また、異常気象が原因ではありますが、そもそも国が1971年から2018年の長期間にわたって進めてきた「減反(げんたん)政策」が大きく影響していると言えます。国は減反政策により、農家に米ではなく他の農作物を作らせ米の生産を抑制してきました。現場でその減反政策を担わされてきたのは、自治体やJAです。米の在庫が少しずつ減ってきていたところに、猛暑による影響で一気に底をつき、今回の米不足になりました。
異常気象が当たり前になりつつある今、暑さに強い品種改良などにも取り組んでいますが、米作の時給が10円とも言われる現状を、農家が安心して米を作れる環境へと転換していかなければ、今後も米不足は起こります。
■「食料・農業・農村基本法」が今年改正されましたが、このことは日本の農業にとって期待できることなのでしょうか。
日本はWTO(世界貿易機関と称される国際機関)に加盟して、米以外の作物の輸入自由化を行ってきました。1999年に「食料・農業・農村基本法」を制定し、それまで国が行っていた農産物や酪農に関する価格支持(ベースとなる価格を政府が決めること)をすべて廃止しました。これが基本法の最大の間違いで、これにより農作物の価格は市場の需要と供給によって変動するようになりました。アメリカでは、政府が価格支持を行い、農産物の価格がベースを下回る場合は国が買い上げて最低価格保証をし、コストを割るような価格低下には「不足払い」としてコストの8〜9割を国が保障して農家を守ります。日本にはそのような農家を守る制度がありません。
今年、政府は基本法を改正しました。2020年ころから世界的な気候変動やロシアのウクライナ侵攻などの影響で、海外の穀物価格が高騰しました。今までのように安い穀物が輸入できなくなり、食料自給率が低く、輸入に頼ってきた日本で、国策として国民の食料供給をどのように安定的に確保するのか(食料安全保障)などを名目に法改正がされました。
また、農業にかかる資材や経費も高騰していますが、農家は農作物の価格を決めることができず、生産にかかる経費を価格に転嫁することができません。価格転嫁のしくみを作ることを可能とする今回の改正ですが、現状は加工業者や小売業者に価格転嫁をお願いするしかないという弱い立場で、実効性も低い内容です。食料安全保障として政府が行うべきことは、食糧難に備えて芋づくりの強制などではなく、国内の農業生産基盤(農地と労働力)の立て直しが一番重要なことです。
今回の改正に、農業の発展や食料自給率の向上のための具体策は含まれておらず、期待できるものになっていません。
■日本の農業や食料のことを考えるうえで、自治体ができること、やるべきことはどのようなことですか。
安心して農業ができる環境整備は、食料安全保障の観点からも、農業従事者の平均年齢が約70歳という現状から新たな新規就農者を育成する観点からも喫緊の課題です。
具体的な取り組みとして、滋賀県守山市の「もりやま食のまちづくりプロジェクト」を紹介します。大学からの提案で始まった、生産から消費までを一体のものとして考えるプロジェクトで、生産者、加工・流通業者、商工会議所、学校給食、地域の子育て支援団体など多様な分野の団体が参加しており、事務局を守山市が担います。新たな地域ブランド野菜の開発や、学生が地域の果物を使ったスイーツのレシピを考案するなど、農業で人や地域をつなげることや、新たな就農者の支援にも力を入れています。
全国でも、「地域おこし」の取り組みは進んでいます。今はそれぞれの地域で展開されている取り組みを、点から線につなげ、面へと広げることを、自治体が積極的に担うことを期待しています。
京都自治労連 第2014号(2024年9月5日発行)より
台風で被害に遭われた皆さまへ
台風10号で被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。自治労連共済の組織共済、火災共済では、自然災害に対して見舞金をお支払いする制度があります。
- 組織共済(組合で一括加入している慶弔見舞金祝金制度)
組合員の居住建物本体に被害が出た場合、被害程度に応じた見舞金(必要書類…罹災証明書)
※本人・配偶者ともに組合員の場合、それぞれ支払われます。 - 火災共済
契約物件の建物と付属設備に被害が出た場合、被害程度に応じた見舞金(必要書類…罹災証明書、修繕見積り、写真など)
京都自治労連 第2014号(2024年9月5日発行)より
京都自治労連 秋季年末闘争学習会
日程:9月14日(土)10:00〜12:00 オンライン
テーマ:
・給与制度のアップデート
・会計年度任用職員の公募要件見直し
講師:嶋林 弘一さん(自治労連賃金権利局長)
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
24春の組織拡大集中期間は「仲間が増えれば職場も組合も元気に」をスローガンに、各単組の奮闘でこれまでに新規採用者を中心に200名をこえる新しい仲間を組合に迎えています。今回は京都府職労と京都市職労での仲間づくりの取り組みを紹介します。
京都府職労
寄り添う対話で組合員拡大へ
お話を伺ったのは府職労本部執行委員のAさんと青年部長のBさん。この間、2人はそれぞれに交流企画やライフサポートセミナーに参加された未加入者との対話を重ねて加入に結びつけてきました。
とはいえ、実際に一対一も含めて"対話"に踏み出すことは容易ではありません。「府職労では未加入者への声かけリストを作って状況を共有しています。対話につながった報告を聞くと嬉しいし、自分も頑張ろうと力をもらえる。"みんなで"と、後押ししてくれる先輩や仲間が心強い」とBさん。「チームで動くことは大事ですね」とAさんもうなずきます。
2人が対話の中で大切にしていることは、話しやすい環境やシチュエーション。そのためのアポ取りも欠かせません。「対話の中では相手のことが知りたいと興味を持って、職場状況や要求をくみ取ることを意識しています」とAさんが言うと、「相手の話を否定せず、共感することを心がけています」とBさん。
「労働環境を維持・改善していく上で組合の力は大切です。その原動力は組合員の数。だからこそ1人でも多くの方に組合に加入してほしい」(Bさん)、「働きがいがあっても長時間労働など仕事を続けることが困難な職場実態、なかには心が病んで退職する青年が増えています。その現状を変えて働き続けられる職場づくりのために組合を大きくしたい」(Aさん)と組合員拡大への力がこもります。
「組合活動を楽しみながら仲間を増やして一緒に学びあっていきたい」「先輩組合員のサポート無しでも加入につながる対話スキルを磨いていきたい」と、対話に重点をおいた仲間づくりへのチャレンジは続きます。
京都市職労
活動の悩み出し合い実践のヒントに
京都市職労は7月12日に組織集会を開催。目的は、組織の強化や拡大における課題、悩みを出し合い、効果的な取り組みや教訓を共有すること。あわせて参加者がお互いにアドバイスしあうことで、支部活動に活かせるものを得ることです。
テーマ(1)は、「未加入者へのアプローチを考える」として、春の組織拡大月間での支部の奮闘や、一対一の対話の重要性など教訓的な経験を共有。一方で、十分な働きかけができていないこと、働きかけるためのツールとして、親しみやすい印象で加入を呼びかけるビラの作成など活動の実践的なヒントが得られるものとなりました。
テーマ(2)は、焦眉の課題である「どうして"脱退"してしまうのか」を議論。「脱退」の背景や理由を深掘りし、組織強化と一体に改善の糸口をつかむことを目標としました。日常から役員と組合員との関係づくりの重要性を確認しました。
テーマ(3)は、「組合員のためになっていない労働組合とは?」を議論。労働組合の役割や意義を確信にするために、「組合員のためになっていない」状態の要因などを逆説的に分析、改善の道筋について深めました。
テーマ(4)は、「一人ひとりの力が活かせる組合活動のあり方を考える」として、それぞれが役員を引き受けてきた経過を振り返り、協力者への声かけのヒントを出し合いました。
参加者からは「一人ひとりの組合員の意見や思いを聞いて、組合員の主体性を発揮した組合活動が『お客様』にさせない上で大事だと思った」と感想が寄せられました。
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
民間と共同した取り組み
9月・10月に予定される京都市・京都府の人事委員会勧告にむけて、7月17日に京都市役所、18日に京都府庁で大幅賃上げを求める官民共同の宣伝行動を行いました。
民間労働組合から、「今春闘は昨年を上回る賃上げ。公務でも大幅賃上げを」「地域住民の生活と権利を守るのが自治体職員。賃金も人員も増やそう」「中小企業は賃上げ分を価格転嫁できていない。公務員の大幅賃上げは25春闘への期待と希望」など公務労働者の賃上げに期待とエールが寄せられました。
学習を基礎に要求実現を
人事院勧告の内容が掲載された『自治体の仲間』号外や京都自治労連が作成する秋季年末闘争討議資料などを活用して、単組・支部・分会等で人勧学習会を開催しましょう。今年は「給与制度のアップデート」により、制度が大きく変わる可能性があります。内容をしっかり学習し、年末確定闘争に向けて取り組みを強化しましょう。
また、国の期間業務職員の3年公募要件が撤廃されたことを受け、総務省の会計年度任用職員マニュアルも改正されました。各自治体の規則や要項も改正させ、雇用の安定を実現しましょう。
24人事院勧告オンライン学習会
8/21(水)18:00〜19:30
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より
新型コロナの感染が広がっている。5類移行後の定点観測では11週連続で前週を上回っており、第11波の到来と言われている。今回はこれまで以上に感染力の高い「KP・3」という変異株が主流となり、猛暑を避けるため室内を閉め切っていることも流行に拍車をかけているようだ。
病院や介護施設などでもクラスターが発生する事態となっている。コロナに効く薬も高額で利用をためらう患者さんがいるとのこと。他の感染症の流行も相まって、解熱剤や咳止めなどの市販薬が店頭で品薄になっているようで、医者にかからず市販薬で済ます受診控えが広がっている。猛暑で体力が低下し、免疫力が弱まる人や熱中症にかかる人が増えている中、特に高齢者は深刻だ。いのちを守るためにコロナ感染で重症化の危険を回避するために自己負担軽減策が緊急に求められている。
軍拡のために使うお金があったら、コロナ感染者や災害被災者に回す、そんな国民本位の政治への転換がどうしても必要だと、改めて痛感した。(F)
京都自治労連 第2013号(2024年8月5日発行)より