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2月23・24日、「第27回自治体保育労働者の全国集会」が西陣織会館(京都市上京区)で開催されました。2日間でのべ850人を超える参加者があり、1日目の全体会では、記念講演や基調報告に続いて文化企画としてプロの噺家による落語もあり、集会は明るい笑い声に包まれました。
2日目は、5つの分科会と3つの講座が行われ、どの会場も全国の保育現場の経験や悩みなども交流し、聞いて、学んで、語って、元気が出る集会となりました。
幸せになるため、声を上げよう
集会のオープニングは、京都市職労保育士の『チャイルドロック』によるヒップホップダンスで幕が開きました。
記念講演は、西郷南海子さん(安保関連法に反対するママの会・発起人)が、「ママが子どもの未来にできること」と題して講演。西郷さんは、学生出産を経て3児の母親。その経験にも触れながら、「子どもの権利を守るには、行動することでしか実現できない」「保育士が大切にされる世の中へ、子どもも大人も幸せになるために声を上げていこう」と呼びかけました。
質をおざなり―政府の保育政策
基調報告を行った全国実行委員会事務局長の武藤貴子さんは、保育情勢について触れ、「幼児教育・保育の無償化」は本来歓迎すべきだが、国が進めようとする内容は、貧富による格差の拡大や公立保育所がなくなる危険性、待機児童の増加が予想できる問題点があることを指摘。またこの間、発生している保育士の一斉退職などの問題は、「保育の質をおざなりにしてきた安倍政権に責任がある」と政府の責任を厳しく追及し、「保護者・市民との共同広げ、公的保育制度の堅持・充実を勝ち取ろう」と呼びかけました。
参加者が楽しみにしていた文化企画では、米朝事務所所属の落語家・桂米二さん、桂弥太郎さんが登場し、味わいのある語りで参加者は爆笑の連続、大いに楽しみました。
来年の同集会は、北九州市で開催されます。
落語の世界に引き込まれ:亀岡市職 Aさん
落語絵本が好きな息子と一緒に参加しました。喜ぶだろうと思い連れて行きましたが、あまり乗り気ではありませんでした。しかし始まってみると、すぐに落語の世界に引き込まれ、大笑いの連続でした。子どもも楽しめる短いお話、馴染みのあるお話から、大人が笑えるお話と、短い時間でしたが、とても濃い内容で、楽しませて頂きました。
楽しく学び、気付けば笑顔に:与謝野町職 Bさん
体育遊びでどんな力が育つのか。また、段階的に体育遊びを展開させるにはどうすれば良いのか。多くの事例や実践を交えて教えていただきました。
体験した遊びは、どれも簡単だけど楽しく、初対面の方ばかりではじめは恥ずかしさもあったのですが、気付けば笑顔になり、声まで出して楽しんでいました。
明日からの保育に取り入れたいです。
声を上げることの大切さ実感:京都市職労 Cさん
23日のミニ学習会では、政府が行おうとしている幼児教育・保育の無償化の危険な面をわかりやすく説明してもらいました。今のままでは、子どもの保育環境や保育士の働く環境がより酷くなると危機感を抱きました。全国の保育士がより良い保育環境を確保するために運動をしていること、声を上げる大切さを実感した2日間でした。
京都自治労連 第1939号(2019年3月5日発行)より
4年に一度の統一地方選挙が、4月にたたかわれます。今度の選挙は、夏の参議院選挙とも連動し、地方政治のみならず国政にも大きな影響を与える選挙で、ウソとゴマカシの強権政治、安倍暴走政治に審判を下し、新しい政治を切り開く絶好のチャンスとなる選挙です。問われる争点を、今号と次号(3月20日号)で特集します。
戦争への協力ではなく、住民の安全と平和を守る
「2020年を新憲法施行の年に」と宣言した安倍首相。しかし、その改憲スケジュールは、大きく変更を迫られています。2018年、国会では改憲論議も自民党改憲案の提示もできませんでした。どの世論調査でも「安倍政権下の改憲に反対」が多数です。
ところが、安倍首相は「20年の新憲法施行」をあきらめていません。2月の自民党大会では、「自衛隊員の新規募集に自治体の6割が協力を拒否している。このような状況を変えるために、憲法に自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう」と憲法改正の必要性を強調しました。憲法改正で、自治体に自衛隊員の募集に協力させようというもので、『徴兵制』に行きつく危険があります。このような中で京都市は、18歳と22歳の個人情報をシールにして提供しようとしており、市民から大きな反対の声が出ています。自衛隊法では、「適齢者名簿の資料の提出を求めることができる」とされており、協力するかは自治体の判断です。
沖縄の辺野古への米軍新基地建設、過去最高の5兆3000億円にもなるくらし破壊の大軍拡予算など、今回の統一地方選挙は、戦争する国づくりに協力する自治体ではなく、住民の安全と平和を守るのかが大きく問われています。
安倍暴走政治の税と社会保障一体改悪を許さない
社会保障のためにと、消費税が導入されて30年。社会保障は充実どころか、年々改悪されてきました。2013年に消費税は8%に引き上げられましたが、社会保障は、3兆4500億円も削減を強行。
10月には消費税を10%に引き上げる一方で、生活保護費の削減、年金支給開始年齢の引き上げ、75歳以上の医療費窓口負担の2割化、病院ベッド数の削減、介護保険サービスのさらなる縮小・介護保険サービス利用料の引き上げなどが狙われています。
また、「学童保育」(放課後児童クラブ)の職員の配置や資格の基準を事実上撤廃することを決めました。「学童保育」の重大な後退につながると心配の声が広がっています。
消費税10%増税を前提にした「幼児教育・保育の無償化」も大問題です。無償化と言いながら、保育園では給食の食材費を保護者から実質徴収することが狙われています。さらに、公立保育園の無償化財源は、2020年度以降、全額地方自治体の負担となり、「財税」を理由にさらなる民営化が加速する危険をはらんでいます。
京都自治労連 第1939号(2019年3月5日発行)より
宇治市にある野外活動センター「アクトパル宇治」で働くDさん。施設管理や利用者のサポート、イベント企画と、日ごろはバタバタとしています。「昼休みはちゃんと、とれています。コンビニ弁当で済ませたり、自宅からおにぎり持っていったり…」―あまりこだわりはないようです。
今日は組合の集まりで、京都市内の会議室で缶ヅメ。「色とりどりできれいです。おいしい」と会議で出されたお弁当に満足の様子でした。
京都自治労連 第1939号(2019年3月5日発行)より
19春闘 3・14 全国統一行動
〇職場集会・学習会に参加しよう
〇地域の取り組みに参加しよう
第4回フットサル大会
日時:3月16日(土)13時開始
会場:フットサルスクエア京都南(京都市伏見区)
男女問わず、単組・職場など、組合の仲間と一緒に出場ください。
お問い合わせは京都自治労連、または各組合役員まで。
すべての単組で19春闘要求書を提出し、
交渉を行おう!
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
京都自治労連は、2月12日から25日にかけて19春闘自治体キャラバンを実施。京都自治労連19春闘要求書に基づき、府内全自治体、および一部事務組合も含めた自治体関連職場の当局と懇談・意見交換を行いました。懇談では、賃金・労働条件や長時間労働是正と人員確保、会計年度任用職員制度、地方財政と公共サービスの産業化・民間委託問題などで率直な意見交換を行いました。
人員確保へ賃金・労働条件改善を
賃金問題についての見解では、ほとんどの自治体で「人勧準拠が基本」との立場が表明されました。「給与制度の総合的見直し」に伴う現給保障を一年延長させた自治体では、まだ不利益を被る職員が存在するため、さらに一年延長が条例化されています。また、災害による財政難を理由に、人勧遡及未実施の自治体は、「19人勧が出た場合は実施したい」としました。
時間外の上限を定める条例改正では、多くの自治体が3月議会での上程を表明し、詳細については組合と協議するとしました。その一方で、条例改正について認識していない自治体があり、受け止めの大きな違いも明らかになりました。
人員確保の問題では、「これ以上削減するわけにはいかない」「業務に支障があり、増員している」という自治体がある一方で、合併を行った自治体の中には「合併特例債がなくなり、財政が厳しく、さらに削減が求められている」など、更なる人員削減を計画している自治体もあります。また、相変わらず技術職の応募が少なく、必要な人員が集まらない実態は改善されていません。さらに賃金水準が低い自治体では、行政職の応募が募集に満たない事態が起こっており、賃金・労働条件の改善をはじめ、魅力ある働きがいある職場づくりの取り組みが急務となっています。
取り組み急ごう
―会計年度任用職員制度問題
会計年度任用職員制度については、ほとんどの自治体が、国からの財源保障が不明確ななか、早くて6月、何とか9月議会には上程したいとしました。また、「雇用の継続と賃金・労働条件が現在よりも下がることがないようにしたい」としながらも、国からの財源保障が明らかにならない中で、フルタイム・パートタイム問題や一時金、退職金問題など、制度設計ができない悩みも率直に出されました。
公共業務の民間委託・民営化問題では、財政問題や会計年度任用職員制度を背景に、今まで以上に前のめりになっている自治体が増えていることが特徴です。ある自治体では、「必ずしも職員が行わなくてもよい業務を一括してパッケージ化し、委託したい」との方向性も示されるなど、公務公共業務を守る取り組みの強化の必要性も明らかとなりました。
全単組で職場要求討議を行い、春闘要求書の提出・交渉で、要求前進を勝ち取りましょう。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
2月4日、京都自治労連は、西脇府知事に「2019年春闘要求書」を提出しました。対応した能勢重人自治振興課長は、「しっかり検討したい」としました。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
京丹波町職は、2月13日に開いた執行委員会で19春闘要求書作成の議論を行いました。この間、休日出勤手当の改善など、要求前進を勝ち取っており、1月31日には各分会から寄せられた職場要求を基に、人員問題での緊急要求書と財政問題での緊急提案書を提出しています。
この日の執行委員会では、「誰でも4級到達」要求について、ラスパイレス指数が類似団体と比較して非常に低いこと、また賃金水準が、人員確保の面でも大きな障害となっている点からその正当性を再確認。超勤縮減、会計年度任用職員制度、新庁舎建設などの課題に対する要求議論も活発に行い、要求書作りをすすめています。3月13日には福島功京都自治労連委員長を講師に、春闘学習会を計画しています。
同じく13日、宇治市職労は春闘要求や闘争方針などを提起する中央委員会を開催。分会学習会をはじめ、人員要求闘争の取り組みをすすめています。
また、向日市職労も13日の執行委員会で春闘要求の議論を深めています。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
京都自治労連は、11日に福知山市内で「京都北部学童保育のつどい」を開催し、指導員や市民、約10人が参加。学童保育の役割と現状、課題を学習し、よりよい学童保育のあり方について、参加者で話し合いました。
京都学童保育連絡協議会の出射雅子事務局長が、「学童保育ってなぁに?」をテーマに講演。出射さんは、子どもをめぐる事件の増加、地域コミュニティの衰退などの状況をふまえて、「学童保育へのニーズは高まっている」と語り、子どもたちにとって安心できる生活の場にすることの重要性を強調されました。
ある指導員さんは、「子どもが好きで指導員になったが、子どもへの接し方を勉強したくて参加した」と自己紹介。市民の方が、「南部の学童保育と比べると、北部では保護者のつながりが少ないように感じる」と発言されると、「学童保育を充実するには、親と対話し、親の声が行政に届くことが大切」と熱心な話し合いが続きました。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
2月9日、「より豊かな学校給食をめざす第38回京都集会」が京都市内で開催され、のべ130人の市民が参加。中学校給食の実施をめぐる取り組みの現状や、この間増えてきた民営化・民間委託の動き、食の安全などについて意見交流が行われました。
伝えたい和食のすばらしさ
記念講演は、日本料理店「分(わけ)とく山(やま)」総料理長の野洋光さんが、「和食のすばらしさ 伝えたい」と題して講演。野崎さんは、福島県出身であることにも触れながら、バランスの取れた日本食が崩れてきた要因の一つとして、「昭和30年代、アメリカで余った小麦を日本が大量に買わされ、学校給食がパン食へ変わり、牛肉などの輸入自由化で食生活が欧米化し、伝統的な食文化が伝わらなくなった」と指摘。気候風土に適した発酵食品や酵素などを取り入れた調理が最も日本人の体に合ったバランスの取れた食事と強調し、「子どもたちに和食の素晴らしさを伝えてほしい」と呼びかけました。
?教育としての給食?運動強めよう
金井多恵子事務局長が基調報告。府内の中学校の給食実施率が35・7%、全国で下から2番目。このような中で、各地で中学校給食の実施を求める運動が前進していることや、中学校給食実施と引き換えに小学校給食が民設民営になった宮津市などの動きについて報告。「子どもたちの健やかな成長発達を保障するために、教育としての給食を求める運動を強めよう」と訴えました。
だしの力で?和食?好きに:大山崎町職 Aさん
私は、大山崎町の保育所担当栄養士をしています。「本当の日本料理を知らない子どもが増えている」という話が印象的でした。保育所のメニューで、カレーやハンバーグなども人気ですが、だしなどをうまく利用して、何よりも子どもたちに?和食?が好きと言ってもらえる食育をしていきたいと思いました。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より
2月17日、京都市内で、自治体要求連絡会主催の水道民営化・広域化を考える学習交流会が開催され、住民、議員、自治体労働者など、約30人が参加しました。
最初に、自治体要求連絡会事務局長で京都府職労連委員長の森吉治さんが開会挨拶を行い、「水道のあり方が問われる重要な局面を迎えている。水道は住民の命と直結するもので、重要な課題だ」と、この学習交流集会の目的を話しました。
住民から水奪い、大企業の儲けに
続いて、自治労連公営企業評議会事務局長の近藤夏樹さんが、「水道事業の現状と水の公共性を考える」と題し、政府が押し進める水道の民営化・広域化への動きについて、その狙いと現状を講演しました。近藤さんは、「コンセッション方式」という民営化の手法を用いて、住民から水道を奪い、広域化で地方議会の関与をなくすなど、民営化のハードルを下げ、企業の儲けの規模を拡大するとし、それぞれの問題点を明らかにしました。
続けて、「政府は、水道を自営から公営に戻している世界各地の流れに逆行する。住民・地域から水道を守るため、政策提言も重要」と強調しました。
意見交流では、質問や地域の取り組みが活発に出されました。
京都自治労連 第1938号(2019年2月20日発行)より