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今年、自治体職場に就職された方々は、新型コロナウイルスの影響で、十分な研修も受けられないまま、大きな不安と緊張を抱え働いています。就職して3ヶ月。コロナ禍でも、二人とも、とても明るく前向きで、清々しいインタビューになりました。
みんなで協力していい保育を
向日市職労:Cさん
Cさんは向日市出身。「今配属された保育所は、私が子どものころ通ったところです」とCさんの第一声。保育士の勉強をしていたCさんですが、学校卒業時には向日市の保育士採用がなく民間の保育園に就職しました。「向日市の保育士になりたいと思っていましたから、悩みました」。翌年の募集で念願の向日市に就職できました。「1年ですが民間保育の現場を経験しました。公立保育との違いもありますが活かしていきたいです」。
4月からこの3ヶ月は、コロナ禍での感染対策や職員のテレワーク対応などでバタバタしていたそうで、緊急事態宣言が解除された以降、ようやく仕事や生活のリズムができてきました。「今からスタートした感じがします。先輩の皆さんにアドバイスいただきながら、いい仕事がしたいです」と笑顔が絶えません。
住民との距離が近い新しい取り組みも
南山城村職:Dさん
Dさんは、両親が公務員だったこともあり、自治体で働く魅力ややりがい、難しさなどをいろいろ聞いた上で南山城村の職員募集に応募しました。住民との距離が近い中で、住民の役立つ仕事がしたいと思っていたそうです。「京都府内で唯一の村ですが、元気あるなあって感じました」と学生時代に何回か南山城村を訪れた時の感想や村の魅力を話してくれました。
今の職場は産業観光課。主に観光事業の拡大と村への移住定住促進で「空家バンク」を担当しています。「コロナの影響で、この数ヶ月現場に出ていないんです」と残念そうに話すDさん。住民や地域の様子をもっと知りたい、勉強したいと思っているそうです。「観光推進の一環で村内の二次交通について取り組んでいます。成功させたいですね」と新しい取り組みへのやりがいも話してくれました。
京都自治労連 第1964号(2020年7月5日発行)より
地球一周「平和の波」行動
8月6日〜9日に参加しよう
新型コロナウイルス感染症の拡大が、世界で猛威を振るう中、被爆75年にあたる今年、2020年度の原水爆禁止世界大会は、「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を ― 人類と地球の未来のために」をテーマに、8月6日と9日を中心にオンラインで開催されることとなりました。
京都自治労連と各単組は、原水爆禁止世界大会に、組合員をはじめ職員のカンパ等によって代表を派遣し、核兵器廃絶を願う自治体職場・労働組合の思いを伝え、国内はもちろん世界の運動を学び、職場・地域に伝えてきました。
コロナ禍、今年は例年のような原水爆禁止世界大会が開催されませんが、単組や分会・職場における次の二つの行動を呼びかけます。
【パンフレットで学習運動を】
パンフレット『考えよう、核兵器・地球・私たちの未来』を活用しての学習運動を展開しましょう。
【核廃絶の願い折り鶴に】
みんなが参加できる「核兵器廃絶 折り鶴」に今年も取り組みます。寄せられた折り鶴は、広島自治労連、長崎自治労連を通じて、両市の職員慰霊祭と平和祈念式典に届けていただきます。(7月27日京都自治労連必着)
京都自治労連 第1964号(2020年7月5日発行)より
南山城村を訪れると道路眼下に、府内では数少ない沈下橋を見ることができます。橋の名前は「恋路橋」。前方にはやまなみホールと役場が見え、とてもホッとするのどかな光景です。
さらにすすむと話題の道の駅。南山城村にある道の駅は他と一味違います。「村」を前面に押し出していて、村の情報がいっぱいです。
南山城村はお茶の産地で、お茶はもちろんお茶を使った「道の駅」オリジナル商品がたくさんあります。
その中でも今お勧めはどら焼きとプリン。お茶が練られた餡は見事に緑色ですがお味は控えめ。お茶の香りと甘さがちょうどいい。プリンはとろとろ。こちらもほんのりとお茶の香りがカスタードの濃厚さとベストマッチし、後味もサラッとして美味しかったです。
京都自治労連 第1964号(2020年7月5日発行)より
ほそかわ・たかし=1962年 徳島県生まれ/1984年 愛媛大学法文学部 法学科卒業/1994年 立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了/龍谷大学経営学部教員
編著:『日本の大学評価』晃洋書房/『「無償教育の漸進的導入」と大学界改革』晃洋書房
論文:「社会経営学からの地域産業へのアプローチ」
学生の学ぶ権利守るため自治体も積極的な役割を
コロナ禍 高学費問題と学生の負担軽減について
コロナ禍、新聞各紙に「バイト代や親の収入減で5人に1人の学生が退学を検討」の記事が取り上げられ、少なくない衝撃が走りました。『あの人に会いたい』今回は、高すぎる学費の引き下げや政府による教育予算の拡充を求める取り組みに、長年携わってこられた龍谷大学教員の細川孝さんにお話をお聞きしました。
――コロナ禍、学生の生活実態と大学はどのような状態ですか
細川 学生の状況ですが、龍谷大学で「コロナ蔓延に伴う学生生活への影響調査」を4月25日〜5月1日に実施し、4475人の学生から回答が寄せられました。短期間に、これだけの回答が寄せられたことは、学生の現状の深刻さと関心の高さの現れといえます。
回答では、"今後どのような影響があるか"の設問(複数回答可)では、「オンライン授業が不安」75.8%、「精神的なストレスを感じる」51.5%、「学費の支払いを含めた経済面が不安」48.6%となっています。"生計"の設問では、「アルバイトしなければ生計が立たない」28.9%などで困窮する学生の状況が現れています。
大学の授業は、オンラインで行われ、機器の購入やこれまでとは違った講義への準備など、学生も教員も大変苦労をしています。特に新入生は、入学式も、ガイダンスもない中で大学生活を始めています。就職活動は、1〜2ヶ月遅れており大変心配しています。
今、学生を苦しめている一番大きな問題は、世界的に見ても異常に高い日本の学費です。国立大学授業料は、標準額で年間53万5800円。私立大学(入学料除く)の文系が約94万円、理系では約130万円を超える学費が必要となっています。
一方、学費を負担している親の可処分所得は、1997年の624万円から2015年には527万円に大きくダウン。全国大学生協連の調査(2019年)では、下宿生の親からの仕送りの平均は月7万2810円。アルバイト収入は3万3600円。子どもを一人私立大学へ行かせるのに、下宿生の親は、最低でも年間200万円前後の負担が必要です。そして、足らない部分を、『奨学金』という名の金融ローンや自らのアルバイトで補っています。
学生のアルバイトもコロナ禍で不安定になり、経済的に追い込まれている学生が増えているといえます。
――今、大学がやるべきことは何だと思われますか
細川 全国の大学では、独自の給付型の奨学金とか、「就学支援金」「自宅就学支援金」等の名称で3万〜5万円等を出しているところもあります。
しかし、どこもやらないのが、根本の授業料や施設費を下げることです。
多くの大手私大が入っている日本私大連盟(大手私大を中心に125大学が加盟)が、4月27日に文科省へ『新型コロナ感染症拡大による大学への影響に係る緊急要望』を提出しました。
この『緊急要望』の第1項目に、授業料や施設・設備費の返還を求める学生らの声に対して「一部、誤った理解の下に行われている学費返還の動きに対して、文科省から明確な考えを表明していただきたい」と、授業料などを返納しない大学の立場に文科省のお墨付きを求めているのです。私は、これは違うと思います。
今、大学に求められているのは、コロナ禍から学生の学ぶ権利を守る確固とした立場に立ち、国に必要な財政支援を求め、学生・国民と一緒になって国を動かす役割を果たすことです。
日本のGDPに占める公的教育の予算の割合は、OECD平均の半分ぐらい。国が予算を出さない分を家庭が負担し、学生が奨学金という借金を背負わされているのです。
ヨーロッパに行くと、授業料は無償であったり低額で、返済ナシの奨学金が当たり前です。
ヨーロッパの学生は、よく学ぶと聞いたことがあります。社会によって授業料や学生生活が保障されているため、学ぶことを社会的責任として自覚していると言われます。日本の学生も、学んだことを社会に還元する社会的責任を自覚できる制度になれば、もっと勉学に打ち込むのではないでしょうか。
私は「大学はブラック企業」ではないかと思うことがあります。学生が卒業するときに、数百万円の奨学金の借金を背負って社会に出ることを前提に、大学が成り立っているからです。
日本政府は、今年の4月から「高等教育の無償化」という制度を導入しました。しかし今回の措置は、住民税非課税世帯とそれに準じる世帯のみが対象であり、限定的なものです。しかも、消費税の引き上げを原資にする、非常に不安定で、本来の趣旨からすると矛盾したもので、世界からかなり遅れています。
――自治体の学生支援策で、優れていると思われるものはありますか
細川 北海道の名寄市が、名寄市立大学の学生781人全員に一律10万円の支給を行っています。この支援策の注目すべきところは、名寄市民でない学生にも同額を支給しているとことです。市は、その根拠を「名寄市に大学があることが、市の経済や社会にとって大きなプラスになっている」として、学生を守ることが市の経済を支えるとの考えに立っています。
京都の学生は約15万人。同じことはできないかもしれませんが、現在京都市が取り組んでいる学生アルバイト雇用制度などは、いい取り組みと思います。
京都市長選挙で福山和人候補が政策に掲げた、京都市独自の給付型の奨学金制度や、地下鉄や市バスの定期券の割引制度など検討すべきではないでしょうか。自治体は、当事者である学生の意見を聞いて、何ができるのかぜひ検討し、学費負担軽減へ牽引車の役割を果たしてほしいです。
京都自治労連 第1964号(2020年7月5日発行)より
福知山市長選挙が6月14日投開票され、「市民が主人公の民主市政をつくる会」の奥井正美さんは、健闘しましたが及びませんでした。
選挙戦では、前・現市政の12年間で進められてきた、学校・保育所の統廃合や住民のための事業の廃止・見直しに批判の声が上がりました。
投票率は49.80%、前回を3.86ポイント下回りました。
得票数 | |
[当] 大橋和夫 | 13,754 |
嵳峩賢次 | 7,230 |
小瀧真里 | 6,977 |
奥井正美 | 3,076 |
京都自治労連 第1964号(2020年7月5日発行)より
仲間が増えるとみんな元気
新採・未加入・会計年度の仲間へ組合加入をすすめましょう
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より
府職労連は、「コロナ禍で、住民の暮らしと営業の実態と、国や行政に何が求められているか」を調査しようと、5月23日と30日に京都市内の商店街で聞き取りを行いました。聞き取り調査は初めての組合員もいて、不安もありましたが、訪ねた多くの商店で「よく来てくれた」と歓迎され、商売の現状や国、行政への要望や意見が出されました。両日で、延べ40人が参加し、120軒を超える商店を訪問。30日の行動には、京都市職労や京都自治労連からも参加しました。
コロナ禍で何が起きている
聞き取り調査を行ったのは、京都市上京区にある千本商店街、北野商店街、出町桝形商店街、出町商店街、堀川商店街。調査方法は、国や京都府・市の支援制度の紹介とコロナの影響、支援制度への意見や要望などの聞き取りで、二人一組で訪問しました。
切実な声が次々と寄せられる
新型コロナの影響で売り上げが50%以上落ち込んでいる店舗が、4割超になるなど幅広い業種で深刻な影響があることが明らかとなりました。
「インバウンド客の激減で、筆ペンや折り紙、休校で筆記具などダブルで売り上げ大幅減」(文具店)、「売り上げは、8割どころか9割減っている。昨日は一人だけ」(レストラン)、「4月は来客ゼロの日も、消毒などの経費も負担増」(美容室)など切実な声が寄せられました。
必要な人に必要な情報を
支援制度については、「申請してもいつになるか分からない。ドイツのように早く」「賃料や光熱水費の負担を何とかしてほしい」「家賃を3ケ月猶予してもらったが、先送りしているだけ。家賃補助制度早く」など素早い対応を求める声や、府や京都市の独自制度を知らない方もあり、「詳しく知りたい」の意見が寄せられました。
府職労連や京都市職労では、寄せられた声を府や京都市に届け、施策に生かされる様に求めて運動を強めています。
商店街実態調査:青年参加者からの感想
●Aさん
はじめは、話を聞いてもらえるか不安だったが、多くの店で、今の切実な状況や思いを話してもらうことが出来た。飲食店では、「今までのアルバイトの10人を入れることが出来ない」との話に、学生が収入の機会を失っていることを改めて実感した。国や府の支援制度の使い勝手の悪さを多くのところで聞いた。実態に見合った素早い対応が求められていることがよくわかった。
●Bさん
商店街での聞き取りは初めて、話し始めると店の外まで出てきて話していただけるなど、どのお店でも丁寧に対応していただきうれしかった。コロナの深刻な影響、商店街自体もショッピングセンターやスーパーなどとの競争のなか、存続の危機にあることが分かった。小さな声を集めて大きな声にしていきたい。
●Cさん
訪問して聞くことで「電話がつながらない。ネットはわからない」「4月初めに申請したのに、いまだにレスポンスがない」という支援制度の実際が分かった。府民にとって申請は大変で、欧州のようなスピーディーにできたらよいと思うが、それが、なぜできるのかを学んで深めたいと思った。聞いた声で何ができるのか、組合のみんなで考えたい。
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より
今年の夏季闘争は、新型コロナ感染症の拡大で住民の暮らしと命が脅かされ、各自治体で職員が奮闘する中での取り組みとなっています。
とりわけ、自らの感染リスクにさらされながらも病院や保健所、保育所、清掃などでの懸命な奮闘。緊急事態宣言での休校や夏休み短縮などに追われる学校・教育委員会職場、他の職場でも給付金や支援制度に対応する特別の体制を取って奮闘しています。
しかし現在の当局の対応は、病院職場では、安心して勤務に従事できる人員配置や防護の対応とはなっていません。本人や家族の感染リスクを含め緊張の連続で奮闘しているにもかかわらず、充分な危険手当も支給されていない実態にあります。
夏季闘争では、当局が、職員の奮闘に応えるよう求めるとともに、住民の命、暮らしと営業を守る施策の速やかな実施を強く求めましょう。
国民の怒りの声と行動で「検察庁法案改定」を阻止するなど、コロナ禍の中で政府を追い詰めています。職場・地域から夏季闘争を大きく展開しましょう。
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より
新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が5月25日に解除され、社会経済活動も「新しい生活様式」を取り入れながら徐々に再開されつつある。
しかし、感染がなくなったわけではなく、状況が一定落ち着いている今こそ、今後の第2波、第3波を見据え、PCR検査体制、医療提供体制の強化などに取り組むべき時ではないか。
同時に、京都市の4月の生活保護申請が前年同月比で4割増、京都府内でコロナを理由とした解雇者が200人を超えるなど、長期の休業要請等により、住民の生活基盤そのものが大きく揺らいでいる。先日参加させてもらった商店街調査でも「持続化給付金」の適用要件の緩和や「特定定額給付金」の引き上げなど、安心して休業するための補償が求められていると痛感した。
コロナで命を落とすか、経済的困窮で命を落とすか、といった究極の選択ではなく、一人の犠牲者も出さない、そのための政治の役割が今こそ求められているのではなかろうか。(F)
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より
コロナ感染予防のためには、3密(密閉・密集・密接)を避けるよう言われていますが、介護の現場は、特に「密接」なしには成り立ちません。高齢者の感染は、重症化を招き命に係わるリスクが高く、クラスターが発生しやすい状況。それだけに、利用者・家族、職員は緊張の毎日が続いています。社会福祉法人七野会理事長の井上ひろみさんに、政府や行政への要望をお話しいただきました。
コロナ禍の介護現場
【利用者・家族の現状】
入所施設では、家族との面会や外部との接触は3ケ月にわたり制限しています。家族は、「認知症が進むのでは」と心配し、直接会えないもどかしさを抱えています。入所者は、買い物や、外出を楽しむこともできません。
【職員】
人員不足に加え、感染防止に時間が割かれ、きめ細やかなケアが出来ないジレンマに。福祉援助では「密接」は避けられず、自分や家族の感染と、施設に持ち込まないか不安と緊張が続き疲弊しています。
在宅支援ヘルパーは、50〜60代以上のベテランが多く、発熱者への支援に入ることもあり、常に感染の不安を抱え勤務しています。
自主的休業、離職者も出ています。離職者が増えると介護現場は崩壊します。新規就職も「危険」と親から止められるケースもあり、人手不足に拍車がかかります。
【防護具】
マスクは徐々に入荷していますが、サージカルマスクと消毒液は依然不足、エプロンやガウンの入荷なく、どの施設でも困っています。感染が起きれば、対応できない状態です。
このような中で、新規入所者の受け入れに慎重になったり、デイサービス利用者の自粛や利用回数減で、収入が大きく減っており、5月はさらに減ると危機感を募らせています。
政府・行政に求めるもの
十分な衛生材料の確保公費で危険手当の支給を
今、現場から訴えたいことは、いつ感染するか怯えながら利用者に向き合う全ての福祉・介護業者が安心して支援を続けられる施策は何か、一緒に考えて実行していただきたいということです。
介護現場では、今後継続した感染防止が必要なので、福祉介護現場にもサージカルマスク、消毒液、ガウンなど十分な量の衛生材料を、国、自治体の責任で支給してほしいです。
感染者がいる施設はもちろん、感染リスクの下で働く現場職員に公費での危険手当の支給を。
介護は、保険のルール(利用者の1〜3割負担)ではなく、社会福祉の施策としての具体化が必要です。
「切りすて政策」の転換を
政府の保健所削減、病院統廃合、感染症対策の後退、福祉・介護施設への報酬や委託費の削減など切り捨て政策が、感染症に対応できない状況を作っています。そのしわ寄せが、利用者や家族、市民、現場で命を懸けて働いている人たちに集中しています。政治で何を優先するのか、大きく転換しなければなりません。
介護・福祉施設の職員が、現場で何が起こっているか、何が必要なのかを「発信」しなければ、利用者や福祉従事者の権利や安全は守れません。住民の皆さん、自治体職員の皆さんと力合わせて頑張りたいと思います。
京都自治労連 第1963号(2020年6月5日発行)より